
ウォーカー夏休み漫画特集では、日々配信している中からよりすぐりの人気作品を紹介。今回は、結婚45年目を迎えた熟年夫婦が未だにラブラブな姿を描いたさだうおじ(@sadauoji)さんの『不器用なおばあちゃんと、おじいちゃんのお話』をお届けする。
■パパ&ママ時代を過ぎ、再び名前で呼び合う夫婦
おじいちゃん「聡介さん」は、72歳。若い頃は鉄道職員。性格は真面目で誠実、ちょっぴり恥ずかしがり屋だが、妻を誰よりも大切にしている。おばあちゃん「春子さん」は、70歳。性格は心配性であわてんぼうなおっとりさん。
2人はお見合い結婚で、過去に2度お見合いに失敗していた春子はまた断られるだろうと思い込んでいたところ聡介が春子に一目惚れし、無事結婚。恥ずかしがり屋の聡介が、春子の手作りケーキを食べるのが夢だったと第1話で初めて打ち明けた。
結婚45周年を過ぎても、まだまだ仲良しの2人。本作を描いたきっかけをさだうおじさんに伺ったところ、「私の住んでいる地域では周りに高齢の方が多く住んでいて、子供の頃からいろいろな夫婦のやり取りを見てきました」
「その中で一見ぶっきらぼうなおじいさんが実は愛妻家だったり、畑で口喧嘩しているかと思ったら笑いあって、いつもこうだからと茶化しあっていたりする姿を見て、おじいちゃんとおばあちゃんをテーマに漫画を描いたら面白いのでは?と思ったのがきっかけでした」(さだうおじさん)
とくに反響があったのは、2話目の「不器用なおばあちゃんと妻が大切なおじいちゃんの話」。45年前、まだ2人が新婚だった時のエピソードを描いたものだ。おっちょこちょいな春子のせいで、茶碗を割ってしまった過去。割れるたびに何度も修復し続けた茶碗を見て、いつか金ぴかになってしまうと笑い合うエピソードだ。
「過去の2人と現在の2人が何年経っても変わらない関係であることを表現できたらなと思って描いた話でした。2話目も読んでもらえるだろうかと不安でしたが、たくさんのコメントをいただけてとても嬉しかったです」
お互いを思い合う姿にTwitterでは、3.2万いいね、6771リツイート(2022年8月2日時点)を獲得。「頬が緩みっぱなし」「尊い!」と温かいコメントが続々届いている。お互いを「ママ」「パパ」、「ばあば」「じいじ」と呼ぶ時代を過ぎ、一周まわって再びお互いを名前で呼び合える姿は培った信頼の証でもある。
取材協力:さだうおじ(@sadauoji)