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「皆が目指した“オレが考えた最強のガンプラ”」ガンプラのトレンドを牽引する「月刊ホビージャパン」の足跡とは?

  • 2022年3月2日
  • Walkerplus

模型雑誌として、50余年の歴史を誇る『月刊ホビージャパン』は、「HOW TO BUILD GUNDAM」「SEED MSV」「全日本オラザク選手権」など数々のヒットコンテンツを打ち出し、「ガンプラ」のトレンドを牽引してきた。そんな、歴史ある月刊ホビージャパンの足跡について、本誌ガンプラ担当・矢口英貴氏に話を聞いた。


■「MG マスターグレード シリーズ」誕生のキッカケとなった企画とは?

――まず、月刊ホビージャパンとはどんな雑誌なのでしょうか。

矢口英貴:1969年12月、月刊ホビージャパンはミニカー雑誌として創刊しました。当時はミリタリーブームでもあり、戦車や戦艦といったスケールモデルも取り扱っていました。1979年に「機動戦士ガンダム」の放送がスタートし、その1年後にはガンプラ(1/144 RX-78 ガンダム)が発売されましたが、当時のホビージャパンとしては、まだ上記のスケールモデルに加えて、SF作品や怪獣系に重きを置いていました。
そんな流れの中、ガンプラを本格的に取り扱うにようになったのは1994年になります。バンダイさんと連動して「究極のガンプラを作る」という連載企画が始まり、それをキッカケに、誌面でもガンプラを取り扱う企画がグンと増えました。ちなみに、この企画から「MG マスターグレード シリーズ」が生まれることになります。

■ガンプラブームに燃料を投下した「2つの特典」

【矢口英貴】本誌にとって大きな転機となったのは「機動戦士ガンダムSEED」(2002年)の放送です。当時、アニメとしてもヒット作になりました。そして創刊35周年を迎えた2004年、B5判からA4ワイド判へと拡大リニューアルすることになるのですが、その際2つの特典を付けました。

1つは、当時、力を入れていたMSV企画「機動戦士ガンダムSEED MSV」という連載企画から、HGカラミティガンダム対応 ソードカラミティ改造キットを付録としてつけました。これは既存のHGキットに合体させることでMSVに登場する機体を再現できる「初のガンプラ付録」でした。

2つ目は、モデラーに協力してもらい「HOW TO動画」を編集したDVDセットもつけました。この反響がかなり高かったことで、公式外伝企画としてのガンプラ企画なども展開するようになりました。この頃から、アニメやフィギュアも扱うようになり、“模型誌”から現在の“総合ホビー誌”としての地位を確立する流れとなりました。おかげさまで2019年には50周年を迎えることができました。

■ガンプラ、誌面それぞれの進化が作用しあう“相関関係”に

――月刊ホビージャパンといえば、別冊「HOW TO BUILD GUNDAM」や、MSVシリーズの思い出が鮮烈です。ホビージャパンにおける“ガンプラの位置づけ”を教えてください。

【矢口英貴】今も昔も最重要コンテンツであることに変わりはありません。ガンダムという作品にとってガンプラは切っても切り離せない存在で、「アニメ」と「ガンプラ」の両輪があるからこそファンの皆さんにも支持されていると思います。

――トップモデラーが作るガンプラの作例が、バンダイさんの刺激になっているかもしれませんね。

【矢口英貴】ガンプラの黎明期はライトユーザーが購買層のメインでしたから、価格や作りやすさを重視して形状や細かな設定面をオミットする部分も多かったと思います。我々模型誌は、そういったオミットされた部分を「よりリアルに見せたい」という想いで改造や塗装を施して誌面に載せていました。

――当時、ホビージャパンやコミックボンボンに掲載される「改造のやり方」をワクワクしながら読んでいました。『プラモ狂四郎』からはじまった“魔改造”の文化も今だに残っていますね。

【矢口英貴】まさに、“オレが考えた最強のガンプラ”を皆が目指したわけです。そうしたワンオフの作例を毎月掲載していましたが、メーカーさんはそれを遥かに越えるクオリティの商品を次々とリリースしてくるので、メディア側は「完成度の高いガンプラを、作例としてどうアップデートするのか…?」という面で非常に苦心していますが、やりがいも感じています。

――最高のガンプラを目指して切磋琢磨しているわけですね。

【矢口英貴】「ガンプラの進化がなければ、誌面も今のようになっていない」と感じていますし、まさに「ガンダムとガンプラの多様性」を日々感じています。






写真提供/ホビージャパン (C)創通・サンライズ

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