
高知県香南市にある絵金蔵で「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ) 彩りゆたかな物語」が11月末頃まで開催中。※終了日は決まり次第公式サイトで更新予定。
絵金蔵は、もとは土佐藩家老桐間家の御用を勤める狩野派の絵師・金蔵の資料館。訳あって城下追放となって後、町絵師「絵金」として親しまれながら絵を描き、二つ折りの大きな屏風に芝居絵を描く「芝居絵屏風」を大成させた。金蔵がおばを頼って滞在していたとされる赤岡町に設立された絵金蔵には23枚の屏風絵が収蔵されている。
「伽羅先代萩」は、仙台藩伊達家に起こったお家騒動を題材とした歌舞伎や浄瑠璃の演目のことで、現在でも高い人気を誇る。赤岡に残っている23点の芝居絵屏風の中にも「伽羅先代萩」を題材にしたものがあるが、今回展示されるのはこの演目が薄い和紙に描かれた作品だ。
本紙の裏に紙を貼り付け補強する裏打ちがされていないため、触れるのも緊張してしまうほど薄い和紙のまま。大きく破れたりボロボロになっていない作品たちをみると、これまで大切にされてきたことがうかがえる。
本作は各段でさまざまな場面が描かれており、まるで紙芝居のよう。作品自体は白黒ながら、彩りゆたかな芝居の世界へ導びいてくれる。
演劇史においても貴重な資料といえる作品を観に「伽羅先代萩 彩りゆたかな物語」に出かけよう。
※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。