
車の買い替えを考え始めるのは、いつくらいか。10万キロを超えたあたりだろうか?次の車検までにと販売店を訪れる人もいるだろう。今回は、契約した新車を破棄しようとする少女を描いたみこまる(@micomalu)さんの創作漫画「新車の契約破棄にやって来た少女の話」を紹介する。本作は、クニエ漫画グランプリの「共感」をテーマに制作された作品で、6000を超える反響を集めた。新車を買った人が経験する愛車を手放す寂しさを子供の目線で描いており、「新しい車に買い替えた時、同じ気持ちだった」と、まさにテーマの通り共感する人が相次いだ。
■「新車を売りつけた!?」契約破棄に訪れたのは小学生だった!!
ある日、トップセールスマン風間の販売店に小学生の子供が現れた。彼女はいきなり店にやってきて、中条さゆりですと名乗るとともに「おじさん!なんでパパとママに新しい車なんか売りつけたの!?」と、すごい剣幕で捲し立てた。
突然のことで驚く販売員の風間だが、少女が名乗った「中条」という名字に心当たりがあった。約1カ月前に中条さんご夫妻に新車を販売したのである。
以前の車は、10年間乗ったもので下取りに出し、あとは納車を待つばかりだった。しかし、さゆりは、家にあった書類を持ってきて、「カタログもこの紙も返します。こんな車入りません。ケイヤクハキします!」と宣言した。
さゆりは家から契約書類を持ち出していた。そこまでして、契約を破棄したい理由はなんなのだろう。中条夫妻は娘の好きな色、使い心地を想像しながら新車を選んでいた。新しい車が届くのをとても楽しみにしていたはずなのに。
風間は新しい車のどこが気に入らないのか、さゆりに聞いてみた。すると、彼女は「今の車のままでいいのに…」と泣き出してしまう。
聞けば、初めて行った遊園地、スキー、旅行、実家への帰省…たくさんの思い出が詰まった愛車を彼女はとても気に入っているという。
結果、新車も愛車と同じくらい大事にして、たくさんの思い出を作って欲しいと言う風間のセールストークにさゆりも納得。
本作を読んだユーザーは、「愛車はもはや家族」と、買い替え時に同じ思いをする人がたくさんいる声が集まった。
車の買い替えは大きな買い物だ。ただ性能がいいだけの便利アイテムではない。家族の思いを乗せているのだと気づかされる温かい漫画だ。
画像提供:みこまる(@micomalu)