彦根市内で福祉事業を展開するアイズケア(彦根市地蔵町)が運営する、デイサービスやカフェ、イベントスペースを併設した複合施設「トガノツバメ」(戸賀町)が4月29日で1周年を迎え、記念イベントを開催した。(彦根経済新聞)
木べら作りワークショップ。(左)ウエノチシンさん(写真提供=山本桜)
「頼り、頼られながら、共に生きる」をテーマに、これまで関わってくれた人への感謝の気持ちと、近隣の人たちにも広く施設を知ってほしいとの思いから企画したという同イベント。
トークイベントでは、地域活動家でヘキレキ舎代表の小松理虔さんをゲストに迎え、登壇者の一般社団法人「ぼくみん」代表の今津新之助さん、てへぺろ社会科実験室代表の沼波洋子さん、アイズケア専務の野村隆裕さんが、約40人の参加者と共に地域や福祉のこれからを考えた。
「車に乗るとまちの風景が見えない」と考える小松さんは、彦根駅から同施設まで歩いてきたという。「『普段の暮らしの幸せ』と『ふるさとで暮らす幸せ』が両方あって福祉であり、よりよい地域を作ることと福祉は同じこと」と話した。
アイズケアのグループ法人で果樹栽培やカフェ事業などを展開するNPO法人「ハニカムファーマーズカンパニー」(地蔵町)が栽培したイチゴを使ったジャムの試食や、同NPOの農業指導を担うパーマカルチャーデザイナーのウエノチシンさんによるジャム用の木べら作りワークショップも開催。参加者は廃棄される予定の生木を一から削り、1時間以上かけて自分だけの木べらを作り上げた。
併せて、老いや死について考えるワークショップや湖東湖北の店6店舗によるマルシェも開き、出店者との来場者の会話や来場者同士の交流を楽しむ姿が見られた。
同施設の西田悠人さんは「この1年で応援の輪が目に見えて広がってきたのを実感した。イベントにも思っていた以上の方に来てもらえて良かった。これからはアイズケアのさまざまな事業や事業所とも連携していきたい」と話す。