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【漫画】タヌキがSNSを駆使して人間を教育!?「真実と求められている姿は全然違う!」【作者に聞く】

  • 2024年5月20日
  • Walkerplus

アニメやゲームでもよく登場する動物のタヌキ。かわいいイメージで身近な存在だが、その生態についてはあまり知らない人も多いのでは。そんなタヌキがITを使いこなし、私たちに真実を教育しようと試みる…!?

SNSに漫画を投稿する図師雪鷹(@zushi_yukitaka)さんの漫画「現代たぬきは教育者」をご紹介。図師さんにも漫画を描いたきっかけやこだわりなどを聞いた。

■漫画誕生のきっかけはXのトレンド入り。実はイメージと違った本当の「タヌキ」
「小さいころからとにかく物語を作りたかったんです」という図師さん。働きながら漫画家を目指しており、SNSにも作品を多く投稿している。「現代たぬきは教育者」は、人間に飼われるタヌキが主人公だが、なぜタヌキを描いたのだろうか。漫画が誕生したきっかけを聞いた。

「『多くの人に自分の作品を読んでもらいたい』という想いから、ページ数が少なく、読みやすいSNS漫画に取り組んでいたころに描きました。タヌキという題材を選んだのは、その当時Xでずっとトレンド入りしていたからです(笑)。実はずっとタヌキの漫画を描いてみたいと思っていたので、ちょうどいいきっかけになりました。情報を集めていくうちに先入観で語られがちな動物だと気づき、この漫画のテーマのひとつである『真実と求められている姿の乖離』が生まれたんです」

4ページという短い物語の中でリアルな姿から始まり、次々と表情が変わっていくタヌキ。作画は図師さんが力をいれたポイントでもあるそうだ。

「こだわったのは最初のページの2、3コマ目です。とにかく目を引いて『なんだこれ!?』と思われるよう、パソコンをカタカタと触るタヌキ、そして強調されるドヤ顔…という風に展開しました。この時の顔はできるだけかっこよく描いたつもりです。『タヌキはかっこいい』ということを知ってもらいたかったんです」

■子どものころに親しんだ獣人や妖怪を今は描く側に。難しくてもこだわりたい。
タヌキに限らず図師さんの漫画は、狐や雪女など、「人ならざる者」の物語を描くことをテーマにしている。その理由について聞いてみた。

「小さいころから物語で彼らに親しんできたからだと思います。童話に始まり、『かいけつゾロリ』『ケロロ軍曹』『ゲゲゲの鬼太郎』など、子どものころに観ていたものの影響がすごく大きいです。昔から友達を作ることに苦手意識を持っていて、だからこそ現実では会えない彼らと仲良くなりたいという想いが築かれていったのかもしれません。それに、人間だけを描いていてもあまりワクワクしないんですよね。やっぱり、獣人や妖怪を描いたほうが自分らしく漫画を作れます。彼らを主人公に据えるのが難しいことは身にしみてわかっていますが、そこにはこだわっていきたいです」

現在はおもにSNSで短編漫画や4コマ漫画を投稿している図師さん。登場人物も世界観もさまざまだが、描くときに共通して心掛けていることがあるそうだ。

「なるべく、自分が思ってもいないことは描かないようにしています。創作の難しいところは、自分以外のキャラクターを作り出さなくてはいけないところにあると思います。自分が何も共感できない、ハリボテのようなキャラクターを生み出すことほどしんどいことはありません。できるだけ、どのキャラクターにも自分のエッセンスを組み込んでいけば、そのキャラクターを私自身が捉えやすくなり、説得力のある内面描写が描けると思っています」

自分の作った物語を表現したいと漫画を描き始めたものの、画力がなく心が折れてしまったこともあったそう。しかし、再び夢に向かって進んでいる図師さんに、今後の展望を聞いた。

「現在は、出版社に持ち込む用の読み切り漫画を制作しています。全くの新作ではなく、以前Xで発表した『狐の嫁入りを見てはならない』を改良する予定です。この作品は自分の漫画人生のなかで最も多くの方に読んでもらえた作品ですが、4ページという枠組みの中では表現しきれなかった部分も多々ありました。もっと登場人物や世界観を好きになってもらえるよう作り直しているので、期待してもらえるとうれしいです!同時にXで定期的に4コマ漫画も発表して、世に埋もれないように漫画を描き続けていきたいです」

図師さんのこれからの漫画にも期待したい。

取材・文=松原明子

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