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【漫画】“ツイ廃”が無人島に漂着したら?SNS時代ならではの苦難描く短編に共感「めっちゃわかるのが怖い」

  • 2023年2月10日
  • Walkerplus

不慮の事故で無人島に流れ着いてしまった!サバイバル環境では飲み水の確保や火起こしと、生きるために必要なことが山ほどある。けれど、普段の習慣が消えるわけではなく……。pixivコミック月例賞(2022年12月投稿分)で優秀賞を受賞した創作漫画『ツイ廃漂流記』は、「めっちゃわかるのが怖い」と読者から笑いと共感を呼んでいる作品だ。作者の楽日(ラビ)(@RABdesu)さんに、SNS・スマホ全盛ならではの本作についてインタビューした。

■極限状況の苦難と感動、それを「ツイできない」苦しみが笑える
2022年、『俺の最強の願い事』(くらげバンチ)で商業デビューを果たした楽日さん。『ツイ廃漂流記』は、楽日さんがTwitterやpixivに投稿した作品だ。

物語は、一人の青年が飛行機事故に巻き込まれ、無人島に流れ着いたところからはじまる。あまりの事態に呆然と佇んでいた青年だが、我に返り行動を開始する。

が、真っ先にしようとしたのは「飛行機墜落したけど奇跡的に死ななかったんだが」というツイート。衝撃的な内容でいかにもバズりそうだが、スマホは紛失し電波が届くかすら分からない無人島では投稿できず、青年も「ていうかツイッターでなうってる場合じゃねぇ!」と頭を抱える。

事態の深刻さを直視した青年は、あらためてサバイバルをスタート。けれど、水場を見つけても「絶景写真」を撮ろうとしたり、極限状態で飲む水のおいしさを共有しようとしたり、ことあるごとに身に沁みついた“SNS仕草”が顔をのぞかせる。

そして最大の難関、摩擦による火起こしに挑んだ青年。失敗を重ねながらもなんとか火をつけることに成功し、涙を流し喜ぶものの、無人島ではその感動を分かち合うことができず「ツイートさせてくれぇ~~~!!!!!」と心の底から絶叫するのだった。

■「現実ではありえない状況で、現実的な感情を描く」
Twitterが日常の切り離せない一部になっている、いわゆる「ツイ廃」特有の無人島の苦難を描いた短編。Twitterに限らず、SNSを活用している人なら多かれ少なかれ共感を覚えそうな作品だ。

自身もTwitterを日常的に活用しているという楽日さん。本作を描いたきっかけや、創作活動への思いを訊いた。

――無人島サバイバルの意外な苦難に共感してしまう作品です。アイデアはどんなところから生まれたのでしょうか?

「私自身が当時Twitterの利用を自粛、いわゆる“ツイ禁”をしていたんです。その体験がきっかけで本作のネタが思いつきました」

――8ページの中でとにかくノンストップに感じる画作りも巧みです。作画で意識した点や、普段とアプローチを変えた点はありますか?

「基本的にテンポは大事に心掛けてます。また気分転換目的で描いたので、3日で描ききれるくらいの気軽な漫画を意識してました。なので深追いせずあっさり終わったと思います」

――同作でご自身がこだわったポイントがあれば教えてください。

「いかに粗いタッチで、ぱっと見て雑に見えない背景にできるか模索してました」

――楽日さんの他の作品を見ると、『寝過ごした!』など、SFや意表を突く設定、その上で描かれるキャラクターの感情が印象強いです。作風はどういったものが根底にあるのでしょうか?

「現実ではありえない状況で、現実的な感情を描くのが楽しいのかもしれません」

――昨年はダメ人間が一度きりの願いを叶えられるとしたら、という『俺の最強の願い事』で商業デビューを飾られました。今後の活動についての思いを教えてください。

「『俺の最強の願い事』は、“なんだか前向きになった。元気になった!”程度の小さなハッピーでも届けられたら嬉しいです。そういう些細なキッカケから、ファンタジーなんかなくても大転機が起こせるかもしれません。今後もいろんな人に楽しんでもらえる作品を描けるよう、邁進してまいります」


取材協力:楽日(@RABdesu)

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