扶養内フリーランスとして働いている人の中には、「扶養を抜けたい」という思いと「収入が安定するか」という不安の間で揺れ動いている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、扶養内でWebライターを始め、現在では扶養を抜けて専業Webライターとして活躍しているNanaさん(@Nana00656876)にお話を伺いました。
Nanaさんは、小2と中1のお子さんを育てながら在宅でWebライターをされています。もともと高校で英語の非常勤講師として働いていたNanaさん。最初は、家計の助けになればと思いWebライターの仕事を始められたそうですが、今では家事育児と両立しながら満足のいく収入を得られているそうです。
今回の記事では、独立直後の挫折から学んだフリーランスの生存戦略についてお伺いしました。
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こんにちは!WebライターのNanaです。
私は扶養内パートのかたわら、副業で3年間Webライターを経験しました。その後、扶養を抜けて、現在は専業Webライターとして活動しています。
今回は、私自身が扶養を抜けた直後に経験した収入の低迷と、そこからどのように脱したのかについてお話しします。
扶養を抜けて半年、収入が低迷した理由
扶養を抜け独立して間もない頃、大口の案件を担当することになりました。しかし、実際に仕事を進める中で、当初の打ち合わせで想定していた内容と実際の要求に食い違いがあることが分かったのです。
期待される成果を出せそうにないと判断し、合意のもとで契約を終了することに。その結果、月の収入の大部分を失うことになりました。そのあと約半年間、収入が低迷することになったのです。振り返るとその原因は、新しい仕事を積極的に探さなかったことでした。
扶養抜け後のフリーランス成功術
扶養を抜けて約半年間、収入低迷を経験した私が考える「フリーランスとして成功する秘訣」は、以下のとおりです。
●攻めの営業姿勢で収入を安定化させる
●提案文やポートフォリオの質を上げる
●案件の中身をしっかり確認してミスマッチを防ぐ
■攻めの営業姿勢で収入を安定化させる
収入低迷の主な原因は、将来の見通しを立てていなかったことでした。「既存の発注主からの仕事だけで何とかなるだろう」という楽観的な考えから、新規案件の応募も月に1、2件ほど。この消極的な姿勢が安定収入の妨げとなっていたのです。
転機となったのは、独立して半年後の夫の一言。「扶養に戻ったほうがいいんじゃない?」この言葉に悔しさと焦りが込み上げてきました。夫の言葉をきっかけに、積極的な営業活動を開始しました。
フリーランスエージェントサイト※1で月10万円以上の案件に応募したり、SNSやクラウドソーシングサービス※2でディレクション※3案件を探したりしました。さらに、これまでの発注主にも新たな仕事がないか積極的に打診。
この努力が実を結び、本格的に営業を始めてから2ヶ月後には収入が回復。積極的な行動が、フリーランスとしての安定につながったのです。
※1:新規クライアントの開拓から案件の獲得まで、 一貫したサポートを提供するサービス
※2:企業や個人がWeb上で仕事の受発注をするプラットフォーム
※3:ライターさんの記事添削や案件の進行管理などを行う仕事
■提案文やポートフォリオの質を上げる
新たな発注主から採用してもらうために、提案文の質を上げることにも注力しました。
求められている条件やスキルを正確に把握し「自分はぴったりの人材です」と提案文の最初でアピールするようにしました。たとえば、週当たりの稼働可能時間や、依頼されている業務内容に対応できるかなどです。
ポートフォリオ※も実績を整理して新しくしました。ネット検索やXを活用すると、活躍中のライターさんたちのポートフォリオが見つかります。
私もこれらを参考にして、noteで自分のポートフォリオを作りました。執筆ジャンルごとに各案件での工夫点や成果を簡潔にまとめ、発注主が求める情報を一目で把握できるよう心がけました。皆さんもぜひ試してみてはいかがでしょうか。
※過去の執筆実績や経歴をまとめた自己紹介資料
■案件の中身をしっかり確認してミスマッチを防ぐ
案件選びでは、報酬だけでなく仕事内容が自分の価値観に合うかも重要です。単に金額で決めてしまうと、ミスマッチが生じて長続きしない可能性があります。
応募時や面接時には、気になる点を積極的に質問し、互いの認識のズレを防いでおくと良いです。とくに確認すべき重要なポイントは以下のとおりです。
●具体的な業務範囲(構成作成・執筆・画像選定・入稿など)
●期待される稼働時間と稼働日数
●想定される納品本数
とくに納品本数は、月給制や時給制の仕事だと記載されていないことが多いです。「月にどのくらいの量を期待されていますか?」と確認しておけば、お互いの期待値が合い、気持ちよく仕事を進められるでしょう。
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フリーランスWebライターのNanaさんの経験から、安定収入への道筋が見えてきました。半年の低迷期をのりこえ、積極的な営業や提案力の向上、ポートフォリオの整備など、攻めの姿勢が成功のカギだと分かります。扶養抜けを目指す人は、今から積極的に行動するくせをつけておくとよさそうです。
▶プロフィール
Nana
小学生と中学生を育てるママライター。扶養内パートのかたわら副業でWebライターを開始。現在は扶養を抜けて、フリーランスのWebライター・ディレクターとして活動中。
文=YY