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ハウル、千と千尋などジブリやポケモンを立体お菓子で表現!表情や細かな技が話題に

  • 2020年12月29日
  • Walkerplus

ジブリ作品のアイシングクッキーやポケモンのマカロンなど、誰もが知っているキャラクターをお菓子で表現するまんなたぬきさんの作品が、TwitterやYouTubeで話題になっている。彼女の作るお菓子はどれも表情豊かで、今にも動き出しそうなものばかり。今回は作品のこだわりや制作秘話を、まんなたぬきさんに直撃した!

■「ハウルの動く城」に「千と千尋の神隠し」など繊細なお菓子の数々
彼女の作品には、見ているだけでなんだか幸せな気持ちになれる不思議な魅力がある。なかでも一番反響があったのが、ジブリ映画『ハウルの動く城』のアイシングクッキー缶だ。

その繊細な世界観に「箱を開けた瞬間のワクワク感がたまらない」「素敵すぎて泣いた」など多くの声が寄せられ、Twitterにアップされたメイキング動画は28万を超えるいいねがついた。日本のみならず海外からも多くのコメントが送られ、ジブリ映画が国や文化をこえて愛され、感動をあたえていることを改めて実感したという。

「缶のフタを開けた瞬間に『ハウルの動く城』の世界を感じていただけるように、1つずつモチーフを考えて作りました」と、まんなたぬきさん。

ハウルのペンダントや宝石は飴を使ってキラキラさせ、物語のキーとなるカルシファーはメレンゲクッキーで色合いまで忠実に表現。最後に缶の真ん中にそっと配置して、映画そのものが伝える世界観を崩さず再現できるよう意識したのだとか。

「千と千尋の神隠し」からは、オオトリさまが温泉に浸かる場面をメレンゲクッキーとアイシングクッキーで表現。初めて立体クッキーにアイシングを施した作品で、飴で作ったお風呂のお湯、メレンゲクッキーのオオトリさま、建物の細かい表現など、多くの工程を経てようやく完成したという。

数々の名場面があるなかでもここをチョイスした理由を聞くと、「映画のなかだとほんの一瞬ですが、私自身とても癒されるシーンなんです。私のお菓子を見てくださった方にも、心安らぐひとときを少しでも感じていただけたらと思って」とのこと。オオトリさまのなんともいえない表情に、思わず顔がほころんでしまう。

制作ショートムービーをTwitterに投稿したところ、想像以上に大きな反響が。完成した作品そのものだけでなく、制作の過程に興味を持ってもらえたこともうれしかったという。

■ヒトカゲ・ゼニガメ・フシギダネ…ポケモンマカロンが勢ぞろい!
まんなたぬきさんの作品のなかでも根強い人気があるポケモンのお菓子。マカロンを作り始めたのはここ数か月前からとのこと。

フシギダネの背中の蕾をアイシングクリームで、ヒトカゲの炎を飴で表現するなど、顔を描くだけでなくそれぞれのポケモンの特徴や持ち味が出るように工夫されている。

まんなたぬきさんが初めて「アイシング」に出会ったのは6~7年ほど前。「父が海外からおみやげで買ってきてくれたクッキーがきっかけです。お花の模様がクッキーに描かれているのを見て、すっかり心を奪われてしまって…。それが卵白とお砂糖を使ってデコレーションした『アイシングクッキー』だと知り、自分でも作ってみたい!と思ったんです」

最初は趣味として始めたというアイシング。平日は仕事に追われて思うように時間が作れないため、休日にはキッチンを占領し時間も忘れて没頭していたそう。そのうち「もっときれいなアイシングを絞りたい」との思いが強くなり、それまで従事していた事務の仕事を辞め、思いきって洋菓子店のアイシングクッキーデコレーターに転職したという。

「限られた時間の中でお客様のニーズに沿ったアイシングクッキーを作る仕事を通して、いろいろな技術や技法を身につけることができたと思います」と語る。

■「ポケモンおっとっと」に命を吹き込んだ作品が素敵すぎ!
現在公開中の映画「劇場版ポケモン ココ」デザインのおっとっとが発売された際の作品も、反響が大きかったという。「食べる前に並べてみたら次から次へとポケモンの形が出てきて、わくわくしながらアイシングでデコレーションしてみました」。

