彼氏(ユウキ)に同棲を断られ、将来が見えず、「同棲しないと別れる」と「別れること」を武器にユウキの気持ちを確かめるかどなしまるさん。手荒に進めた結果、楽しみにしていた内見の5分前になってもユウキは現れず――。
ウォーカープラスで連載漫画を公開しているのは、にほんブログ村「コミックエッセイ」ランキングでTOP10に入るなど人気を博している、元アルコール依存症のアラサーOL・かどなしまるさん(@marukadonashi)。発売中の書籍「人生が一度めちゃめちゃになったアルコール依存症OLの話」では、新卒で入った会社で人間関係に悩み、「ダメだ」とわかっていながらも、お酒を飲んでから出勤するようになってしまった体験を描いている。
※アルコール依存症は完治しない病と言われています。著者の個人的な見解で、一番ひどい状態にあった過去と区別するためにタイトルで「元アルコール依存症」と謳っていますが、著者自身も自分の依存症が完治したとは思っていません。
今回は、彼との“同棲を目指した日々“を描いた『子ども部屋おじさんの彼と一緒に住みたい私の100日間』の第17話を紹介。“安月給OL”の自分と、実家暮らしの彼とで生活に関する価値観のズレを感じていたかどなしまるさんは、手荒に同棲話を進めた結果、内見をドタキャンされ別れの危機に発展したそう。
ここでは、本エピソードの舞台裏について、著者・かどなしまるさんに話を聞いた。
――一度は同棲に頷いたユウキでしたが、「やっぱり同棲できない」理由として、「責任を感じるんだよ」と言っていましたね。それを聞いて、ユウキに対して当時思っていたことを教えてください。
【かどなしまる】「じゃあ今付き合ってるのはどういうつもりなんだろう？」という言葉がすぐに浮か
びました。大枠で物事を捉えがちな私と、物事を一つひとつ見ていくユウキとで、食い違いがおこっていたのだと思います。付き合っている時点で、ある程度の責任なり覚悟なりが私にはあって、同棲することだけに責任を感じるというのに違和感を感じました。この「だけ」というのが私の思慮不足だったなと。
ユウキはもっと自分の状況を踏まえて、ちゃんと責任の取れることと、取れないことを区別していたから出た言葉だったと、後からわかりました。
――今になって、ユウキとの話し合い方など、「こうすればよかった」と思うことはありますか？
【かどなしまる】見切り発車ができないのがユウキだ、というのが付き合っていてわかっていたからこそ、私のほうで「強引さで引っ張らないと何も進まない」と焦っていました。しかし、“今すぐにでも同棲したい“というのは私側だけの願望で、それを無理に通そうとすることは、うまくいくはずもありません。手荒に進めるのは、お互いに「価値観のズレ」をひしひしと感じさせるだけの行為でした。
ユウキへの伝え方に関しては…「同棲する」という言葉を引き出すために、一方的な物言いをしていました。「何をわかって欲しいのか」など、対話の余地のある伝え方ができなかったものか、と反省しています。
――「同棲しないなら別れるって言ったよね」への返答として、ユウキに「わかった…別れよう」と言われたときの気持ちを教えて下さい。
【かどなしまる】「ここまで気持ちをぶつけたら別れるになるのか…失敗した」です。私の方が気持ちをはかる言葉として「別れる」を使ったので、実際にユウキから言われるなんて想定外でした。絶望感で目の前がズドーンと暗くなったのを覚えています。陳腐ですが、今までの思い出がすべて噓だったかのように思えてしまい、目の前のユウキが一気に他人に見えてきました。そして、ずっと一緒にいてくれると思っていた相手から裏切られたような感覚になり、怒りが沸いてきました。
楽しみにしていた同棲の内見をドタキャンされ、話し合いの末にユウキからは「別れよう」という返答。2人はこのままわかり合えないまま終わるのだろうか…。今後の展開に注目だ。
画像提供：かどなしまる(「お酒がないと××できません」／[LINK_TAB(https://twitter.com/marukadonashi)]@mar
