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乃木坂46久保史緒里、舞台で主演!「感情の起伏も激しい役なので、自分でも成長できると思う」

  • 2022年8月25日
  • Walkerplus

乃木坂46の久保史緒里が、2022年9月5日(月)からPARCO劇場で上演される舞台『桜文(さくらふみ)』で主演を務める。明治後期の吉原遊郭を舞台に、当代随一の花魁をめぐる美しくも悲しい愛の物語が描かれる同作。主人公となる花魁・桜雅(おうが)と若かりし日の桜雅こと笹沖雅沙子、一人二役を演じる久保に同作について話を聞いた。

■今まで演じたことのない時代背景のキャラクターなので、台本を覚えるのに苦戦している
――まずは、台本を読んだときの感想から教えてください。

【久保史緒里】お話が進むにつれて衝撃というか、苦しいなと思う部分が一段階だけでなく、その波が何回も来る作品だったので、桜雅は今まで自分が演じさせていただいた役とは一味違った、苦しい役どころだなと感じました。

――稽古が始まり、桜雅の印象が変わった部分や「こんな一面があったんだ」という発見はありましたか?

【久保史緒里】桜雅は何があっても決して笑顔を見せない、笑わない花魁なので、台本を読んだときは常に冷酷に見えるような、そういう部分が強いのかなと思っていたんですけど、稽古を通して桜雅にも日常があるんだということに気づきました。意外とくだけた一面もあるんだなって。

シーンによっては日常のやり取りでつい笑ってしまいそうな部分もあるんですけど、そこでも桜雅は笑わないので、すごく難しいなと思いながらお稽古しています。

――花魁ならではの所作や言葉遣いなども難しそうですね。

【久保史緒里】そうですね。本当に今まで演じたことのない時代背景のキャラクターなので、セリフのイントネーションも難しくて。今まで以上に台本を覚えるのに苦戦しています。

立ち稽古も始まりましたが、和装での所作にも苦労しています。和装だと、どうしてもかっちりしてしまいがちなんですけど、日常生活と考えるとそこまできちんとしなくていいのかなと。例えば、座るときも正座でいなくちゃいけないのかなと思っていたんですけど、花魁の日常だと考えると足を崩してもいいのかなとか。そういうきれいすぎない仕草、意識的に崩すという部分にも難しさを感じています。

■劇中で見た方が花魁道中のシーンを「すごく美しい」と言ってくれるように、歩き方の稽古にも励んでいる
――ビジュアル撮影で着た花魁の衣装はいかがでしたか?

【久保史緒里】とても重かったです。和装もですけど、かつらもあったので本当に重くて(笑)。高下駄も履かせていただいたんですけど、立っているのも大変だったので、これを舞台で長時間やるというのは、ちょっと想像できないくらいの怖さも感じています。

――劇中には、花魁道中のシーンもありますね。

【久保史緒里】劇中で見た方が「すごく美しい」と言ってくれるように、観に来てくださるお客様にも同じ反応をしていただけるのが、一番の理想だなと思っているので、歩き方の稽古にも励んでいます。

――花魁役は初めてとのことですが、これまで全く馴染みのなかった花魁の世界に触れてみて、久保さんの目にはどんな風に映りましたか?

【久保史緒里】すごく妖艶で美しい世界というような印象があったんですけど、当時の資料に遊女が涙している絵があったんです。人前に出ていない部分、吉原に来るまでの経緯がそれぞれにあって、それがすごく苦しいものだったというのを見せずに、あでやかな花魁として生きているということに衝撃を受けました。見た目からは想像できなかった部分でした。

私が見た資料だと花魁の年齢は当時21歳くらいの子が一番多いとあって、ちょうど私の今の年齢なんですね。自分の年齢でこの苦しみを味わったんだと思うと、演じる上ですごく身が引き締まりました。

■今から100年前のお話という部分も、一人で二役を演じさせていただくということも私にとって挑戦
――花魁を演じることに対して、乃木坂46のメンバーの反響はいかがでしたか?

【久保史緒里】ビジュアルが解禁されたときの反響が一番大きかったです。先輩の樋口日奈さんは「本当に綺麗」って言ってくださったり、みんな驚いてましたね。花魁役は挑戦でもあるけど、感情の起伏も激しい役でもあるので、自分でも成長できるんじゃないかなって。グループに持ち帰れるものも大きいのかなと思っています。

――演出の寺十吾(じつなし・さとる)さんは以前、メンバーの筒井あやめさんが主演した舞台『目頭を押さえた』の演出を務められていましたが、筒井さんと話しましたか?

【久保史緒里】「どんな風に稽古を積んでいくの?」と聞いたら、「セリフの一つひとつ、そのときはどういう気持ちなのかをすごく細かく一緒に考えてくださる方で安心した」という話をしてくれたんですけど、それを聞いて私もすごくホッとした覚えがあります。実際に稽古に入ると、聞いてた通りに細かく作り上げてくださいますし、実際に演じて見せてくださって「こういう見え方もあるけど、どういう風に演じるのかはお任せするね」という感じで、寺十さんからヒントをいただいて、それを持ち帰って自分で考える、という作業を繰り返しています。

――脚本の秋之桜子さんは幽玄で耽美な作品に定評がある方です。物語の美しさをどんなところに感じましたか?

【久保史緒里】当時の描写が鮮明に浮かぶのはもちろんですが、セリフ以外のト書きの部分もすごく細かく書かれていているんです。例えば、そのシーンで見える桜の様子まで細かく描かれているので、美しさを感じると同時にすごく想像しやすいなと思いました。

秋之さんには本読みのときに「綺麗なお話ではあるけど、悲しみに引っ張られないでほしい」というヒントをいただきました。笑わない役どころですけど、そこを意識して演じたいなと思っています。

――では、最後に本作への意気込みをお願いします。

【久保史緒里】明治後期のお話という部分も、桜雅と雅沙子、一人で二役を演じさせていただくということも私にとって挑戦となる作品だなと思っています。

雅沙子は桜雅ほどいろんなことに対して諦めてないし、16歳という年相応な部分もある女の子。二人がかけ離れていればいるほど、もっと物語に深みが出ると感じているので、より違いを出せるよう演じていきたいです。

撮影=野木原晃一 取材・文=yoshimi

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