「バイトや仕事が続かない」。これがいつものこととなると、発達障害の傾向がありそうです。
ADHDの人は、「飽きやすい」性質をもっているので、ひとつの仕事をコツコツ続けていくことが苦手です。
しかも、事務的なことが苦手なためミスしたり、会議が苦手なため「協調性がない」と批判されたり、あと回しグセで、大事な用件の締め切りを守れなかったりと、仕事を続けるうえでの困難もたくさん起こります。そもそも定型発達の人よりも「耐えるべき困難」が多いのが特徴です。
上司からのミスの指摘にまいってしまいがちですが、ADHDの人は、子どものころから「早くしなさい!」「ダメな子ね!」などと言われ続けていることも多く、挫折感の積み重なりから、傷つきやすい人が多いです。
また、「衝動性」のために、ちょっとした不満に反応しやすく、話し合ってその問題を解決していこうとするというよりは、待てずに結論を急いでしまいます。もうイヤだ。やっていられないと感じてしまったらすぐに決断し、思い切りよく辞めてしまいます。
職場を変えたとしても、新しい職場でもがまんできなくなり、衝動的に辞表を出してしまうかもしれません。
とにかく急いで決めてしまわず、まずは辞表を出す前にいろいろな人に相談をしたり話を聞いてもらったりしましょう。きっと違う対応もできるはずです。人事課に相談したり、社内での異動も考えるのがいいかもしれません。
転職するときは、少なくとも「次を決めてから辞める」というルールを自分に課すなど、ストッパーをいくつかかけておくことが必要です。
あまりに転職回数が多くなると、再就職が不利になっていくことも考えられます。そうすると、希望の職に就けず、ますます不満の多い仕事をすることにもなりかねません。
▶次の話 すごくやさしかったり、急に怒り出したり…。定型発達の人にはわからない〈ネガティブな気分屋〉の裏にある感情って?【もしかして…発達障害!?】
部屋が片づけられない、約束の日時を間違える、集団から孤立しがち…など、あるあるな発達障害傾向と「ラクに生活するための考え方や生活のヒント」を伝授。「もしかして発達障害!?」の夫や子ども、仕事関係の人の理解にもつながる1冊です!
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