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小説家・峰守ひろかずさんのトークイベント「石川のモノノケ」が5月25日、石川県立図書館(金沢市小立野2)で行われた。(金沢経済新聞)
峰守ひろかずさんのトークイベント
峰守さんは「少年泉鏡花の明治奇談録」など、妖怪や幽霊などの伝承を扱った作品を多く手がける滋賀県在住の小説家。7月6日まで展示する同館の企画展「となりのモノノケ」の関連イベントの一つとして登壇した。当日、会場には幅広い世代の約60人が集まった。
峰守さんによると、石川県には「天狗(てんぐ)の人さらい」など、天狗にまつわる伝承が多く、黒壁山薬王寺(金沢市三小牛町)には天狗の絵馬も掲げられている。県民にはなじみ深い「天狗舞」「天狗乃肉」「天狗ハム」など、商品名に使われる例もあり、中には和菓子店「圓八(えんぱち)」(白山市成町)のように天狗が創業に関わった伝承もあることも紹介した。金沢では江戸時代の「あめ買い幽霊」の伝承が多く、立像寺(寺町4)や導入寺(金石下寺町3)など寺院を中心に記録が残るという。そのほか、カワウソ、キツネ、ムジナなどの動物が化けて出る伝承と、それぞれの土地の自然との関わりの深さなどを解説した。
峰守さんは「妖怪の話は口伝や絵で伝わるものが多いが、石川県では文章として具体的に伝承や目撃談などが多く記録されているのが特徴。金沢出身の小説家である泉鏡花や徳田秋声の残した文章にも妖怪や幽霊の話が出てくる」と話す。