
「はんなりギロリの頼子さん」「閃光少女」などの作品で知られる漫画家・あさのゆきこ(@YUKIKOASANO)さんが、自身のXに「私が100回言っても聞かないのに他人が言うと一発」というコメントとともに投稿した創作漫画「聞いてないの正体」は、妻に歩み寄ろうとする夫の言動が、反対に妻の話を聞いていないことを浮き彫りにするという一幕を描いた作品だ。
Xへの投稿時、読者から「すっっっごい共感しました」「無茶苦茶わかります」と多くの共感を集めた同作。あさのさんがコミックゼノン(コアミックス)で連載していた「お母さんの正体 ハルカママの言えない本音」の第2話にあたるエピソードで、同作では母であり妻であるハルカママの言葉にこめられた本音と、それを受け止められない夫の日々の噛み合わないやり取りをさまざまな場面から切り取っている。作者のあさのゆきこさんに、作品の成り立ちやリアルなすれ違いのアイデアについて話を聞いた。
同作が生まれた経緯については、コミックゼノンの担当編集者とWeb向けの漫画を描くか相談していたところ、「母になって感じる夫へのモヤモヤ」というテーマでやろうということになったのがきっかけなのだそう。
生活上の「事件」をどんなところから見つけ、また作品に使う題材を選んでいったのだろうか。その点については「モヤっとする場面はほぼ実体験です」と即答。連載を始める打ち合わせのときにモヤモヤするシチュエーションを箇条書きにして出せるだけ出し、編集者とどれを使うか選んでいったのだそう。「選ぶ基準は、育児中の夫婦の問題の鉄板のものといった感じでした」と話したあさのさん。
刊行後も根強い人気を集める同作。読者へのメッセージを聞いた。
「読んでいただいてありがとうございます!話題にしていただけるのを見るに、夫婦と育児は永遠のテーマなんだなぁと思います」
取材協力:あさのゆきこ(@YUKIKOASANO)