サイト内
ウェブ

毎日にぎやか「着ぐるみ家族」に注目!色んな着ぐるみを着こなす娘&パパに冷静ママのツッコミがさえわたる【作者に聞く】

  • 2023年9月22日
  • Walkerplus

ブルドッグやハムスターなどの動物をはじめ、金魚や花火、鯉のぼりといった季節の風物詩から野菜や重機まで…。日常のあらゆるものを着ぐるみとして着こなすパパとムスメちゃん、2人を見守りつつ冷静で的確なツッコミを繰り出すママさんを描いたイラストが人気を集めている。「着ぐるみ家族」として作品をX(旧Twitter)やInstagramに投稿しているのは、イラストレーターのMasakiさん(@masaki_artwork)。愉快な家族の日常はどのようにして生まれているのか、話を聞いた。

■コロナ禍でも「家の中での生活が楽しくなれば」がきっかけ
Masakiさんが着ぐるみ家族のイラストを描き始めたのは、2020年。「新型コロナウイルスの感染拡大の影響で緊急事態宣言が出されていた時期ということもあり、家から出てはいけない生活を余儀なくされていた状況でした。家の中だけでの生活が少しでも楽しくなれば、という思いで描いていました」

最初に手がけたのは、パパとムスメちゃんが鶏の親子の着ぐるみを着てあいさつをしているイラストだそう。「日常の動作や出来事に『着ぐるみ』という別の要素を組み合わせることで、新しい風景が生まれるなと思いながら描きました。そこから、家の中での出来事とそれに関連する着ぐるみを合わせたイラストを今でも描き続けているという感じです。基本的に、描いた作品はすべてSNSにアップしています」

この家族に特定のモデルはいないが、自分や親戚、今まで会ってきた友人家族のやりとりがベースになっているとMasakiさんは言う。「ただ、無意識に描いていると自分の小さかったころの経験が強く出るみたいで、自分の家族が一番近いのかなと思います。流石に着ぐるみを着たりはしていませんが(笑)」

着ぐるみ家族3人の中で、Masakiさん自身に一番近いと思うのはパパさんなんだとか。「真面目に取り組むけれどどこか抜けていたり、調子にのってやりすぎて後で怒られたり、みたいな性格は自分を写している感じがしています(笑)。ハムスターの着ぐるみを着たパパが洗濯物を押し入れに溜め込んでいるイラストがあるんですけど、あれはもうほぼ自分ですね(笑)。器用じゃないからこそ一生懸命に取り組むので真面目に見えてしまう、けれど自分のこととなると不器用全開、みたいなところはまさにという感じです」

■普段の出来事や幼いころの経験がヒントに。今ではキャラクターが勝手に動いてくれる
着ぐるみやセリフのアイデアはどこから着想を得ているのか聞くと、「普段の生活での出来事や、小さいころの遊びの思い出から描いていることが多いと思います。家事でうまくいったことや失敗したことなどがあったらメモしておいて、後から『この出来事だったらこの着ぐるみかな』とか『このお話とつなげられそう』など、連想ゲームをしてイラストに落とし込んでいます。また、実家に戻ったときに小さいころのアルバムを開いて、昔の出来事からアイデアを得ることもありますね。ムスメちゃんの動きなどは、2・3歳ごろの自分や兄弟の動きをモデルにしています。ただ、最近はキャラクターの性格がしっかりしたことで、『この状況だったらパパさんとムスメちゃんはこんなことをするだろうな、そうしたらママさんはこういうことを言うだろうな』など、想像がはかどることが多くなりました。漫画家さんがよく言う『キャラクターが勝手に動き出す』とはこういうことなのかと実感しました」と答えてくれた。

今年に入ってからは、1枚絵だけでなく漫画形式でも着ぐるみ家族をアップしている。「着ぐるみ家族の世界観を深掘りして広げたいという思いと、新しいことをやってみたいという思いから、漫画を描き始めました。ママさんパパさんの経歴や家族以外のキャラクターなどの設定を考えてはいるのですが、なかなか1枚絵だけでは伝えきれないものがあり、どういう表現が適切なのか模索していました。小学生のころから漫画を描くことは好きだったので、『この際漫画を描いてみよう』という思いで描き始めた、という感じです。1枚絵と違ってコマ割りやストーリーを考えるのは慣れない分大変ではありますが、自分自身が楽しんで描いている実感があるので、長く続けられたらなと思います」

お気に入りの作品を聞くと、「どの作品も思い入れがあるので絞り込むのは難しい」と悩みながら教えてくれたのは、怪獣の着ぐるみを着たパパさんから地球を守っているムスメちゃんのイラスト。「だいぶ初期の作品なのでムスメちゃんの髪型や頭身が今と違いますが、『おうちの中で着ぐるみを着て過ごしている2人』と、『ツッコミはするけどそれを当たり前の風景として許容しているママさん』の関係という、今の着ぐるみ家族の世界観が決まったと言っても過言ではない作品だと思っています。ごっこ遊びが好きだったという『自分の体験』と、自分が好きな絵を『描く』という2つのものがうまく組み合わさって、自分にしか描けない、等身大の世界観を作れたと実感させてくれました」

着ぐるみ親子のイラストをまとめてアップもしているMasakiさんだが、なかでも、「初めてバズった」という投稿「着ぐるみ親子の1日」は、3万いいねを超える反響が寄せられた。

「当時は自分でも信じられないという感じでした。『パパさんの無表情がいい』や『ママさんのエプロンやスリッパの柄も合わせてきてる』など、イラストの細かい部分まで見てくださった方の感想が多くてうれしかったことを覚えています。SNSだと1枚絵のようなイラストはパッと見ただけで流されてしまうことが多い中、小ネタを見つけてくれたということはじっくりイラストを見てくださったということなので、感謝の気持ちでいっぱいになります。SNSで寄せられるコメントなどの反応はすべてチェックしています。SNSでの反応がすべてではないですが、モチベーションになっていることは間違いありません」

これからも着ぐるみ家族を描き続けていく予定だというMasakiさん。「3人やその周りの人に関する描きたいお話がたくさんあります」と話してくれた。

また、今後やってみたいことについては、「僕自身、『いつもの暮らしをちょっぴり面白く』をコンセプトに制作しているので、着ぐるみをベースにして、今後は家族以外のシチュエーションを舞台に何か描いていけたらと思っています。学校生活やさまざまな職場などを舞台にしたら、もっと独特なキャラクターや世界観が生まれそうな気がしています。今後は、3人のほかにも新たなキャラクターが登場する予定なので、楽しみに見ていただけるとうれしいです。また、今は漫画に注力していますが、アニメーションにもチャレンジしたいですね。コミカルに動くムスメちゃんやシュールな動きをするパパさんなどは面白そうなので、いつか作ってみたいと思います」と話してくれた。

日々のささいな出来事も、クスリと笑えるワンシーンにしてくれる着ぐるみ家族。これからものんびり見守りたい。

取材・文=上田芽依

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2024 KADOKAWA. All Rights Reserved.