「神田珈琲園」、山口・道場門前で再始動 35年の味を新たな場所で継承

  • 2025年5月7日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 山口市道場門前で喫茶店「神田珈琲園」(TEL 083-932-6066)が新たなスタートを切ってから、4月21日で1カ月を迎えた。(山口宇部経済新聞)

 提供する「神田モーニング」

 惜しまれつつも3月15日に閉店した山口市大内御堀の同店の味と精神を受け継ぎ、新たな店主となったのは濱崎秀俊さん。「約20年前、妻が飲食店を開業する際に、先代の『神田珈琲園』マスターである佐川宏助さんから支援を受けたことが出会いだった」と話す。公務員として長年勤めてきた濱崎さんは、退職後には喫茶店のマスターになるという夢を抱いていた。

 「常連客となるうちに、佐川マスターから『自分が年を取ったら店をお願いね』と冗談交じりに言われるようになった。佐川さんが体力的な理由から閉店を決意された時、強くこの味と場所を引き継ぎたいと思った」と濱崎さん。佐川マスターからコーヒーの焙煎(ばいせん)や淹れ方を丁寧に教わり、事業承継という形で「神田珈琲園」を再び開店するに至った。

 移転後の店内には、カウンター席=2席、テーブル席=15席を設ける。「長年親しまれてきた店の雰囲気を大切にしたい」と、テーブルと椅子は前の店のものをそのまま使う。

 提供するコーヒーメニューは、「珈琲園ブレンド」「キリマンジャロ」(以上500円)、「コロンビア」(510円)、「大内ブレンド」「グアテマラ」(以上600円)など。焙煎機も前の店で使用されていたものを引き継ぎ、変わらぬ味を提供する。

 多くの常連客に愛された、一日中注文できるモーニング「神田モーニング」(700円)も健在。そのほか、「昭和ライスカレー」(700円)や「本日のケーキ」(450円)なども用意する。

 販売するコーヒー豆は、「珈琲園ブレンド」(100グラム500円)、「ブラジル」(100グラム550円)、「アンデスマウンテン」(100グラム670円)など、常時10種類程度。濱崎さんは「珈琲は自家焙煎で、常に新鮮な状態で提供できるよう、作り置きはしていない」と品質への自信を語る。

 開店から1カ月がたった。濱崎さんは「継ぐ側と継がせる側、お互いの思いをしっかりと反映して事業承継できたと感じている。常連のお客様も来てくださるし、買い物帰りにふらっと立ち寄ってくださる新規のお客様も増えている。幅広い世代の方に、少しずつこの場所が浸透している印象」と話す。

 「長年愛されてきたこの味を引き継ぎ、この場所で長く続けていきたい。当店のような存在が、商店街を訪れる人を増やし、地域の活性化に少しでも貢献できれば嬉しい」と笑顔を見せる。

 営業時間は9時~18時(日曜のみ10時~17時)。月曜定休。

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