誰にだって秘密にしておきたい隠し事の1つや2つはあるだろう。それをカミングアウトする人が急増している世界を描いた大家(@ksyjkysk)さんの『カミングアウト』を紹介する。
本作は、カミングアウトが流行する時代。自分らしく生きることをモットーに“ジェンダーレス“や“ボーターレス“といった垣根のない世の中を目指した結果、若者たちは自分たちの隠している秘密をカミングアウトするようになる。
■人には言えない秘密をカミングアウト!?
ある日、ロングヘアの髪をバッサリとカットして登校してくる女子高校生。見た目は女だけど、心は男であるというトランスジェンダーを教室でカミングアウトした。
また、同じクラスメイトは密かに学級委員長なりたかったことを暴露。委員長が失脚するチャンスをずっと狙っていたことをカミングアウトする。
多くのクラスメイトがカミングアウトする中、スカートを履いた男子生徒が登校。その姿を嬉々としてカメラに収めたいと興奮する教師の姿。見たくなかった先生の性癖まで、カミングアウトしてしまう。
カミングアウトはある意味「隠していた秘密の暴露」。恥ずかしいこと、隠しておきたいことを暴露することで「そういうの込みで自分なんだって知ってもらえると、相手のカミングアウトひとつひとつが重みのあるもんだって思える」と、お互いの信頼関係をはかる指針にもなっている、とある生徒は言う。
その流れに乗って女子生徒がカミングアウトしたのは「未来が視える」という秘密だった。自分の未来を知りたい！とクラスメイトは占いのような感覚で、この先の未来を尋ねてくるが…。
多くの人が持つ、秘密をカミングアウトするところから巻き起こる予想もしなかった結末。ラストを読むまでどんな結末が待っているのかわからない！と大どんでん返しのオチが面白い大家さんの作品。今回も十分に“驚き“を含んだ結末が待っている。
