
にほんブログ村「コミックエッセイ」ランキングでTOP10に入るなど人気を博している、元アルコール依存症のアラサーOL・かどなしまるさん(「お酒がないと××できません」/@marukadonashi)。新卒で入った会社で人間関係に悩み、「ダメだ」とわかっていながらも、お酒を飲んでから出勤するようになってしまったという。その体験記を新たに描き下ろしてもらった漫画をウォーカープラスで連載中。頑固な自分を変えるため外見から変えていった第19話の掲載に合わせ、当時の心境を振り返る。
※アルコール依存症は完治することはないと言われております。著者の個人的な見解で、一番ひどい状態にあった過去と区別するためにタイトルで「元アルコール依存症」と謳っていますが、著者自身も自分の依存症が完治したとは思っていません。また、近年では「減酒療法」という治療法も注目されていますが、根本的には断酒以外にはないと言われています。
――外見からやわらかく変えていくことで、自分自身の内面にはどんな変化がありましたか?
文字通り形から入るというのはすごく効果的に感じました。私の場合、染めたことのない真っ黒な髪に色をいれたり、化粧を変えたり、わき毛を処理して服装を変えたりしたわけですが、「あれ、私の中にも結構、幅がある!」と気付きました。従来の私は、見た目からして暗くて覇気がなくてオドオドしているのが似合う雰囲気だと、自分の中で思い込んでいました。
だけど髪の色を変え、化粧で顔を華やかにして鏡を見たとき「この私ってポジティブな言葉言いそうな雰囲気じゃん(笑)」って。オドオドが似合わない見た目の私にもなることができ、今の雰囲気に合う思考・行動ってどんな風だろう?って考えられました。こんな風にイメチェンした姿を見て、「この私なら…」と内面もリンクしていく感覚にワクワクし、自分の中の可能性を見ることができました。「素敵になろうとしている自分」というのが存在し、実行しているというのは、大きな自分革命みたいで楽しかったですね。
――頑固だった考え方をやめて変化していけるようになったのはなぜだと感じますか?
作中にも書いてあるのですが、「人の経験に基づいたアドバイスって聞かなきゃ損」「経験をもらっているようなもの」と徐々に気付いていきました。人様が生活の中で見出した物事・考え方は本当に尊いものです。例えば、友人との会話で「営業職やってると運も実力のうちって思うんだ、だってねこういうことがあって…」と経験を聞かせてもらったときに、私自身が「ためになった」と思う部分があったとします。友人は生活の大半の時間を営業職として働き、その中で得た経験を話してくれて、結果、私も教訓を得られるということは、友人の膨大な時間を共有したことと等しいと思うのです。それこそ経験をもらったようなものです。(もちろん現に経験した人の方に残っているものなどに差はありますが)私の1日24時間に、さらに時間をもらったような...!「人の経験に基づいたアドバイス」ってそう思うとありがたいです。頭を固くして聞き入れないなんて損でしかない、と目が覚めるようでした。
取材協力:かどなしまる(「お酒がないと××できません」/@marukadonashi)
※飲酒の際は、食物をとりながら、自身にとって適切な量をゆっくりとお楽しみください。自分で飲酒の量やタイミングをコントロールできず、お悩みの場合は、専門の医療機関を受診してください。
※20歳未満の飲酒は法律で禁じられています。