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鳥貴族が明かす、焼き鳥の“たれ派”と“塩派”の地域差とは?関東では“塩”、東海では“第三勢力”が人気に

  • 2023年5月19日
  • Walkerplus

焼き鳥を食べる時、人によって大きく分かれるのは「たれ」と「塩」の好みではないだろうか。どちらも魅力的でそれぞれに根強いファンが大勢いるため、SNSでも“たれ派”と“塩派”の議論はたびたび盛り上がっている。では、両者の好みを分ける要素は何なのだろうか?

単なる“味の好み”と言ってしまえばそれまでだが、「もしかすると地域や年代によって違いがあるのではないか」と考え、焼き鳥チェーン「鳥貴族」を展開する株式会社鳥貴族 マーケティング部の高橋征也さんに取材を行った。“たれ派”と“塩派”について話を聞いてみると、まさかの第三勢力も明らかに!

■濃い味好きが多いはずの関東では“塩派”が多数!?
例えばうどんやすき焼きなど、一般的に関東は濃い味、関西は薄味が好まれる傾向にあると言われている。だが、鳥貴族が独自で行った「関東(東京)と関西のたれと塩の注文数量に関する調査」で、そうした認識を覆すデータが出た。

「この調査で、関東は“塩派”、関西では“たれ派”が多数と、当初の予想とは真逆の結果となりました。これについてはいろいろな理由が考えられますが、まず関西は弊社の発祥の地ということもあり、創業以来続く『秘伝のたれ』が好まれています。そのため、たれを使った『もも貴族焼(たれ)』や『つくね串』などがおなじみの味として定着しているようですね。一方、関東では鳥貴族に行くことがちょっとしたイベントになっているようで、定番メニュー以外を選ばれるケースが多いみたいです」

また、同じ関東でも都市部と郊外で好まれる味に違いがあるそうだ。例えば、新宿・渋谷・池袋のような若者が多く集まる街の店舗では、たれや塩に関わらず、部位ごとにメニューを選ぶ人が多数とのこと。対して郊外はファミリー層が多いため、子供に人気のつくね串など、主にたれベースの商品が選ばれるのだとか。

「関西は、来店者の3割以上が『もも貴族焼(たれ)』を注文しており、かなり高めですが、関東では約2割に収まっています。これ以外でも、関東の方はさまざまな部位を頼まれるので注文の偏りが少なく、結果として関東は塩派、関西ではたれ派が優勢となった形ですね。ちなみに、『もも貴族焼』全体の注文数量の内訳は、6割がたれ、塩とスパイスそれぞれ2割ずつ。『むね貴族焼』全体の注文数量の内訳は、塩が4割、たれとスパイスそれぞれ3割ずつとなっています」

■年代別の好みも発覚!20代〜30代は多様性、そして50代以上は…
地域によって好まれる味が違うという興味深い結果が判明したが、年代別ではどうだろうか。年を重ねるほど、たれより塩のようなあっさりした味を好むイメージがある人も多いかもしれない。しかし鳥貴族が実施した調査では、これまた意外な結果に。

「20〜40代までは特に大きな差はありません。それこそ関東のように、好みが多様化している印象を受けます。そして50代以上のお客様は、なんと地域関係なく65%の方がたれを選んでおります。とはいえ、お召し上がりいただく部位によって味付けは変わってきますので、まったく塩が食べられていないというわけではありません」

そして関東の郊外でたれが人気の理由として、郊外に50代以上の人たちが多く在住していることも関係しているのだとか。

「商品ベースでは、塩のみで提供している『砂ずり』や『せせり』は20〜30代のお客様による注文がメインで、40代以上の方には鳥貴族の名物である『もも貴族焼』が人気です。また、もも貴族焼に関してはたれでお召し上がりいただくお客様が多いので、必然的にたれが優勢になります。ちなみに弊社はここ数年、店舗でのたれの熟成に力を入れており、そのこともあってか直近ではたれの割合が向上していますね」

また、鳥貴族では鶏肉の品質と鮮度にこだわっているため、特に肝などの内臓系は「臭みが少なくて塩でも食べられる」といった声が寄せられるそうだが、一方で「普段は塩を選ぶ方も、鳥貴族ではたれを選ばれることが多いですね」と高橋さんは話す。

■第三勢力は「スパイス」!東海エリアの傾向とは?
地域差や年代別と、さまざまな好みの違いが見られるなか、関東と関西の間に位置する東海エリアでは“第3の味”が親しまれているようだ。それは、鳥貴族が提供している「スパイス」。独自の配合を行ったオリジナルスパイスで、ピリッとした味わいが魅力だ。

「東海エリアのお客様の好みは、若干関西寄りではあるものの、たれと塩以外のスパイスが支持されています。そして『もも』や『むね』などとは違った『創作串』を選ばれることが多いです。また、関東同様、鳥貴族自体が少し珍しがられることもあり、定番メニューではなくあえて変わり種をチョイスされるようですね」

ほかにも、2022年に初進出を果たした九州エリアでは、「たれの甘さが控え目で食べやすい」といった声が寄せられるそうだ。これを受け、高橋さんは「地域ごとに好みの傾向はあるものの、“このエリアはこの味!”のような固定概念はないみたいです」と話す。

「実は今回の調査では、正直、もっと地域や年齢の差が出るかな?と思っていたんですよ。ただ、今は簡単に情報が手に入る時代。各地の名物を謳ったチェーン店も多くなり、どこにいても全国各地の名産が食べられるようになりました。こうした時代の流れが、調査結果にも表れていると感じます」

たれと塩を中心に、長らく多くの人に愛され続けてきた焼き鳥。各地の文化が混ざり合い、味付けの差もなくなりつつある昨今、これを機にさまざまな味わいを楽しんでみてはいかがだろうか。焼き鳥の新たな魅力を発見できるかもしれない。

取材・文=西脇章太(にげば企画)

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