「おっとっとにいっぱいポケモンの形が入ってたからお砂糖でデコレーションしてみたんだけど、合ってるかな?」というコメントとともにTwitterに投稿したこの作品。なかにはポケモンだと思っていたものが野菜の形だったことも(笑)。フォロワーに教えてもらったりと、交流も楽しめたという。

■ぷっくりフォルムにキュン!「カービィのメレンゲクッキー」
自身も子供のころから大好きなキャラクターだというカービィ。まんまるでぷっくりとした形を表現するには平面のアイシングクッキーでは限界があり、この時初めてメレンゲクッキーに挑戦したそう。

メレンゲクッキーは温度変化や湿度に影響を受けやすく、何度も失敗を繰り返したという。やっとレシピがまとまり、安定したメレンゲクッキーが作れるようになった時は喜びも大きかったそう。また、メレンゲを絞っていく様子を撮影した動画にも大きな反響があったのだとか。

まんなたぬきさんはYouTubeで制作動画の配信も行っている。「『作り方を教えてほしい』『どうやって作っているのですか?』という声が多くなったことに加えて、今年はコロナ禍でたくさんの方々の生活に変化がありました。教室に通うことが難しくなってしまった方も、アイシングクッキーやお菓子づくりを気軽におうちで楽しんでいただけたらいいなと思ったことが、きっかけです」とのこと。

また、お菓子作りを通じて「不安を抱えて過ごさざるを得ない日常に、ほんの数分でも癒しやくつろぎを感じていただけたら」とも語った。

■こだわりは「お菓子の質感を隠さないようにデコレーションすること」
見た目重視でコテコテにデコレーションされているイメージが強いアイシングクッキーだが、まんなたぬきさんはお菓子そのものの魅力を生かすことを大切にしているという。

「ふちにはきれいに焼けたクッキー生地が見えるよう、アイシングを施していますね。マカロンも、やさしく甘いイメージでデコレーションしています」

「可愛すぎて食べられない!というお声もよくいただくのですが、『見て可愛い、食べておいしい』をモットーにしているので、味にもこだわっています。食べてしまうと一瞬で消えてなくなってしまう、そんな儚いところも、お菓子ならではの魅力なんじゃないかな」と、自身のお菓子のこだわりについても教えてくれた。

■飴の透明感を生かした「ステンドグラスクッキー」
数ある作品のなかでも、まんなたぬきさんが特に思い入れがあるというのが『ポケモンたちが住む冬の部屋』をイメージして作ったステンドグラスクッキーだ。

「飴をガラス窓に見立てて何枚か重ね、奥行きのある部屋を表現しました。そっとのぞき込むとミニチュアハウスを眺めているみたいでワクワクする、とてもお気に入りの作品です。しばらく飾っておこうと思いましたが、作った翌日には飴の部分が曇ってきてしまったので、すぐに周りのクッキーからかじって食べました(笑)」

■雑誌や映画鑑賞、ピアノ、裁縫など、発想の引き出しがたくさん
普段はかなりのインドア派だというまんなたぬきさん。バレエ舞台やアニメが大好きでよく見たり、ピアノを弾いたり、裁縫をして過ごすのが好きだという。

「きれいな風景やファッション誌、漫画、映画などを眺めているうちに、作りたいお菓子のイメージが広がることが多いです。全体の色合いや雰囲気を考えてから、いつもデザインを描き出します。画用紙に描くうちに、だんだん具体的なアイデアが決まっていきます」

現在公開しているお菓子のレシピをもっと手軽な材料で簡単に作れるよう変えてみたり、かわいく見えるようデザインにアレンジを加えることもあるという。「できるだけ発想の引き出しにたくさんのアイデアを詰め込んで、作りたいお菓子のイメージを取り出せるようにしたいなと思っています」。

■「作る楽しみ」と「食べる楽しみ」を多くの人と共有したい
最後に、今後の目標について聞いてみた。

「これまではアイシングクッキーを中心に活動してきましたが、それ以外にもいろいろなお菓子に挑戦して、もっと表現の幅を広げていきたいですね。また、かわいくて手軽に作れるお菓子のレシピを考案したりして、『作る楽しみ』と『食べる楽しみ』を、多くの方々と共有できるような活動がしていけたらと思っています!」

作品やキャラクターの魅力と、それを再現するお菓子自体の魅力の両方を大切にする、まんなたぬきさんの作品。ただかわいいだけでは終わらせない、繊細なお菓子に魅了された人も多いだろう。今後の新作にも期待!

取材・文=江口琴音(glass)


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