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更年期は「心臓」が危ない!息切れ・動悸にひそむ危険な病とは。薬剤師が解説

  • 2023年11月28日
  • 暮らしニスタ

「最近、動悸や息切れが気になる」「安静にしていても苦しくなる」。このような悩みを抱えている人は、「微小血管狭心症」という病気の可能性があります。微小血管狭心症が更年期の女性に多い原因や病院を受診する目安について、薬剤師の視点から解説していきます。

微小血管狭心症とは?

心臓の筋肉に血液を送っている「冠動脈」の微小血管が十分に拡張しなかったり、異常に収縮したりすることで、一時的に心臓の筋肉に血液が行きわたらなくなり、動悸や胸の痛みが起きるのが微小血管狭心症です。

微小血管狭心症の詳しい症状や発生するタイミング、原因などを確認していきましょう。

微小血管狭心症の症状

微小血管狭心症の症状は、主に以下の通りです。

・胸が締めつけられるような不快感や痛み

・呼吸困難感

・吐き気

・胃や背中の痛み

・あごやのど、耳の後部の痛み

・奥歯のズキズキとした痛み

このような症状を自覚した場合、微小血管狭心症の可能性があるかもしれません。

微小血管狭心症が発生するタイミングは?

微小血管狭心症は前触れなどがなく、安静にしているときに突然発症することが多いといわれています。

発症した場合、ほとんどのケースでは数分で症状がおさまらず、数十分~数時間は症状が続くようです。

微小血管狭心症の原因

更年期になり、女性ホルモンの「エストロゲン」の分泌が減ることが、微小血管狭心症の原因のひとつであるといわれています。

エストロゲンは心血管系に対し、血管弛緩作用・脂質代謝改善作用・抗酸化作用などの保護作用を持っていますが、閉経に伴いエストロゲンの分泌が減ることで、その保護作用が失われます。

さらに、エストロゲンの分泌が減る40代前半~50代後半の更年期は、一般的に仕事の責任が増えたり家族の進学・就職の問題が出てきたりするなど、ストレスもかかる時期です。

このような精神的なストレスも微小血管狭心症を引き起こす原因だと考えられています。

微小血管狭心症の受診の目安

胸やみぞおちが頻繁に痛む場合や痛みが長く続く場合は、循環器科を受診するといいでしょう。

ただし、微小血管狭心症は発作時も心電図の変化に乏しいという特徴があり、微小血管狭心症ではなくそのほかの狭心症と判断されて薬を処方されることもあります。

しかし、微小血管狭心症の場合、その処方された薬を飲んでも症状が改善されないことが多いようです。

その場合は、違う循環器科に行ってセカンドオピニオンを受けることも検討してください。

微小血管狭心症を予防する方法は?

微小血管狭心症の予防に効果的だといわれている方法を3つ紹介します。

食生活の改善

エストロゲンの減少によって微小血管狭心症になっている場合、エストロゲンに似た作用を持つイソフラボンの摂取がいいといわれています。豆腐や大豆、味噌などを意識的に摂取してみましょう。

また、ビタミンCやビタミンEは血管を若々しく保つ抗酸化作用や血行改善作用があるため、積極的に摂るのがおすすめです。

ビタミンCはレモンやさつまいも、ビタミンEはナッツ類やカボチャなどに多く含まれています。

適度な運動

微小血管狭心症の予防には血管を労わることも効果的だといわれています。

糖尿病やメタボリックシンドロームといった生活習慣病の予防が微小血管狭心症の予防にもつながるので、適度な運動をしていきましょう。

運動により心肺機能の維持・増進ができます。

ストレスをためない

微小血管狭心症の原因のひとつにはストレスもあるといわれているため、ストレスを避け、気分をリフレッシュすることも大切です。

睡眠時間を確保したり、ストレスの元から離れたりして、心身ともにケアしていきましょう。

微小血管狭心症には漢方薬の服用もおすすめ!

微小血管狭心症にはさまざまな予防方法がありますが、食品の値上がりにより食生活の改善が難しいこともあるでしょう。

また、40代以降といえば仕事や家庭の事情で忙しい時期ですので、運動する時間の確保や、ストレスをためないことが難しい場合もあります。

そんなときは、微小血管狭心症の予防として、漢方薬を服用するのもおすすめです。

漢方薬は、微小血管狭心症の原因となるストレスやホルモンバランスの乱れにアプローチする以下のようなものを選びましょう。

・自律神経を整え、精神を安定させる

・女性ホルモンのバランスを整える

微小血管狭心症におすすめの漢方薬はこちら

・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):精神を安定させることで不眠を改善します。ストレスを感じることが多く、イライラしがちな方におすすめです。

・大柴胡湯(だいさいことう):ストレスや高血圧による肥満や肩こり、頭痛、便秘などの諸症状に用いられます。イライラによる過食を解消するのに役立ちます。

・加味逍遙散(かみしょうようさん):女性ではPMSや更年期障害の治療によく使われ、女性ホルモンの乱れによる精神不安やイライラにも効果があります。

このように、ストレスを感じたときや女性ホルモンが乱れたときなどは、漢方薬を服用することで一定の効果が期待できます。

監修・文/あんしん漢方薬剤師 山形ゆかり●薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。15社以上のメニュー開発に携わり、現在は症状の根本改善を目指す情報発信を行う。

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