
全国展開をするワシントンホテルが開業50周年を迎えた。これに伴うイベントでコラボレーションしたのが桃屋の「ごはんですよ!」。言わずと知れたごはんのおともだ。ホテルがごはんのおともとコラボとは?その内容を探ってみた。
■ワシントンホテルも「ごはんですよ!」も今年50歳
現在、ワシントンホテルと系列ホテル全27施設で開催されているのが「ごはんですよ!」とのコラボ。朝食で「ごはんですよ!」を使ったオリジナルメニューを提供したり、ワシントンホテルとのコラボパッケージの「ごはんですよ!」がお土産に付く宿泊プランがあったり、コラボルームを用意している施設もある。そんなユニークなタイアップ企画だが、この取り組みはワシントンホテルから桃屋への声かけからスタートしたという。
「開業50周年らしいイベントをしたいと考えていたとき、桃屋の『ごはんですよ!』が同じ1973年に誕生したことがわかり、これはぜひタッグを組んで双方のブランドのファンに喜んでもらえる特別なイベントができるのではないかと思い、直接、桃屋さんに相談させていただきました」(ワシントンホテル広報)。ホテルとのコラボということで、最初は桃屋も驚いていたそうだが、すぐに前向きに取り組むことに。実際に何をどうするのか、コラボルームのコンセプトづくりから、タイアップ朝食のメニュー、特別サイトのデザインやメッセージに至る前、両社が一つひとつ確認し合い、丁寧に作り上げていった。
ホテルという立場から、対象となるのは両ブランドのファンだけではない。旅行や出張などの宿泊先として、この時期にたまたまワシントンホテルを利用するという人もいるだろう。そんな人たちも含めて、「ワクワクするような懐かしさや、安らぎを感じられる体験をしてほしい」(ワシントンホテル広報)との思いから、幅広い世代が楽しめる工夫を凝らす。
■「ごはんですよ!」とコラボしたオリジナル朝食メニュー
まずは朝食。コラボ企画としてWHGホテルズ(ワシントンホテル、ホテルグレイスリー)でしか食べられない、オリジナルメニューを開発。コラボメニューは全16種あり、各ホテルでその中から数種類を提供している。
メニューの開発では話題性を追求。マンゴージャムと「ごはんですよ!」を組み合わせるなど、想像の斜め上をいくような斬新なレシピにも挑戦したという。「開発には約1カ月かかりました。ホテルによって喫食数も異なるため、簡単にできる料理から技術が必要とされる料理まで4段階のレベル別に30種を開発。そこから絞り込み、最終的には桃屋の社長ご夫妻にも試食していただき、メニューを決定しました」(ワシントンホテル広報)。
ワシントンホテルの朝食はビュッフェスタイルで、コラボメニューには特製のPOPを付け、ひと目で「ごはんですよ!」とのコラボというのがわかるようになっている。今回のコラボを知らずに訪れた人でも館内のポスターや朝食会場でこのコラボを知って写真を撮ったり、コラボメニューを楽しんだりしている。
さらに、朝食ビュッフェでは桃屋の「ごはんですよ!」以外にも全10種ある海苔佃煮シリーズを2期にわたって提供。なかなかできない食べ比べを楽しめる。これはご飯が進むこと間違いなしだ。
また、「朝食レシピコンテスト」も同時に実施。すでに応募は終了しているが、ホテルの朝食ビュッフェで提供する「ごはんですよ!」を使ったメニューレシピを広く一般に公募。「温かい料理部門」「冷たい料理部門」「デザート部門」でレシピを募集し、入賞したメニューは2023年10月1日(日)~12月27日(水)まで、実際にワシントンホテルで提供される。
■食だけじゃない!「ごはんですよ!」の世界観に浸れる客室
今回のコラボレーションではホテルらしく、「空間」にもこだわった。一部のワシントンホテルで実施しているコラボ客室「あの頃へ、いつでも帰れるーむ」だ。「ごはんですよ!」の世界観を感じられるよう、古きよき昭和の時代にさかのぼったような、何とも言えない懐かしいコンセプトルームを設置。昭和を知る世代はもちろん、若い人たちにもこのレトロな雰囲気は懐かしさやホッとするような癒やしを感じられる。部屋全体を隈なく採寸したうえで、その部屋の特長を活かせるように1からオリジナルで手描き制作。「2つのブランドが生まれた昭和のあの頃には、壁画に描かれたような駄菓子屋さんが日本中のあちこちにあり、多くの人にとって幼少期の原風景として存在していました。友達とワクワクしながら食べた駄菓子や買って遊んだおもちゃなど、多くの人にとっての楽しい思い出の記憶を、さまざまな当時の資料をもとに最大公約数的に抽象化し作画していきました」(ワシントンホテル広報)。
実際にコラボルームに入ってみる。細かく描かれた昭和の風景にまずはテンションが上がる。「絵の中の駄菓子と同じ高さにリアルな駄菓子を置くことで、一瞬リアルと作画の境目がわからなくなり、自分がこの世界に入り込んだような、非日常を体験できます」(ワシントンホテル広報)。ホテルの客室だから落ち着くのは当然だが、これはまた違った安心感にも似た落ち着きを感じる。
ほかにも昔ながらのおもちゃや思わず笑顔になれるグッズなどを室内に置いていて、自由に遊ぶことができる。子供のころを思い出して遊ぶ世代も、どうやって遊ぶか試行錯誤する世代も、それぞれに室内で楽しく過ごせる。ファミリーなら親世代が子供たちに遊び方を教えて家族で盛り上がるのもいい。
実際にすでにこの部屋を利用した人からは、「母娘でご利用された方から、普段話さないような、お母さんが子供のころの話をしたり、昭和を振り返ったりするような会話ができたとの感想をいただきました。メガネの小道具やクッションなどもあるので、写真をたくさん撮るなど、通常の宿泊ではできない体験ができたと満足していただけました」(ワシントンホテル広報)。部屋の中のすべてがフォトスポットでもあるコラボルームは、やはり幅広い世代に喜ばれている。
「あの頃へ、いつでも帰れるーむ」は2023年12月20日(水)チェックアウトまで、ここだけの「ごはんですよ!」付きプラン、朝食での「ごはんですよ!」オリジナルレシピ、「桃屋の海苔佃煮シリーズ食べ比べ」は2023年12月27日(水)提供分まで実施。懐かしくて楽しいワシントンホテルと桃屋のコラボレーション、ぜひ実際に体験してみよう。