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「理想の妻」の条件とは?穏やかで優しく反論しない女性と結婚した男性、円満の条件に気づく

  • 2024年5月20日
  • All About

喧嘩ばかりしている両親に育てられたため、穏やかで寛容な女性と結婚した。しかし「喧嘩にならない」関係は、これはこれで問題が多くあることが最近わかってきた。
結婚の決め手として、「この人となら一生、穏やかな家庭が作れると思った」と言う男性は少なくない。

家庭は「楽しい」より「穏やか」が優先なのか、本音としては「妻が穏やかなら、自分の居心地のいい家庭になる」という意味なのか。

ただ、穏やかでありながら自分の意志をしっかりもつのは意外とむずかしい。

■結婚するなら「優しくて穏やか」な女性?
「僕は両親がケンカばかりしている家庭で育ったんです。今になってみると、あれはお互いに言いたいことを言い合えていたんだとわかるけど、ああいう家庭で育ったのは嫌だった。

だから結婚するなら優しい女性、穏やかで反論してこない女性がいいと思っていました」

マサルさん(39歳)はそう言う。4年前の35歳のとき、仕事で知り合った30歳の女性と結婚した。一粒種の女の子は3歳になった。

「妻のいいところは、本当はそうは思ってなくても、いったん『そうね』と受け止めてくれること。その後、やんわりと『こういう考え方もあるかもね』と別の指針を出してくる。

これならケンカにはならないんですよ。妻の寛容さに救われてきたところが多々あります」

■結婚して気づいた、妻の不思議な行動
ところが娘を保育園に預けるようになると、妻の不思議な行動が目につくようになった。自分で考えることを放棄しているのかと思うこともあるそうだ。

「誰かに言われたことをそのまま信じてしまうんです。たとえば自分が出産で太って、なかなか元に戻らない。保育園のママ友に聞いた、何か一品だけ摂取して痩せる方法に一時期、はまっていましたね。

キャベツだけというのを長くやっていて、ついに体調を崩したんです。僕はずっとそういう無謀なダイエットはやめろと言っていた。

でも僕の言うことは聞かず、たいして親しくもない知人の言うことはまるごと受け入れてしまう。彼女が体調を崩して入院までしたときは、本当に大変でした」

もうダイエットはしない、きちんと栄養を考えると約束したが、その後は糖質制限にはまっていたこともある。

そして今はリンゴダイエットだ。

「リンゴをすりおろしてせっせと食べている。まあ、他の食材も摂取しているようですが、肉は太るだのチーズは太るだのと言っていますね。

別に僕は無理に痩せなくてもいいと思うんですが、『そうなの?』と言いながらダイエットしています」

妻の寛容さは、妻の意志のなさなのではないかとマサルさんは思うようになっている。ダイエットと言いながら、妻は近所でもらったお菓子を平然と食べていることもある。

だったらきちんとごはんを食べたほうがいいと諭しても、妻は「そうね」と言うだけだ。

■妻の「そうね」「そうよね」が謎
このところ、妻は「娘の小学校受験」に興味をもっているようだと彼は言う。それももちろん、ママ友に吹き込まれたのだ。

「中学受験ならわかるけど、小学校受験はまだいいでしょと僕は思っています。妻は『そうよね、早いわよね』と言いつつ、小学校受験のための予備校やお受験本を買ってくる。

それを見て僕はため息をつくばかり。ケンカにならないことがいいわけではないと、ようやくわかってきました」

つい先日、妻が娘を連れて実家に行ってくるというので、マサルさんもひとりでふらりと自分の実家に行ってみた。

「ふいに行ったら、もう家の前で両親の口げんかが聞こえてくるんですよ。笑っちゃいました。結婚して40年以上も経つのに、いまだにけっこうな激しさでケンカしてる。

僕が入っていくと、『あ、いいところに来た。マサル、聞いてよ、お父さんたらね』と母。『いや、マサルを味方につけるなんて卑怯だぞ』と父。

子どもかよと思いましたが、結局、何が原因かと尋ねるとふたりとも首を傾げてる。

両親が結婚以来、近所関係もほとんど変わってないんですが、隣の家の人がやってきて『あ、ケンカ、終わったの? これ、どうぞ』と和菓子を差し入れてくれました。それからみんなでお茶を飲んで、バカ話をして笑って。

僕の育ったところは下町で、いまだに近所付き合いがそんな感じなんです。隣家の人は『マサルちゃん、またね』とすぐに帰って行った。そういうところは気遣いしてくれる」

■夫婦ともに互いの“本性”を見せ合って
その日は両親とくだらない話ばかりして、独身で仕事ばかりしている妹が帰ってくるのを待ってすき焼きをした。妹は「おにいちゃんが来てるっていうから」とマサルさんの大好きな地元のケーキを買ってきてくれた。

「食後、たまにはオレが片づけるよと妹とお皿を洗っていると、また両親がぶちぶちケンカしてる。いいかげんにしろよと言ったら、父が『いいんだよ、オレらは好きなこと言い合ってるんだから』って。

妹も『あれが健康の秘訣らしいよ』と笑っていました。やっぱり夫婦は、こういうやりとりができるほうがいいのかなあとしみじみ思いましたね。うちの両親はケンカしすぎだと思うけど……」

結婚生活が続く夫婦は、長い時間を経ながら知らず知らずのうち自分たちの居心地のいい関係を築いていくのかもしれない。

「うちはまだまだお互いに無理をしているのかもしれない。もしかしたら僕が妻に無理を強いているところもあるのかなあ、と思うところがありました。これから少しずつ、妻も僕も本性を見せ合っていかないといけないんでしょうね」

▼亀山 早苗プロフィール明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。

亀山 早苗(フリーライター)

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