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【漫画】カスハラを受ける姿が不憫!思わず応援したくなる「がんばれ!コッペパンわに」が話題

  • 2021年8月27日
  • Walkerplus

接客業をしたことがある人は多かれ少なかれ“困ったお客さん”に遭遇したことがあるのではないだろうか?顧客から理不尽な要求を受ける「カスタマーハラスメント(カスハラ)」という言葉もあるほど、“困ったお客さん”の対応は接客業にはつきもの。

類さん(@ruuiruiruirui)がTwitterで連載している「がんばれ!コッペパンわに」はふかふかなフォルムをした“コッペパンわに”が、自身の経営する“ベーカリーわに”での奮闘する姿を描いているのだが、ここに出てくる“困ったお客さん”のリアルさに連載1話目から話題沸騰。「わにかわいそう…人間はなんて身勝手なんだ!」「コッペパンわにさん応援してる…」「人間は愚か…」とコッペパンわにへのエールが止まらない。作者の類さんに、作品が生まれたきっかけや、世界観について聞いた。

■人間たちがピュアな表情なのはコッペパンわにの不安の表れ
「がんばれ!コッペパンわに」の連載以前は、飼い猫のやっちゃん&ちーちゃんについての猫エッセイ漫画を描いていた類さん。今回の「がんばれ!コッペパンわに」は自身初のフィクション作品となる。

「フィクション漫画にも挑戦してみたかったので、猫エッセイ漫画を描きながら構想を練っていました。当初はただの丸っこいワニとして描いていたんですが、愛着がわき、今後も1つのキャラクターとして描いていきたいと思ったので、名前を付けることにしました。当時はぽってりとした輪郭で見た目がパンっぽいと思ったので、名前にコッペパンを付け足したんです。なので、パン屋の設定は彼の外見と名前から後付けです」

初のフィクション漫画ということで、エッセイ漫画との勝手の違いは感じているのだそう。

「フィクションはストーリーやキャラクターデザインに縛りがないので、自由に描けることがとても気持ちいいです。しかし、世界観やその他の設定をイチから作るということに慣れていないので、難しさも感じています」

そんな類さんがコッペパンわにの世界を作り上げるにあたって、決めていることの1つが人間たちの表情。“困ったお客さん”を含めて、登場する人間たちは全員キラキラした瞳で、邪気のないピュアな顔をしている。

「コッペパンわには心配性なので、働いている時は『お客さんに怒られないかな』『失敗しませんように』と考えています。コッペパンわににとって、相手のひととなりがわからない不安感を表現するため、普通のお客さんも含めて人間たちは全員ピュアフェイスになりました。“困ったお客さん”は自分が正しいことをしていると思っているので、ひと際キラキラさせています」

なるほど、第1話に登場する開店前の店に押し入るお客さんも、第2話の口を付けたパンの交換を求めるお客さんも「自分たちはお願いをしているだけ」というスタンスで、店に迷惑なことをしているという自覚はなさそうだ。そういったお客さんに自身の要求が身勝手で困ったものというのをわかってもらうのは骨が折れること。Twitterでは似たような経験をしたという人のコメントもあり、世の接客業の人々の苦労がしのばれる。類さん自身も接客業の経験があり、困ったお客さんとの遭遇もあったそう。

「私の接客業経験ではもっとひどいお客さんもいらっしゃいましたが、この作品に起用するにはセンシティブ過ぎるので登場は控えたいと思っています…(笑)。ネタバレになってしまうので詳しくは言えませんが、今後も“あるある”なお客さんをたくさん登場させたいと思っています」

ということは、それだけコッペパンわにが翻弄されるということ…。「がんばれ!コッペパンわに」

■頼もしい味方・シナモリスが第6話にて登場!わにを助けるキャラクターたちにも注目を
第1話にして大きな反響を得た「がんばれ!コッペパンわに」。

「一番多かった反応は、サービス業経験者からの共感の声とかわいそうなコッペパンわにをこれ以上見たくないという悲痛の声でした。作品を作る以上は長く読んでもらえることが重要ではあるのですが、どちらの意見も“共感性”がテーマのこの作品にふさわしいと思っています」

「見たくない」という反応はそれだけコッペパンわにに感情移入して読んでくれた証だ。そして、そんな読者に向けてきちんと希望も用意されている。「わにが不幸で終わらないために頼もしいキャラクターたちが控えているので、1話目で既に見ていられない!という方も長く見守ってくれたらうれしいです」と類さんがTwitterで予告していた通り、第6話ではコッペパンわにの友人であるシナモリスが登場している。

閉店の看板を出しているのにパンを買いたいと押しかけてきたお客さんをあしらうシナモリスの機転と話術はお見事!類さんによれば、「シナモリスはコッペパンわにとは真逆の性格。コッペパンわにが抱える苦労やストレスを和らげたり、コッペパンわにを成長させてくれる重要な存在です。2人が出会ったころのエピソードも今後描いていきたいと思っています」とのこと。シナモリスにいい影響を受けて、コッペパンわにには強くなっていってほしい。

ベーカリーわににはさまざまなタイプの“困ったお客さん”が登場するが、同時にお客さんに助けられる話もある。例えば、第2話で登場したシュガーさんはコッペパンわにを助けてくれた人として人気なキャラクターだ。しかし、シュガーさんは自身がベーカリーわにに訪問することで営業妨害になってしまっては申し訳ないと、第2話以降は訪問を控えているのだそう。となると、シュガーさんの再登場はないのだろうか?

「お店に直接出向くことはありませんが、私もシュガーさんはお気に入りなので、何らかの形で再登場させたいと思っています。シュガーさんが特別な手段で会いに来るのか、わにが宅配を始めるのか…。どんな展開になるのかはわかりませんが、楽しみに待っていただけたらうれしいです」とシュガーさんファンには楽しみな話をしてくれた。

現在、毎週火曜日に公開をしている「がんばれ!コッペパンわに」。作品をアップした時の読者からの温かい反応が類さんのモチベーションになっているそう。

「あとは、自分自身が体験したことや、好きなものを詰め込んだ作品なので、引き出しを増やすために可能な範囲でお店巡りをしています。その楽しさも創作意欲に繋がっています」

読者からはさっそく書籍化やグッズ化希望の声も出ており、その実現が今後の大きな目標だという。「経験がないので大変そうですが、アニメーションになったら絶対かわいいだろうと思います」と動画にも興味があるそう。「キュッ、キュ」と鳴くコッペパンわにが動く姿も楽しめる日も近いかも?それまではコッペパンわにの奮闘をみんなで応援したい。

取材・文=西連寺くらら

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