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紺野彩夏、初主演作で後輩から「もうケンカしたくない」同年代共演者との撮影秘話

  • 2021年5月18日
  • Walkerplus

2013年9月に発表された漫画「和太鼓†ガールズ」が原作の映画『藍に響け』が、5月21日(金)より公開。「Seventeen」モデルを卒業後、「non-no」で活躍し、「仮面ライダージオウ」でのオーラ役で注目を集めた紺野彩夏が主役の松沢環を演じる。

夢を諦め心を閉ざしてしまった環(紺野彩夏)と、交通事故で言葉を話すことができなくなった新島マリア(久保田紗友)。ミッション系のお嬢様学校を舞台に、2人が出会い、和太鼓を通じて周りの人たちと繋がっていく、思春期の繊細な姿を力強い和太鼓の音にのせて描く。そんな本作で初主演を飾った紺野に、役作りやW主演の久保田紗友とのエピソード、女優としての目標について語ってもらった。

■部員のまとめ役はW主演の「久保田紗友ちゃんにお願い(笑)」
――同年代の共演者が多い作品だと思いますが、現場は楽しかったですか?それとも初主演としてのプレッシャーの方が大きかったですか?

【紺野】現場が本当の部活のようだったこともあり、主演!というような重圧はあまりなく、みんなと楽しく作品を作っていった感じですね。初主演作ではありましたが、久保田紗友ちゃんとW主演ということで、まとめ役は彼女にお願いしようと勝手に思っていたんです(笑)。だから、私は普段の作品とスタンスを変えようという意識はあまりなくて。

部活のメンバーと揉めるようなシーンもカメラが回る直前まで普通に話していましたし、部長役の永瀬莉子ちゃんは「Seventeen」モデルの後輩なんですが、「もうケンカしたくないです〜!」って言われたりもして(笑)。撮影中はもちろんシリアスな空気なんですけど、カットがかかったあとは何もなかったようにまたみんなで話して、楽しくメリハリのある現場だったと思います。

――久保田さんがまとめ役になってくれたということですが、紺野さんから見て久保田さんはどんな人でしたか?

【紺野】ほかの作品を拝見していた時はクールなイメージの役が多かったので、本人もそういう感じなのかなって思ったんですけど、たくさん話してくれるし、話も聞いてくれるし、実際はフランクな子でした。紗友ちゃんが演じるマリアは声が出せないので、カメラが回ると言葉を喋れないんです。その分しっかりと表情だけで全部が伝わってくるお芝居をしているな、って一緒に演じていて感じました。

――そんな久保田さんがW主演の相手で良かった、と思った出来事があれば教えてください。

【紺野】マリアとして現場に居続けてくれたという印象が大きくて。部員の中でのマリアのポジションはみんなをよく見ていて、みんなに優しい人なのですが、紗友ちゃんもみんなのことをよく見ているし、みんなもすごく慕っているのを感じました。多分ですけど、なるべく現場でマリアのようにみんなをまとめる役割でいようとしてくれてたんじゃないかなぁと思うので、そういう子と一緒に作品を作ることができて良かったと思います。

――2人のコンビネーションはいかがでした?

【紺野】3カ月くらい和太鼓を練習していたので、演奏の時のコミュニケーションも徐々に取れるようになっていったし、特にソロのところは息を合わせなければいけないのですが、途中からはもう相手の目を見なくても大体の感じで合わせられるようになったので、役としても、和太鼓叩く時もいいコンビになれていたんじゃないかなと思います。

■クールな役どころが嫌味に映らないように演じた
――環は口数も少なく、部員に厳しく接するシーンもあって、クールな子に映る場面が多いと思いましたが、どういう人物だととらえて演じましたか?

【紺野】お父さんの事業が失敗して、本気で続けていたバレエを辞めなくちゃいけないという設定がまずあって、そのせいで気持ちが落ちていて何も信じられないし、人とも関わりたくないと思っていた環の心情が、和太鼓に出合い、マリアや部員と関わるようになって少しずつ変化していくのを大切にしたい、と脚本を読んだ時に思ったんです。だから、演じる時も感情の動きを意識していました。

――奥秋泰男監督とは、役作りについて何か話をされましたか?

