
2021年4月の退職をきっかけに、Twitterに漫画を投稿し始めたやぎ公(@yagi_kou_)さん。30年間勤めた職場での経験などをもとに描く「ネコ谷さんは会社員」は、ふつうの会社員・ネコ谷さんや、現代っ子の憎めない後輩・チュー尊寺君など、個性豊かなキャラクターが繰り広げる、意外とリアルな会社員生活を描いた漫画として注目を浴びている。
今回は会社の“お局様”について描いた漫画を紹介するとともに、作者のやぎ公さんに本作を描いたきっかけなどを伺った。
ある日の仕事中、「ちょっと気疲れしに行ってきマス~」と席を離れようとしたチュー尊寺君。
それに対してネコ谷さんが「?」という顔をしていると、「いや…経理課のニャー島お局様のところへ書類を提出に…」と“気疲れしに行く”理由を説明してくれた。
そして実際に、経理課へ行ったチュー尊寺君。「すみませ~ん…」と“お局”ニャー島さんに話しかけようとすると、経理課の人から「あっ!!ちょっとコチラへ!!」と呼び止められ、離れた場所へ連れていかれた。
「ニャー島さん…今朝、課長からいろいろと注意されて機嫌が悪いので、少し経ってから来ていただいたほうが…」。その言葉を聞いたチュー尊寺君は「ハァ~?」とひと言。
結局書類を出せずに経理課から戻ってきたチュー尊寺君。「戻りました~」と報告すると「おや?早かったね」と驚くネコ谷さん。
事の顛末を話すと「ありゃ~」とネコ谷さんは同情。
すると、堰を切ったようにチュー尊寺君は不満をまくし立てる!「てか!!それっておかしくないっすかー!?」「あのおばさん、どんだけ偉いか知りませんけど~周りの人たちに気を使わせて~」「で、周りの人たちも“ニャー島さんの機嫌を損ねさせないように”って雰囲気作っちゃって~」「なんでなんとかしようとしないんですか!?」。
「オレが社長になったら絶対ニャー島さん、クビにしてやる~」と怒り心頭の若手社員・チュー尊寺君に対し、ほかの中堅社員たちの想いとは!?
会社に必ずひとりはいる「お局様」について描いたきっかけなど、作者のやぎ公さんに聞いてみた。
――本作を描かれたきっかけやエピソードなどがあれば、教えてください。
男女問わず、“難あり”な上司に、周りが気を使って怒らせないようにしている雰囲気にずっと疑問を抱いてまして。このモヤッとした気持ちをいつか漫画で伝えたいなぁ…という思いがこの漫画を描くきっかけとなりました。
――在職時に“難あり”な方がいらっしゃったということですが、そういう方に対して、どう対応されてましたか?
周りに気を使わせる人がずーっとそのスタイルで通してこれた…ということは、許してきた更に上の上司の方々がいらっしゃる訳なので、自分ひとりでどうにかなるものでもないなぁ…と。面倒くさい上司と自分のどちらかが異動にならない限り悩みは続くので、離れられるその日まで、機嫌を損ねないように気を使って我慢するしか方法はないかと思います。う~ん、「諦めるしかない」ってことですかね(笑)。
ネコ谷さんやチュー尊寺君たちのように、“難あり”な上司がいる職場で大変な思いをしているという方も、多いのではないだろうか。
取材協力:やぎ公(@yagi_kou_)