
「お母さんの正体 ハルカママの言えない本音」 / あさのゆきこ(@YUKIKOASANO)
同僚から聞いた洗濯の知識を「やってみてよ」と妻に語る夫。けれど、それは当の妻が何度となく夫に伝えてきたことで……。
「はんなりギロリの頼子さん」「閃光少女」などの作品で知られる漫画家・あさのゆきこ(@YUKIKOASANO)さんが、自身のXに「私が100回言っても聞かないのに他人が言うと一発」というコメントとともに投稿した創作漫画「聞いてないの正体」は、妻に歩み寄ろうとする夫の言動が、反対に妻の話を聞いていないことを浮き彫りにするという一幕を描いた作品だ。
Xへの投稿時、読者から「すっっっごい共感しました」「無茶苦茶わかります」と多くの共感を集めた同作。あさのさんがコミックゼノン(コアミックス)で連載していた「お母さんの正体 ハルカママの言えない本音」の第2話にあたるエピソードで、同作では母であり妻であるハルカママの言葉にこめられた本音と、それを受け止められない夫の日々の噛み合わないやり取りをさまざまな場面から切り取っている。作者のあさのゆきこさんに、作品の成り立ちやリアルなすれ違いのアイデアについて話を聞いた。
■「母になって感じる夫へのモヤモヤ」をテーマに描く
「お母さんの正体 ハルカママの言えない本音」第2話 聞いてないの正体(01) / あさのゆきこ(@YUKIKOASANO)
「お母さんの正体 ハルカママの言えない本音」第2話 聞いてないの正体(02) / あさのゆきこ(@YUKIKOASANO)
「お母さんの正体 ハルカママの言えない本音」第2話 聞いてないの正体(03) / あさのゆきこ(@YUKIKOASANO)
「お母さんの正体 ハルカママの言えない本音」の一篇である本作「聞いてないの正体」は、制作当時でもかなりのウエイトをしてめいた「母になって感じる夫へのモヤモヤ」をテーマに描かれており、作者であるあさのゆきこさんは「コミックゼノンの担当編集者さんとWEB向けの漫画を描くということで、どんなものがいいか相談しました」と当時を振り返る。
「モヤッとする場面はほぼ実体験です」と裏話を明かしてくれたあさのさん。連載を始める打ち合わせのときにモヤモヤするシチュエーションを箇条書きにし、出せるだけ出して編集者さんと選んでいったらしく「選ぶ基準はできれば育児中の夫婦の問題の鉄板のものといった感じでした」と作品に使用する題材についてのこだわりを教えてくれた。
母であり妻の本音をリアルに描く一方で、夫側の理屈もそれなりに描かれている本作は、「相手にも考えがある」という目線が一貫している。それについてあさのさんは「それは多分ですが、担当編集者さんが既婚子持ち男性であまり女性側の言い分に偏った話が描けなかったのだと思います」と話す。
最後に読者に向けて「読んでいただいてありがとうございます!話題にしていただけるのを見るに、夫婦と育児は永遠のテーマなんだなぁと思います」とコメントを残してくれたあさのさん。刊行後も根強い人気を集める同作が気になる人はぜひチェックしてみて!
取材協力:あさのゆきこ(@YUKIKOASANO)
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