サイト内
ウェブ

【漫画】車中泊で巡るニュージーランド旅の穏やかな一日に「すごくすてきな旅」と反響

  • 2022年4月29日
  • Walkerplus

新型コロナウイルスの影響で、今年も家で過ごす時間が長くなりそうなゴールデンウィーク。そこでウォーカープラスでは、出かけられなくてもおうちでおでかけ気分や別世界に浸れる漫画を特集。今回紹介するのは、イラストレーターのいとうみゆき(@noca_m)さんが昨年11月、自身のTwitterに投稿した「車のおうちで旅をする」だ。

■現地の中古車を相棒に進む、NZひとり旅の一日
カーテン越しに差し込む朝日で目が覚め、昇る太陽を眺めながらゆっくりとお茶を飲む。何気ない朝の光景のようだが、実は寝床もテーブルも自動車の中。ある時一念発起しニュージーランドに飛び、現地で自動車を購入しニュージーランド一周の車旅をはじめた作者のいとうさんが、車中泊で進む当時の一日の過ごし方を描いた作品だ。

相棒の車は三菱シャリオグランディスの「グラ子」。いわゆるミニバンにあたる車種だが、グラ子は後部座席を外し、車内にベッドやキッチンスペースを設置した、いわばミニマルなキャンピングカーのような内装となっており、いとうさんはグラ子をニュージーランドでの「家」として日々を過ごしていた。

漫画では、車内の掃除とストレッチからはじまり、目標としている現地の人々との「一日一会話」や、散歩の様子など、いとうさんの一日がやわらかな筆致で描かれる。

その日の目的地はニュージーランド最北端のレインガ岬。日本からやってきて、ニュージーランドの“日本に最も近い場所”にようやく辿り着いたいとうさん。そこからの光景を「空も地面もただあって 風が強くて海が光ってた」と堪能したいとうさんは、本日のキャンプ地に向けグラ子に戻り再び出発する。

その後も、キャンプ近くの砂浜や夕景、炊事洗濯と、「家」での様子をあたたかく振り返るいとうさん。「友だちや好きな場所を少しずつ増やしながら進んでく」「車のおうち旅はまだ道の途中」と思いを巡らせ、布団の中で「明日はどこに行こうかな!」と眠りにつくのだった。

■これ以上先には行けない場所に辿り着いた、折り返しの記録
外国での一人車中泊と聞くとなにやら突飛に思ってしまいそうだが、起きてから眠るまでを描いた本作には、まさに家で過ごすのと同様に穏やかな時間が流れている。投稿には4.3万件を超えるいいねが寄せられ、ユーザーからは「ワーホリ中の何カ月かの旅を思い出しました」「憧れがいっぱい詰まっていて素敵です」と共感や反響を呼んだ。

ワーキングホリデー制度を使い、ニュージーランドを旅する様子をSNSにて発信し、昨年10月にはニュージーランドの車旅の様子を自ら描いた漫画やイラストとともに振り返った単行本『車のおうちで旅をする』を刊行したいとうさん。

いとうさんに話を聞くと、この漫画は単行本には収録しておらず、「ニュージーランド車旅での生活を約2年間、Twitterに記録してきたのですが、『これで一区切りにしよう』と、最後に自分の一日を漫画に」という気持ちから描いたという。

漫画に描かれているのは旅の後半、8月のお話。8月と言っても南半球にあるニュージーランドでは冬の時期。当時はすでに新型コロナウイルスが蔓延しており「隣地域のロックダウンにより地域外に出ることができなくなり、ひたすらのんびり過ごしていた頃」を振り返ったとのこと。

いとうさんは、「誰もいない道を歩く時、いつも不思議な気持ちになります。気が遠くなるほど時間がかかる道のりでも、いつまでも続くんじゃないかって思うような道でも、足を前に出し続ければいつかは目的地にたどりつく。当たり前のことだけど面白いなあと思っています」と話す。

「なので、これ以上どこにも進めない最北端にたどり着いた時、とても不思議な気持ちになりました。ひとつの小さな目的地にたどり着いた気がしました。ここからは日本に続く道だ、そう思った、折り返しの日の記録です」と、この日を選んだ理由を教えてくれた。

本作で伝えたかったことについて訊くと、「車旅をSNSで発信していると、おしゃれなバンライフとかかっこいい海外一人旅、などの目で見られることが時々あって……」と、いとうさんは話す。

「そんなことないよ、車旅自体は日本でのひとり暮らしとあまり変わらない生活なんだよ、ということを知ってほしいとは思っていました。ただ、自然と距離が近くて、窓の景色が毎日変わるだけの、なんでもないけどすばらしい毎日のこと。

とはいえあくまで旅の記録のまとめとして描いたものなので、伝えたいことは特にありませんでした。せっかく頑張って描いたからみんなにみてほしいな~とは思っていたので、たくさんの人に見てもらえてとってもうれしいです」と答えてくれた。

海外の一人旅、その節目の日だけれど、一方ではなんでもない日常そのものの一日でもある、日常と非日常の淡いのような記録。漫画を通して、いとうさんが感じた世界が追体験できる一作だ。

取材協力:いとうみゆき(@noca_m)

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2024 KADOKAWA. All Rights Reserved.