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親の老い把握してますか?免許返納問題・生活費・認知症の兆候…帰省で見るべき「親のいま」チェックポイント

  • 2022年8月15日
  • レタスクラブニュース


帰省するたびに徐々に親の老いを実感して、「介護はまだ先だけど、離れて暮らしていて少し心配」という状況になってきました…。そこで、ふだんの安否確認のしかたから介護に備えて知っておくといいことまで、改めて親の見守り方を考えてみました。

教えてくれたのは▷太田差惠子さん
介護・暮らしジャーナリスト。1993年ごろから介護の現場を取材し、「高齢者住宅」や「仕事と介護の両立」などの情報を発信。遠距離介護の情報交換の場、NPO 法人パオッコの理事長も務める。介護に関する著書多数。

高齢になるほどこだわりが強くなり、「あれイヤ、これイヤ」が増えるし、プライドを傷つけないように説得するのもたいへんです。どんな点に気をつけて見守り、どう対処していけばいいのか、チェックしてみましょう。

帰省や電話では観察する気持ちで

特に何の意識もせず、帰省したり電話をかけたりして接しても、あまり両親の様子をうかがうモードにはなれません。意識して、「以前と変わったことがないか」「ふだんと違うことがないか」と観察する目を持つことで見えてくるものがあります。

【POINT】近所の人や民生委員さんに声がけを
あまり頻繁に帰省できない場合は、つきあいのある近所の人や、親の居住地域の担当の民生委員などに「親に何か変わったことがあったら教えてください」と声をかけて、こちらの連絡先を伝えておくのもいいでしょう。

親が運転する車に乗ってみる



帰省したら一度親が運転する車に乗ってみましょう。「こんな運転をしているんだ」「危なくなったなぁ」ということが分かります。また、車体や車庫の傷も確認しましょう。傷だらけという場合は、そろそろ運転はやめどきかもしれません。

【POINT】心配になったら「乗り方の提案」をする
免許返納を促しても、さまざまな事情で応じてもらえないことが多いので、「夜や雨の日は乗らない」「車が多いこの道は通らない」「スーパーと通院以外は乗らない」など、乗り方について親に提案するといいでしょう。

家の設備チェックやたいへんな掃除の手伝いをする

帰省したときには、実家の設備や家電などが壊れていないか、電球が切れていないかなどをチェックし、修理や交換を行ないましょう。親が体力的に行なうことが難しくなった掃除や家のメンテナンスなどを聞いて手伝うと、親の様子がよく分かります。

親の生活費が心配ならまずは年金額を聞いてみる

親にある程度のお金があるか、ちゃんと生活できているか心配なときは、まず受け取っている年金額を聞いて、状況を把握してみましょう。介護が始まるとお金がかかるので、資産状況も確認できると◎。



健康診断に行っているか確認する

親に年に1回は健康診断や人間ドックを受けているかどうか聞いてみましょう。もし受けていなかったら、受けることを提案します。早期発見できれば治る場合も多いので、がん検診も同様にすすめましょう。体調が悪いときは特に、早めに病院に行くように促して。

【POINT】「早期発見」が介護の命運を分ける
認知症も早めに気づいて服薬治療すれば、結構長い期間現状維持できることがあります。さまざまなサービスを受ければ、認知症になっても1人暮らしを続けられる場合があるので、早期発見は重要なポイントです。

エアコンをなかなかつけないなら温度・湿度計を置く

「体を冷やしたくない」「もったいない」と、エアコンをつけない親は、熱中症が心配です。実家に大きな文字で表示される温度・湿度計を設置し、エアコンをつける温度を決めて、電話した際に今の温度を聞きましょう。

■《体験談》
親への見守り電話で熱中症の危険を回避
地方で1人暮らしをしている母にいつものように電話をした際、「何か様子がヘンだなぁ」と思って、本人に聞いてみましたが、「大丈夫、ふだんどおり」という返事。でも、電話を切ったあともイヤな予感がしたので、地域の民生委員さんに連絡して、念のため見に行ってくれるようお願いしました。そうしたら、母は熱中症になりかけていたようで、その場で処置してくれて、大事に至らずにすみました。私がすぐに駆けつけられる距離に住んでいないので、緊急時に動いてもらえる人を確保しておくことは大事だと思いました。(東京都在住・50代女性)

*  *  *

「『早期発見』が介護の命運を分ける。」あとで後悔することがないよう、今できることから兄弟姉妹間などでもまず確認し合いましょう。

教えてくれた人/介護・暮らしジャーナリスト太田差惠子さん
イラスト/松元まり子 取材・文/生島典子

【レタスクラブ編集部】


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