日本の四季を彩る旧暦と二十四節気ゆかりの行事には、開運・良縁などを呼び、邪気や病を祓うヒントがいっぱい。今日は「鏡開き」の日で、神様へのお供えをお下がりでいただく日。神様の力が宿った鏡餅もちをいただいて、健康と繁栄を願いましょう。
鏡餅は、新年と幸せを連れてくる年神様へのお供えであり、依り代です。
わが家にやってきた年神様は、鏡餅に乗り移ってお正月を過ごします。1月11日に行う「鏡開き」は、年神様の力が宿った鏡餅をいただき、健康と繁栄を願う行事です。
「開く」は、縁起の悪い「切る」や「砕く」の代わりに用いる言葉。神様とのご縁と、言葉のうえでのおめでたさを大切にしてきた先人の思いが詰まった、趣深い行事名です。
「開く」にあやかって、いつしか開運を願う行事としても親しまれるようにもなりました。
古来、鏡餅を細かくするのに刃物は厳禁。動作のうえでも「切る」を避け、木槌でたたいたり、手で割ったりします。
その点、個包装の丸餅や切り餅が中に入っている市販の鏡餅は、手間入らず。お好みのメニューで年神様のパワーをいただき、1年の運を開きましょう。
監修/本間美加子●和の伝統、日本文化を中心に執筆や編集を行なう。著者に『神社の解剖図鑑2』、執筆協力に『神様が宿る家の清め方』などがある。