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「殺されて埋められた…」白骨死体を探す少女たちの物語が切ない…!!死体を探す意味とは?【作者に聞く】

  • 2023年6月2日
  • Walkerplus

コロナ禍に一般企業を退職したことを機に、「ヤングジャンプ」の「1億円40漫画賞」に応募し、その作品が見事入賞したという矢嶋こずみ(@kosmy8588)さん。現在は版面漫画やWebtoonの背景作画・仕上げを担当する仕事をしながら創作活動を続けている。


そんな矢嶋さんの作品『帰り途(みち)』がネット上で「切ないけど凄くいい話ですね!」「読み返してすべて理解し泣きました。素敵…」「これは悲しいですね…でも勇気を出すことの大事さを学べる良いお話でした」と評判だ。作者の矢嶋さんにこの作品に込めた思いなどについて聞いてみた。

――「帰り途(みち)」は女の子2人(とおじいちゃん犬)で、10年前に行方不明になった女の子の白骨死体を探しにいく話ですね。この話の構想を思いついたきっかけを教えてください。

「海の見える田舎町」で起きた「一夏の冒険」を描きたくて作りました。ジュブナイル的な作品が好きなのですが、世に出回っているものの多くは「少年たち」や「少年少女」と言う組み合わせが多かったので、少女2人で構成し尚且つ耽美な空気になりすぎない、地に足が着いたような作品に仕上げたいと思いました。要約すると作中でも出てきた「スタンドバイミー」の女の子版ですね。

――作中には美しい海が描かれていて、とても印象的です。モデルとしている場所などありますか?

具体的にはありませんが、「東海道沿いの田舎町」で「方言があまり無い」と言うイメージでしたので静岡辺りでしょうか。普段京都に住んでいるので、東京へ遊びに行く時は新幹線やバスの車窓から永遠に続く静岡の景色を眺めることとなります。都会にも行きやすいけど落ち着いていて、のどかだけど少し閉塞的な雰囲気は作品に合っていたと思います。

――この漫画には、“死体”を探すという行動の裏に“自分に足りなかったもの”を探すというテーマが隠されているように思います。この作品に込めた思いについて教えてください。

「2人の少女がそれぞれの帰る場所を見つける途中」と言う意味を込めて、タイトルを「帰り途(みち)」にしました。避けようの無い不幸に見舞われた2人にとって、「世界」とは残酷で逃げ場所も無く、生き延びるためには勇気や成長(足りなかったもの)が必要でした。その上で、何があっても安心して飛び込めるような居場所を見つけることがこの物語の終着点だと考えました。主人公にとっては自分が元居た場所を取り戻すこと。もう1人の少女にとっては、彼女が本当に身につけるべき勇気とは、物語の最後に登場する人物の元へ帰ることでした。

――最後に、今後の創作活動のご予定について教えてください。

100%趣味の漫画となりますと、掲載ペースはのんびりになりそうです。ただ、近日中にとある雑誌で短い読み切りを載せていただく予定です。商業のお仕事をいただいたのは初めてでしたので、本当に勉強になりました。掲載した際はSNS等で告知いたしますので、どうぞご笑覧くださいませ!

誰しも、人に傷つけられてどう対処していいのかわからず、身動きがとれなくなったことが一度や二度はあるだろう。そんな時、どうやって乗り越えていただろうか?ちょっとしたことがきっかけとなって前を向けたり、逆により深みにはまったりもする。今回紹介した『帰り途』では、少女2人が“白骨死体探し”という冒険の先に答えを見つけていく。コメディからシリアスまで、思春期の少女たちの抱える葛藤や成長を題材に描くことを得意とする矢嶋さんらしい作品だ。大人になった今読んでも感動できる作品なので、ぜひ読んでみてほしい。

取材協力:矢嶋こずみ(@kosmy8588)

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