今の私は、母が期待した場所にはいないけれど|爆速レシピクリエイター およねさん

  • 2023年6月2日
  • 暮らしニスタ

自分が子どもの頃に言われて、されて、嫌だったコトを掘り下げて、今の子どもたちへの接し方を考える本連載!今回お話を伺ったのは、爆速レシピクリエイターとして活躍するおよねさんです。

2人のお子さんを持つワーママですが、自身の子ども時代はどうだったのでしょう?今の生き方に繋がるさまざまな思い出も語ってくれました。

親に褒められたい一心で勉強を頑張った子ども時代

—およねさんは子ども時代、どんなお子さんでしたか?

「小学生時代はすごく優等生でした。母が『一にも二にも勉強!』という人だったので、物心ついたときから勉強するのは日常で、当たり前のこと。テストでも常に良い点をとっていました。

勉強が好きだったのかと聞かれたら、うーん、そうでもなかったかもしれません(笑)。親から怒られたくない、なんなら褒められたい、という気持ちが大きくて、なぜ勉強するのかとか、本当に好きなことは何かとか、考える余裕も隙間もありませんでしたね(笑)。

中学受験があったので、学校終わりは進学塾にも通い、子どもながらに多忙でした」

—小学生のおよねちゃんは、勉強以外のことに興味を持つことはなかったのですか?

「学歴至上主義な価値観の環境で育ったので、その刷り込みが何よりも勝っていたのかも(笑)。漫画を読むことも、テレビゲームをすることも禁止でしたし、本来子どもが夢中になるようなことに触れる機会が、あんまりなかったのでしょうね~。

そもそも塾やピアノなどの習い事で自由な時間はほぼなくて。私自身も、『私はテストでいい点がとれる』『良い大学に行くぞ』と思っていて、勉強していい大学に行き、いい会社に就職することが人生のゴールになっている感覚がありました。子どものおよねちゃん、やっぱりちょっと変かも(笑)」

料理好きな祖母との時間は、少し違う思い出

—勉強尽くめの日々の中で楽しかったことは何かありますか?

「祖母との時間は特別だったと思います。両親が共働きだったので、小学生時代は学校から祖母の家に行って、そこから塾や習い事へ。終わったら、また祖母宅に帰宅して、一緒に夕食をとるということも多かったんです。

祖母の家の近所に商店街があって、よく2人でお買い物に行きました。お気に入りのお惣菜店の大学芋がすごく美味しくて、祖母に『どうしてこんなに美味しいんだろう!?』と聞いたら、祖母が『じゃあ、大学芋が何でできているか、お店に聞きに行こう!』って。

勇気を振り絞り、お店の人に『こちらの大学芋にはお砂糖の他に蜂蜜も入っていますか?』と聞きました。今考えると、祖母は大学芋の一般的なレシピを知っていたはずで、蜂蜜が入っているかもわかっていたはず。私の好奇心や自主性を大切にしてくれたんだなと思いますね。

祖母は料理上手で手間暇を惜しまないタイプ。いつも私と姉それぞれに好きなおかずを作ってくれたり、お節も一から全て作っていました。料理の楽しさや食育という意味で、たくさんのことを教えてもらい、それが身についている気がします」

反骨精神の塊みたいな自分。でももっと素直な自分でいたい

—子ども時代を振り返って、当時、周囲の大人たちにどう接してほしかったと思いますか?  

「何かを失敗してしまったとき、『これができないなんて、あなたはダメ〜!』というジャッジではなく、『これは、あなたに向いてないことだったのかもしれないね』といった言葉が欲しかったかな~と思いますね。

失敗や遠回りがたくさんあっても、それは『自分を知るために必要なんだよ』と認識させてくれたら、その先に未来が続いていく気がするんです。『できない=ダメ』で終わってしまうのは、子どもの可能性を閉ざしてしまうんじゃないかな。

私は大学を卒業後、社会では、いわゆる学校の勉強では通用しないことを知り、混乱した時期がありました。それまで勉強さえしていれば大丈夫!と信じていたのに、まさか!!ですよね(笑)。

子ども時代の刷り込みってなかなか抜けない。今でも苦しくなるときがあります。でも、窮屈だった子ども時代の反動で、混乱しながらも、今の気持ちはとても伸び伸びしている(笑)。

今の私は、母が期待した場所にはいないけれど、私は自分で責任を持ちつつ、自由に、楽しく、自分らしく生きていきたい。子どもたちにもそう育ってほしいなと思います」

およね●爆速レシピクリエイター。「自炊ハードルを地の果てまで下げにいく」をモットーに、ささっとラクに作れてちゃんと美味しいレシピを日々発信している。

撮影/野口マサヒロ ヘアメイク/山下光理 取材・文/濱田恵理

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