「緑のgoo」は2025年6月17日(火)をもちましてサービスを終了いたします。
これまで長きにわたりご利用いただきまして、誠にありがとうございました。
テーマ展「文様をたどる−縄文土器に刻まれた線と形−」が現在、盛岡市遺跡の学び館(盛岡市本宮)で開かれている。(盛岡経済新聞)
施文に使う道具と文様の特徴を解説する一角
盛岡市内で出土した縄文時代の土器に施された文様の種類や、描かれた方法などについて紹介する同展。実物の土器や文様を付けるために使っていたとされる道具の模型などを展示する。
学芸員の伊藤聡子さんは「縄文土器といえば、その名の通り縄目の文様を想像する人が多いと思う。実は、縄文土器に付いているのは縄目だけではない。さらに、縄目にもいくつか種類がある。縄文人たちの創意工夫を見てもらいたい」と話す。
展示の始まりでは、土器に文様を付ける「施文(せもん)」の方法と道具を紹介。縄のより合わせ方で変わる縄目文様の種類や、動物の骨などを使ったとされる「爪形文」、貝殻などを引きずって付ける「条痕(じょうこん)文」、文様を彫った棒を転がして付ける「押型文」など、数種類の文様と施文の方法を解説する。
その後、縄文土器の文様を押す、引く、転がす、貼る、の4つの施文方法に分けて紹介。実物の土器に加え、文様の拡大写真や土器の展開写真を展示し、文様の特徴や見分け方を詳しく解説していく。「同じ線を引く文様でも、使っている道具や施文の方法、作られた時代」によって違いがある」と伊藤さん。「縄目模様も縄を押し付ける方法と、棒に縄を巻いて転がす方法があるのでその違いも見てもらいたい」と話す。
展示室の中央には、さまざまな道具を使って粘土に施文ができる体験コーナーを設置。土器片を触って観察することもできるようにした。関連イベントとして、今月22日13時30分から八戸市博物館の学芸員を講師に招いた特別講演会も開催。参加申し込みはウェブフォームなどで受け付ける。
展示室の入り口付近には複数の方法で施文された土器を展示。伊藤さんによると、展示を見終えた時に自分で文様の種類や施文の方法について予想したり、見分けたりして楽しんでほしいという思いを込めて、この位置に置いたという「縄文人が施文している様子も想像してもらいたい。文様の種類を知れば、縄文土器を見る時に新しい楽しみや面白さを感じてもらえると思う」と呼びかける。
9月15日まで。
同館の開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。入館料は、一般=200円、小中学生=100円、小学生未満・市内在住の65歳以上は無料。月曜、毎月最終火曜休館。