
子供の頃の楽しい夏休みの中、この時期に頭を悩ませた人も多いだろう「夏休みの宿題」。8月末になっても終わる見込みが立たないとただただ苦しい宿題に、ルール無用な覚悟で望んだ小学生時代のエッセイ漫画が、SNS「X」(旧Twitter)上で1万件の「いいね」とともにユーザーからさまざまなコメントを集めている。
話題を呼んだのは、漫画家のぬこー様ちゃん(@nukosama)さんが投稿した「夏休みの宿題が楽になった話」。エピソードの紹介とともに、当時の思いや学びについて作者のぬこー様ちゃんさんに聞いた。
■計画通りに終わらない宿題に「来年こそは」、けれど翌年は“一大決心”で克服!?
8月末になっても終わらない宿題に頭を抱えていた、小学生の頃のぬこー様ちゃんさん。大好きな算数や図工の宿題は終わっているものの、漢字ドリルは手つかず、絵日記は初日だけ、読書感想文は題材の本をなくしてしまうありさま。ぬこー様ちゃんさんは「来年こそは」と、涙を浮かべながら計画的に進めることを決意する。
が、翌年の夏休みもやはり手つかずの宿題が山積みになっていたぬこー様ちゃんさん。しかしその年、その目に涙はなく、ただただ「向いてない」とほほえみを浮かべるばかり。
数十日という長い期間に課せられる宿題に「未来の自分に丸投げしてサボるだけ」「後半になって焦ってやってもいろいろ紛失してる」と、夏休みの宿題を完遂できない理由を自己分析した小学生のぬこー様ちゃんさんは、「死んでもやらん」とまさかの決断を下すのだった。
■「長ければ長いほどダメ」分析から導き出した夏休みの宿題へのスタンスにさまざまな声
もちろん「良い子はやりましょう!」と欄外でコメントしつつ当時を振り返る、作者のぬこー様ちゃんさん。作品を読んだユーザーからは「休んで正解ですよ」「長ければ長いほどやりませんよね」「子供たちがこれ見たらやらなくなってしまう」などさまざまな反応や、自分の子供時代の宿題の思い出を語る声などが寄せられたエピソードだ。
学校の勉強はしっかりしていたという一方、夏休みの宿題は一度も完璧にこなしたことがなかったと話すぬこー様ちゃんさん。夏休みの宿題をやらないと決めたのは小学校中学年の頃とのことで、「1~2年生まではやろうと努力していました」と振り返る。
やらないと決心するまでは「やっても完遂できないと思ったので諦めました。失敗体験を積み重ねても意味がないですし……」という形で過ごしていたそうで、やらないと決めてからは「本当に楽になりました」と、結果は同じでも心の持ちようを変えることで苦痛がなくなったと語る。ちなみに、「5年生のときに校長先生が変わって、急に夏休みの宿題は廃止になりました」と、決心の後、まさかの顛末があったことも投稿で語っている。
ぬこー様ちゃんさんは以前、締め切りの守るための秘訣を描いた漫画でも「人間は明確なデッドラインを設定されることでやっと集中力が発揮できる愚かな生き物」とつづっており、今回のエピソードについても「長い期間を設けるほどに未来の自分に丸投げするだけなので意味がないですよね。本当に愚かな生き物です。人間」と、同様にロングスパンの課題の落とし穴を指摘した。
取材協力:ぬこー様ちゃん(@nukosama)