ヨーグルト表面に水分が浮いている、透明のうわずみ液「ホエー」。腸内環境を整える乳酸菌などが豊富で、モデルや女優など美意識の高い人からも大注目されています。このホエーを利用した野菜の浅漬け「ホエー漬け」がテレビなどメディアでも話題に。ホエー漬けを推奨する料理家の井澤由美子さんは、発酵食や保存食作りがライフワーク。薬膳にも造詣が深く、国際中医師の資格を持ち、予防医学の観点からもホエーに注目しているといいます。
ホエーに含まれる乳酸菌は、免疫力アップに効果的!
牛乳からヨーグルトなどの乳製品を作る際に出る、「ホエー」。水切りヨーグルトを作れば、家庭でも簡単にホエーをとることができます。
■★ホエー(約1/2カップ分)のとりかた
■材料
プレーンヨーグルト…1カップ(約200g)
■作り方
小さめのボウルにざるを重ねてペーパータオルを1枚敷き、プレーンヨーグルトを入れて冷蔵室で約30分おく
ホエーに含まれる乳酸菌は、腸内環境を整えることで免疫力アップに役立ちます。
最近よくいわれる「予防医学(病気にかかってから治療するのではなく、病気になりにくい体づくりを心がけて予防すること)」に大いに活用したい食材の一つです。ホエーの栄養分をより余すところなく摂取するには、加熱しないことがベター。野菜の浅漬けに活用すれば加熱いらずでどんなおかずにも合うので、毎日手軽に継続して食べられておすすめです。
季節や体調でお好みにカスタマイズ! アレンジ豊富な野菜のホエー漬け
野菜に含まれる食物繊維は、善玉菌のえさとなるので腸活の観点でもホエーとの相性抜群。作り方は、塩もみした野菜をホエーと調味料を合わせた漬け汁に30分以上漬けるだけ。ホエーは意外とくせがないので乳製品っぽさはほとんど気にならず、ほのかな酸味とうまみが野菜のおいしさを際立たせてくれます。保存用密閉袋に入れて作るとお手軽ですよ!
※ホエー漬けは冷蔵室で保存し、3日間くらいで食べ切ってください。
ホエー漬けにする野菜は季節とお好みで自在に選べますし、しょうがやゆずこしょう、かんきつなど風味づけもいろいろ楽しめます。栄養の観点では、肌の調子を整えたいときはリコピンが豊富に含まれるトマト、風邪気味ならねぎやしょうが、胃腸が疲れているときはキャベツ、暑い時期にはレモン汁や梅もおすすめです。このように、ホエー漬けには、体の状態や気分に応じてスタマイズできる良さがあります。
■ホエー漬けに適した食材(これらを好みや体調にあわせて、組み合わせてみましょう)
■野菜
トマト、パプリカ、大根、きゅうり、キャベツ、山いも、ゴーヤ、にら、きのこ など
■薬味
しょうが、にんにく、ねぎ、三つ葉、しそ など
■調味料や風味づけ
塩、みそ、わさび、豆板醤、ゆずこしょう、梅干し、レモン汁、はちみつ など
ドレッシング、ガスパチョ……料理にいろいろ使える「ホエー」
ホエー漬けよりさらに手軽なのは、漬け時間のいらない「ホエードレッシング」。ホエーにはほのかな酸味があるので、これをお酢の代わりに使って油、調味料と混ぜるだけ。酸味が柔らかいので、酸っぱさが苦手な人もおいしく食べられるはず。野菜だけでなく、納豆にかけるとさっぱりして、サラサラと食べやすくなります。
また夏は、ざく切りにしたトマトと混ぜて作るガスパチョも、手軽でおすすめです。
■ホエーのガスパチョ風
【材料 1人分】
ホエー…1/2カップ
トマト…小1個(ミニトマトなら4個)
おろしにんにく、塩こうじ(なければ塩)…各少々
オリーブ油
【作り方】
1.トマトはざく切りにする。
2.ホエーとトマト、おろしにんにく、塩こうじを混ぜ合わせて冷蔵室で冷やす。食べる直前にオリーブオイル少々をたらす。
※好みでみじん切りにしたきゅうりや、すりおろした玉ねぎを入れてもOK
教えてくれたのは…
井澤由美子さん
料理家、調理師、国際中医師、国際中医薬膳師。旬の食材の効能と、素材の味を生かしたシンプルな料理に定評がある。「きょうの料理」「あさイチ」などの料理番組をはじめラジオ、雑誌、企業CM、書籍など多岐にわたって活躍中。
文=長田由香