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「おまえも死ぬぞ」。ユニークすぎるお寺の掲示板が集う「輝け!お寺の掲示板大賞」が生まれたワケ

  • 2021年7月1日
  • Walkerplus

お寺に行ったときに見かける「掲示板」。そこには難しくもありがたい言葉が書かれているのかと思いきや、思わず二度見してしまう斬新な言葉が書かれていたりする。

「NO ご先祖、NO LIFE」や「隣のレジは早い」といった数々の名言(?)を生み出した、お寺の掲示板コンテスト「輝け!お寺の掲示板大賞」が今年も7月1日(木)から募集を開始する。

今回は本大賞主催である公益財団法人仏教伝道協会の江田智昭さんに、企画を始めたきっかけや掲示板が人気になった理由などを聞いた。

■「おまえも死ぬぞ」。ユニークながらも心に響く掲示板
仏教界では掲示板を使用した布教を「掲示伝道」と呼び、明治時代から行われていたという。しかし、近年は掲示板を活用しているお寺が減少傾向に。そんな「掲示伝道」を盛り上げたいと、仏教伝道協会は2018年に「輝け!お寺の掲示板大賞」を始めた。

第1回は広告費用0円で始まったこともあり、江田さんは「作品が集まらないのでは?」と不安だったそう。しかし企画が始まると、「おまえも死ぬぞ」という作品が投稿されるなど大反響。それ以降、テレビや新聞などさまざまなメディアで取り上げられる人気企画になった。

「メディアで話題になって、たくさんの方にお寺の掲示板に興味を持っていただけるようになりました。また、多くの寺院関係者も掲示板を意識するようになったようです。この企画に触発されて、掲示板を新たに購入したというお寺さんもいらっしゃいました」と江田さん。

掲示板大賞の作品は、日本だけなく中国のネットメディアでも大人気に。お寺の掲示板は、今や国境を越えて愛されている。

■復活の理由は「SNS」!若者からも大人気に
お寺の掲示板大賞が始まる前にもユニークな掲示板はあったそうだが、こんなに盛り上がりを見せたのはSNSが発達してからのことだそう。

「これまでは、月に一度ほど書き換える掲示板の言葉に悩む住職さんも多くいらっしゃいました。しかしSNSで全国のお寺の掲示板を共有できるようになってから、互いに刺激しあったのか、ユニークなものが一気に増えた気がします」

そして、その勢いをさらに加速させるのが「輝け!お寺の掲示板大賞」。江田さんはこの企画を始めた理由について、「お寺離れ」と「SNSの活用」の2つを挙げている。

「昔に比べ、お参りする人の数が多くのお寺で減っています。掲示板は『お寺の世界』と『外の世界』の境界に設置されているので、それを用いて、お寺に少しでも興味を持ってもらいたいと思いました。SNSは若い方を中心にさまざまな世代が使用しています。なのでSNSで『お寺の掲示板大賞』を開催すれば、掲示板を通じて仏教に関心を持つきっかけになるのではないかと考えました」と、現代の仏教におけるSNSの重要性を語ってくれた。

■仏教は「倍返し」しない⁉不安を一掃してくれる言葉たち
斬新な言葉選びや鋭いフレーズもさることながら、世相や流行を反映した掲示板も目立ってきているという。2020年には、ドラマ『半沢直樹』の名台詞をもじったものも多く見られた。

また新型コロナウイルスに関連した掲示板も数多く見られ、「コロナよりも怖いのは人間だった」などの作品が投稿された。

「2020年は人々が先の見えない不安を抱えるなかで、できるだけ安心を与えようとする掲示板が多かったような気がします。コロナは多くの人に影響を与えましたが、お寺も例外でなく、たくさんのお寺で法事やご法座が中止になりました」

新型コロナウイルスが猛威をふるう今、お寺に行きづらいのが現状だ。だが今だからこそ、お寺の掲示板は私たちに笑いと感動、学びを、SNSを通じて与えてくれている。

■2021年も開催。4回目の掲示板大賞に輝くのは?
今年で4回目となる「輝け!お寺の掲示板大賞2021」の募集が、7月1日(木)から始まる。心に残る掲示板に出合ったら、写真に撮ってTwitterやInstagramで投稿してみよう。詳細や投稿ルールは公式サイトを要チェック。

最後に江田さんは、「今年も掲示板大賞が始まります。皆様からの投稿を心よりお待ちしております!これからもダラダラと続いていけたらうれしいですし、これをきっかけに仏教に関心を持っていただければ幸いです」と、今後の意気込みを話してくれた。

回数を重ねるごとに盛り上がりが増している「輝け!お寺の掲示板大賞」。2021年はどんな言葉が大賞に輝くのだろうか?今年も目が離せない!

取材・文=福井求

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