【紺野】どういう言葉だったかはっきりは覚えてないんですけど、監督の中で環はこういう子、マリアはこういう子っていうのが固まっていたんです。もともとやっていたバレエが出来なくなって、ミッション系の学校に通っているのに神様を信じられなくなって…というのは、自分が思っていたことと同じような印象だったので、リハーサルをしたり本番ギリギリまで監督とお話して決めたりするなかで、そのイメージを擦り合わせていった感じでした。

環の言葉とか口調はすごく強いんですけど、相手を攻撃したいわけではないし、嫌味で言っていない。監督が説明してくれたのは、マリアに対しての発言は全部、「マリアがもっと良くなればいいのに」という思いが根底にあって、一方で、部員と話す時や部活をしている時は自分の言うことが合っている、というスタンスでいるということ。始めたばかりの和太鼓で急成長したっていうのもあるし、和太鼓がすごく好きになったから、部活をもっとレベルアップさせていきたいという気持ちが自分のなかでは正しいと思っている、という話でした。なので、なるべく嫌味っぽくならないように、ただの嫌な女の子にならないように、という点を考えて演じました。

――画面から伝わってくる和太鼓の迫力や音が終盤に向けてどんどん力強くなっているのを感じて、部員の技術が上達していく様も見事に描かれていたと思いました。この作品に入る前に、和太鼓の生演奏は聞いたことはありましたか?

【紺野】それまでステージでの演奏のようなものは見たことがなくて、お祭りのお囃子とかそういうものしか聞いたことがなかったですね。和太鼓の練習が始まって少し経った頃に、師匠が演奏会に出るということでみんなで聞きに行きました。

――生の和太鼓を聴いて、どんな印象を受けました?

【紺野】やっぱり、お祭りで聞いていた太鼓とはまったく違いました。でも、演奏を聞いてというよりは自分たちでやってみて、音が重なることでこう聞こえる、というようなことがわかってきた感じでした。

――実際に演奏してみて感じた、和太鼓の魅力について教えてください。

【紺野】太鼓って、言葉がなくても本当に音だけで気持ちが通じ合うことができるんです。みんなで和太鼓を演奏していて、気持ちが通じ合ったと感じる瞬間が何回かありましたし、例えば言語圏の違う方でも、和太鼓の音を聞けば気持ちが伝わるんじゃないかなって思うんです。それが和太鼓の魅力だと思いました。

――鎌倉が舞台ということで、海のシーンも印象的でしたが、海は好きですか?また、鎌倉でお気に入りの場所があれば教えてください。

【紺野】海は、入らないで見ているだけが好きです(笑)。私は車の免許を持ってないので、ときどき友達に連れていってもらうんですけど、湘南から江ノ島くらいまで繋がっている海沿いの一本道がすごく好きで、海を見て楽しんでいます。あの辺りにあるご飯屋さんも、雰囲気が良くて好きですね。

■女優としてのターニングポイントは「仮面ライダージオウ」
――筒井真理子さんや濱田マリさん、須藤理彩さんとのシーンもありましたが、先輩女優さんと共演して女優としての糧になった出来事や、心に残った言葉などがあれば教えてください。

【紺野】筒井さんは本当にニッチェ先生そのまま、って感じで。ニッチェ先生と2人で話すシーンの直前まで会話していて、「自分がこうしたいっていうのを環が心に持っているんだ、っていうのを演じる時も考えながらやってみたらいいんじゃない?」というようなアドバイスしてくださったのが勉強になりました。それを意識しながら撮影に臨むことも多かったです。

――では、環にとっての和太鼓やマリアのように、紺野さんにとっての人生を変えるような出会いはこれまでにありましたか?

【紺野】「Seventeen」のモデルに受かったことですかね。モデルとしてのキャリアの中ではすごく大きな出来事だったなって思いますし、女優のお仕事だったら「仮面ライダージオウ」に出演したことだと思います。いろいろな世代の方が観ている、歴史もすごく長い作品で、その中に少しでも立ち会えたことがすごく貴重なことだったので、それはひとつ、ターニングポイントだったと思います。

――周りの反応なども変わりましたか?

【紺野】「Seventeen」モデルは高校生の時だったので、高校で周りの子が読んでいて、「買ったよ」って言ってくれたりしたんですけど、「仮面ライダー」は本当に小さい子からそのお母さんとかお父さんとか、それとは別に仮面ライダーのファンの方もいらっしゃるので、その方々の熱狂的な思いはすごく伝わってきましたね。

――今作で初めて主演を経験されましたが、これから女優としてどうなっていきたいかなど、目標を教えてください。

【紺野】女優のお仕事をやってきてずっと思っていることですが、役を通して自分とは違う人生を生きられることが楽しいと思っています。これからもいろいろな役をやらせていただくと思いますが、どの役も自然に演じられるようになりたいです。

撮影=冨永智子
取材・文=大谷和美

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