
2020年1月クールに中村ゆり&浅香航大のW主演でBSテレ東で放送された「今夜はコの字で Season1」。コの字の形のカウンターのある居酒屋で登場人物たちが舌鼓を打ち、仕事などの疲れを癒やすグルメドラマだ。
2022年4月より真夜中ドラマ「今夜はコの字で Season2」として帰ってきた本作は、前作から2年後が舞台。広告代理店につとめる吉岡(浅香)は、前シーズンの後に海外に旅立ってしまった憧れの人・恵子(中村)と再会し、またともにコの字酒場へ行く関係になる。
おいしそうな酒や肴だけでなく、恋愛模様も気になると話題の本作について、W主演の浅香にインタビュー。さらに自身の恋愛や結婚観、今後の俳優人生の展望も語ってもらった。
■コミュニケーションを取る大切さを改めて感じた
――2020年のはじめに放送されたシーズン1から約2年が経ってのシーズン2となりました。その間にコロナウイルスが流行して世間はすっかり様変わりしてしまいましたが、コロナ禍となってから現場で変わったことはありますか?
【浅香航大】現場でコミュニケーションを取ることは、逆に増えたような気がします。コロナ禍だけがきっかけではないですが、改めて人とコミュニケーションを取る大切さを、ここ最近感じていますね。特にこの作品は、おいしいものを食べて、おいしいお酒を飲んで、ということができる現場なので、せっかくならその場にいる人と楽しく過ごそうと思いながら撮影に臨んでいました。
――今回の現場で印象に残っている店やおつまみはありますか?
【浅香航大】一軒目に行ったというのもあって印象に残っているのですが、シーズン2の中では第2話に出てくる「蔦八」という、大田区大森にある煮込み料理のお店がお気に入りですね。
今回のシーズンではもつ焼きなどのメニューが多くて、それをいただきながら感じていたのですが、ホルモンとかクセがあるものをおいしく感じるようになってきたんですよ。もうすぐ30代を迎えるからなのか、ホルモンをつまみながら、ちびちび飲む…みたいなことが様になってきたというか(笑)。家で飲むことが増えて、おつまみのバリエーションも増えました。
――おうち時間で、好んでいる酒やつまみはありますか?
【浅香航大】家ではハイボールをよく飲んでいます。コロナ禍になってから、炭酸水メーカーを買ったんですよ。最初はペットボトルで買っていたんですけど、ゴミの量がすごくて、処理が大変になっちゃったんです。環境にもよくないし、それならこの機会に、と思いまして。
おつまみは、シーズン2第6話の「宝泉」というお店で出た「やわりめ」がすごくおいしかったんです。あたりめを醤油やみりんなどにつけてやわらかくしたものなんですが、家で挑戦してみたいと思っています。
■リアルな演技へのこだわりは「あえて本番まで食べない」こと
――そんな風にご自身が食事を楽しまれているというのもあるからか、吉岡がおいしそうに食べる姿に観ているこちらも思わずゴクリとしてしまいます。食べるシーンでは演技のこだわりはあるんでしょうか?
【浅香航大】そう言っていただけるとうれしいですね。料理もお酒も実際に撮影しているお店から提供していただいているのですが、あえて本番まで食べないようにしているんです。実際に食べた時のリアクションを大事にしたいと思っているので。
――浅香さんご自身が実際に酒場に行っているような雰囲気がありますもんね。
【浅香航大】現場終わりに一杯行くか!みたいなことが最近はまったくないので、撮影中の酒場の雰囲気は本当に楽しいですね。現実の世界では先輩に飲みに連れて行ってもらったり、逆に後輩を連れて行ったりということもなくなってしまってさみしいです。そこでコミュニケーションをとって関係値を上げたいなと思っていても、できないのがもどかしいですね。
――W主演の中村ゆりさんとは飲みに行ったりされていました?
【浅香航大】前シーズンの時は行かせていただきましたよ!今回、シーズン1以来、2年ぶりにお会いして、現場以外でお酒を飲んだりすることはできなかったですが、何も変わっていない、いつも通りフランクな関係性で撮影に挑めました。
■好きなタイプは…「頼れる女性のほうが相性がいい」
――中村さんがInstagramに浅香さんとの2ショットをあげて「#私たち結婚してません」のハッシュタグをつけて話題になったりもしていましたね。
【浅香航大】現場でゆりさんが、僕がトリンドル玲奈さんと出演した「私たち結婚しました2」(ABEMA SPECIAL)のことばっかり話してくるんですよ(笑)。「なーに、チューしてたじゃーん!」なんていじられたりしてました。
――個人的な結婚願望の話をされたりは?
【浅香航大】ゆりさんとはしてないなぁ。でもね、結婚願望はありますよ!もちろん、すごくあります。タイプは…どうなんだろうなぁ。自分の意思がはっきりしている女性が好きですね。
――引っ張ってくれるタイプの女性がいい?
【浅香航大】そうですね。僕はどちらかというと優柔不断で相手に合わせるほうが多く、「俺が引っ張るぜ!」というタイプではないので。頼れる女性のほうが相性がいいかなって思います。
――今年30歳を迎える浅香さん。結婚だけでなく、これからの展望を考えられたりもするのでしょうか?
【浅香航大】理想の俳優像というものは、固まっていないですね。いただいた役を、とにかく懸命にこなしていけたらと思っています。
――やってみたい役柄なんてものは?
【浅香航大】そうですね…いろいろな役をやっているねとよく言っていただけるんですが、吉岡のようなまっすぐな役って意外と演じたことが少ないんですよ。そういう役にも今後もっと挑戦できたらいいですね。
■酒場に足を運ぶ幸せを思い出すきっかけに
――では最後に、「今夜はコの字で Season2」の見どころを教えてください。
【浅香航大】一緒に飲みに行った人だけでなく、店主や常連客など出会った人とコミュニケーションを取ることの大切さや素晴らしさを、改めて感じてもらえたらいいなと思います。
ドラマの中では恋愛パートやお仕事パートもどんどん動きがあるので、そのあたりも楽しんでいただきながら、見てほっこりして、家で一緒にお酒を飲んでもらえたらうれしいです。
――コの字酒場への思い、このご時世だからこそ作品を通じて伝えたいことはありますか?
【浅香航大】飲食店は今大変な時期だと思います。今回の撮影を通じてさらに実感しましたが、人と酒場で会話しながらおいしいものを食べて、お酒を飲んでいたことが、いかに幸せなことかと思いますし、必要なことだったなと感じました。
リモートでの飲み会やひとりで家で飲む機会も増えましたけど、観ているみなさんが酒場に足を運ぶ幸せを思い出すきっかけになる作品になればいいですね。
撮影=八木英里奈
取材・文=イワイユウ
スタイリスト=根岸豪
ヘアメイク=安方成穂