
「コリャー!!またおまえか!!」。大事な盆栽が飛んできたボールに壊され、雷親父が飛び出してくる……。そんな昔の作品でおなじみの光景の犯人が、意味深な雰囲気の少女だったら――?
しおひがり(@shiohigari114)さんの1ページ漫画「雷親父に恋してる女」に、X上で4.4万件を超える「いいね」が集まっている。
頑固親父に雷を落とされ「すみません」と謝りそうな定番シチュエーションが、「そうだとしたら?」と最後の1コマで不敵に微笑む少女が登場。何とも異様な雰囲気に圧倒され、タイトルを読み返すと恋愛の駆け引きに大化けするという構成に、読者からは「想定外の展開」「迷惑すぎる」「バットコントロールがいい」「立ち振る舞いが上級者すぎる」と多彩なツッコミが寄せられた作品だ。
作者のしおひがりさんは女の子に意味深な一言を言わせるイラスト漫画「しおひガールズ」で人気を博し、同シリーズはアニメ化やLINEスタンプも展開されている。今回はしおひがりさんに、代表作の展開と昭和のあるあるが掛け合わされた同作が描かれたきっかけや、作品制作への思いを訊いた。
■昔の少年漫画の定番に自分の作風を掛け合わせた一作
――作中でオチていると思いきや、タイトルが大オチになっている構成が光る作品です。アイデアのきっかけを教えてください。
【しおひがり】昔の少年漫画でよくある「雷親父が盆栽を割られて怒る」という展開をモチーフにしています。そこから自分の作風であるロマンティックな展開にしていったら…という感じで膨らませました。
――4.4万件を超えるいいねとともに、さまざまな読者の声が寄せられた作品です。反響への思いや、気になったコメントなどを教えてください。
【しおひがり】大変ありがたいです。「嫌われるだろw」というようなコメントもあったのですが、ぼくが雷親父だったらめちゃくちゃ夢中になってしまう気がします。
――2023年はおじさんが主役の一言ネタや、不思議な生き物のシリーズ、作風を活かしたPR漫画など、制作の幅が広がったように感じます。昨年を振り返って変化を感じる部分はありますか?
【しおひがり】昨年は友人の漫画家・イラストレーターたちと漫画を描いてコミティアに参加したりと新しいことにもチャレンジしつつ、まあ基本的にはそんなに変わらなかった気がします。今年はもうちょっといろいろやっていきたいですね…。
――今年の作品制作での抱負を教えてください。
【しおひがり】今年こそ物語性のあるものをもっと発信していきたいです。
取材協力:しおひがり(@shiohigari114)