Q. 「出産回数が多いほどがんになりやすい」って本当ですか?【医師が回答】

  • 2025年4月2日
  • All About

【医師が解説】妊娠・出産経験の有無によって、発症リスクが変わる病気があります。妊娠・出産経験がある人、出産回数が多い人が気をつけるべき病気について、回答します。
■Q. 4人の子持ちです。「出産回数が多いほどがんになりやすい」って本当ですか?
Q. 「4人の子どもを出産しました。最近、『出産回数が多い人は、がんになりやすい』という話を聞き、不安になっています。実際に、出産回数が多いことで特定のがんになりやすくなるのでしょうか? 詳しく知りたいです」

■A. 一部のがんのリスクが上がりますが、リスクが低下するものもあります
出産回数が多いと、子宮頚がんのリスクが上がります。一方、乳がんや子宮体がんは、出産回数が少ない人のほうがリスクが高いとされています。したがって、出産回数が多いほど全てのがんになりやすいわけではなく、がんの種類によってリスクは異なります。

子宮頚がんは、子宮の入り口部分に発生するがんです。主な原因はヒトパピローマウイルス(HPV)への感染と考えられています。子宮頸がんは、出産回数が多いほど発症リスクが高まる特徴があります。

また、性体験の回数が多いことも危険因子とされています。初期段階では無症状のことが多いですが、進行すると不正出血やおりものの異常などの症状が現れることがあります。

一方、乳がんや子宮体がんは、エストロゲンという女性ホルモンだけにさらされる期間が長いほどリスクが高まるため、妊娠・出産回数が少ない人や初潮年齢が早い人のほうがリスクが高いです。

いずれのがんも、妊娠・出産経験の有無だけで発症するかどうかが決まるものではありません。遺伝要因や環境要因が複雑に関係するので、妊娠・出産経験がある人もない人も、定期的な検診と適切な予防策が大切です。

▼山田 恵子プロフィール東京大学医学部卒業。整形外科専門医、日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医、認定産業医。東京大学医学部医療情報経済学客員研究員、ハーバード大学研究所客員研究員等を経て、現在、東京大学医学部附属病院整形外科。勤務医として診療にあたりながら、女性の健康をサポートする情報を幅広く発信している。

山田 恵子(医師)

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