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シュールでかわいい日常を描く「歯」の4コマ漫画が話題!

  • 2021年5月11日
  • Walkerplus

手足が生えた2本の歯が日常生活を送る4コマ漫画が、Twitterで人気を博している。クスリと笑えて時には心温まる内容ながら、設定は意外性満載。一体どんな発想でこんな作品が生まれたのか?作者であるカトちゃんの花嫁さん(@hanomanga)に話を聞いた。

■歯のキャラクターの写真集めから漫画に発展
カトちゃんの花嫁さんがTwitterで「歯のマンガ」の投稿を始めたのは2014年。毎日17時に新作をアップし続けているというから驚きだ。今では単行本も発売されたほか、Tシャツなどのグッズも好評。また、台湾語版も専用のInstagramアカウントで投稿している。

歯のマンガを描き始める前は、歯のキャラクターの看板を撮っていたというカトちゃんの花嫁さん。当時、mixi上にあった「歯のキャラクターがかわいい」というコミュニティに歯医者さんの看板をアップしていたという。「踊っている歯もあって、それに興味を持ったのがきっかけです。写真が集まっていくうちに、かわいいから描いてみようかなと思って」と誕生秘話を教えてくれた。

開始当初は、現在のメインキャラクターである歯ではなく、その歯が抜けた女の子が主人公だったが、現在はほとんど登場しない。「最初は女の子ありきだったんですが、今さら出せなくなってきたぐらい、最近はほとんど出ていません。特にきっかけはなくて、自然と出番が減りました。昨年一度出したんですけど、読者に『誰?』って言われました(笑)。でも、今も歯と一緒には住んでいるんです。彼女が家主で、家賃を払っているので」と、意外と知られていない主人公について話してくれた。ちなみに、この歯のマンガを描いている間に、カトちゃんの花嫁さん自身の歯も2本抜けたという。

■2人の歯は「描き分けはまったくしないし設定もない」
2人の歯は、会社員だったり吹奏楽部だったりとさまざまな姿で登場するため、年齢や性別を聞かれることも多いという。「疑問」という漫画内ではそれに応える形で、「年齢や性別は曖昧にしているのも曖昧にしている」と歯が話している。しかし、「本当は描いている時点で、決めていないんですよ。でもすごくよく聞かれるので、なにか返さなきゃいけないので曖昧ということにしました」とカトちゃんの花嫁さんは話す。また、「歯医者ですかとも聞かれますが、違います。犬歯ですかとか、聞いたこともない歯の種類を言われたりするけど、自分はそんなに歯に詳しくありません」と笑う。

2人の歯の描き分けについても、「まったく描き分けていません。まったく一緒だし」と潔い答えが。「サンバを踊っている歯と、仕事をしている歯は一緒ですかと聞かれると違いますとは言っているけど、本当は決めていません。時によって役割的なものはあったりして、その4コマ内ではどちらかはだらしなくて、どちらかはちゃんとした歯っていうことはあるけれど、どっちがどっちとかの設定はないんです」。サイズだけは、「歯はだいたい30〜40cmぐらいかなって思っている」とのこと。「その辺にいるって感じです。漫画では大きく見えるけど、見た目ほどのサイズはありません」

今までで特に反響が大きかったのは、歯が朝起きて電車に乗って会社に行き、「この時点でかなり頑張ったと思うけど更に働くのか」と呟くネタ。共感される要素や強いあるあるがあると伸びますね」と分析する。

また、歯が工場ではんぺんをペチペチするだけの仕事を描いた作品が自身のお気に入りだという。「無機質な、なんでもないものをかわいいって思います。はんぺんは名前もかわいいし。読者からのウケもいい話です。工場とか機械が好きなので、猫をこたつで丸くする工場など工場シリーズもあります」と独自の感性がうかがえる。キャラクターのお気に入りは、お金を出すけど見返りを求めないタニマチさん。「人間のキャラなので描くのは大変だけど、性格が好きです。アドバイスも送らなくてお金だけ出すのが、いいなーと思っています」。

つらいけどサンバを踊る歯のシュールなかわいさが大人気の「つらいけどサンバ」については、「つらいときに何を踊っていたらおもしろいかなって考えた時に、サンバかなと思って。実は、ネタが全然ない時に苦し紛れに出したんですが、それが当たってしまって。グッズもそれが一番売れているんです」とその人気ぶりに驚いているという。

通りすがりの一般人が理不尽でやばい人だというシリーズや、熱しやすく冷めやすい恋多きカモ・好き鴨など、登場キャラクターは多岐に渡るが、「新しいキャラが出ることもあるんですが、次に出るかは不明です。とうもろこし船長っていうのもいたんですが、今は全然出ていないです(笑)」と登場しなくなることも多い。歯が子育てに奮闘している「クレープの赤ちゃん」については、「一人で着替えられるし、いつのまにか大きくなっていました。今は、どこまで成長していいかわからなくなってきたので、もっと赤ちゃんに戻るかもしれません。赤ちゃんの方が人気が出るので(笑)」と自由な発想で展開していくようだ。

今後も、「しばらくは別の作品は描かずに、歯のマンガでいけるとこまでいこうかなと思っています」と、まだまだ続く更新に期待したい。

取材・文=上田芽依(エフィール)

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