サイト内
ウェブ

空を飛べる代わりに人生売った!?自由になった男は、満月の日に月を目指すがラストの衝撃展開に「おもしろい」の声【著者インタビュー】

  • 2023年11月30日
  • Walkerplus

43歳、サラリーマン、独身。自分の人生は何の価値もないと思っていた中年男性は、ある日、人生の対価として空を飛ぶ力を手に入れた。空から見下ろすと人間はとても小さくて、自分の悩みもちっぽけなもののように思えた。一見幸せを手に入れたように思えた男の人生が一転する、勝見ふうたろー(@mangaka_tsumi)さんの「飛ぶ男」に7.7万のいいねがつく。


■空を見上げて、鳥のように飛べたら…自由になれる気がした
主人公の長島夢彦は、43歳のサラリーマン、独身。時折、空を見上げて「いっそのこと誰もいない場所に行きたい」と考えることがある。ある日、帰宅すると突然「そらとぶひとびと」という怪しい名刺を持った人物に「空を飛んでみたくないですか?」と言われる。

まずは、無料体験版で空を飛んでみた夢彦。「もっと自分の力で自由に飛びたいなら、『製品版』を購入していただく必要がある…」と言われ、自分の人生に何の価値もないと思っていた夢彦は、「いいよ」と残りの人生を男に売った。その代わりに飛ぶ力を手に入れた。

空を飛べるようになった光彦は満月の日、月に「幸せ」を求め、終点を目指した。そこで彼が見たものは、同じ思いを持った人間が月を目指す姿だった。それが果たして幸せなのか?読者に委ねられた結末について、「こういうの好き」「大変おもしろい」などの声が届く。

■本作を描いたきっかけをインタビュー
勝見さんが漫画を描き始めたのは、中学生の頃。「松本大洋氏の『鉄コン筋クリート』を読んで、絵だけで感情や物語を描いている奥深さに圧倒され、こんな味わいのある作品を描きたいと思い、描き始めました」(勝見さん)。

本作「飛ぶ男」は、「絵として『背広のおじさんが空を飛んでいる』のが、非常におもしろいと思った」ことが始まりだった。扉にもなっているスーツ姿の主人公。空を飛ぶ姿や月を目指す構図などにも注目したい。

「空を飛んでみたい」と多くの人が憧れるテーマだ。序盤は、空を飛ぶ楽しさが強調して描かれているが、中盤からラストにかけて「人生」という深いテーマへと変化していく。「カルト宗教に飲み込まれていくような、不気味な怖さを伝えたいと思いました。ただ最初からそれを全面に出すと人を選びそうな気がしたので、初めのシーンは楽しそうにしておいて、少しずつ本来のテーマに誘導していきました」(勝見さん)。

ラストに男が月を目指すことにしたのは、「僕にとって月というものは『欲しいけれど、実際に手にしてはいけないもの』の象徴だからです。綺麗で魅惑的には見えるけど、実際には過酷な環境なわけですから。パンドラの箱のようなイメージが強くあります」と、勝見さん。太陽を目指した神話のような残酷なラストに衝撃の声も上がる。


取材協力:勝見ふうたろー(@mangaka_tsumi)

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2024 KADOKAWA. All Rights Reserved.