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Vol.158 北山の和装化は着々と進んでおります。

  • 2014年10月30日

 みなさん、こんにちは。ゴスペラーズの北山陽一です。

 僕はいま絶賛ツアー中なんですが、その合間をぬって「今年の目標」達成への取り組みが着々と進んでいます。今年の初めの時点で「今年の目標」として僕がどんなことを宣言しているのかはVol.139を見ていただくとして、そうした事前の計画がなかなかその通りには進まない僕のこれまでのパターンを思えば、完璧と言ってもいいかもしれないような進み具合です。この連載のスタッフから「今年の目標の進捗具合はいかがですか?」と尋ねられたのがまさに目標達成に向けて物事が大きく進んだ出来事があったばかりのタイミングだったので、ここでもその出来事を紹介しようと思います。

 ある日のことです。僕は、銀座に買い物に出かけました。で、僕は特に当てもないままブラブラするということはあまりしない人間なんですけど、そのときにはなんとなくそういう感じで歩いていて、その途中に何気なくフラッと1本裏道に入ったら、男性専用の着物屋をみつけたんです。そういう出会い方ですから、もちろんそのお店について何も知らないし、着物自体についてもほとんど何も知識がなかったんですが、直感的に“よし、ここで買おう!”と決めてそのお店に入っていきました。で、その場でいろいろと話をし、いろいろ考え、採寸をして、生地を選び、結局浴衣3枚と羽織付きの着物を購入しました。スタッフから尋ねられたのは、じつにそれを受け取りに行く前日のことだったんです。

和柄 もちろん、何も知識がないと言いながら和装男子になるという目標を掲げたくらいですから、ずっと気にはなっていて、知り合いの落語家さんにも相談しました。「和装をずっとやりたいと思っていながらやれていないんです」という話をしたら、「浴衣だよ」と、その落語家さんはアドバイスしてくれました。「家で四六時中、浴衣を着ているのがいいです。とにかく部屋着を浴衣にして着慣れなさい」って。というわけで、そのお店に入る時点で浴衣を買うことは決めていたのですが、羽織まで買ってしまったのは、まあ、お店の人にうまく乗せられたところもあったかもしれません(笑)。それでも、40歳にして初めて買うものっていうのもあまりないでしょうから、“相場はどれくらいなのか?”とか“品物の見極めのポイントは?”とか、あれもこれも勉強です。ちなみに、値段については“初心者なのであまり高いものに手を出してもしょうがないとは思いつつ、かと言ってみすぼらしいものも良くないだろう”とは思っていたんですけど、浴衣に関しては思っていたほどに高くなかったというか、“これくらいで収まるんなら、ずっと着続けられるな”という範囲でした。ただ、すごくびっくりしたのは、羽織の裏地ですね。裏地だからもちろん見えないわけですけど、だからこそ隠れたオシャレということでド派手なものが多いっていうことなんです。実際、見せてもらったら本当にそうで、赤富士みたいな絵もあれば鳥獣戯画みたいな柄もあって、そういうなかでちょっと面白いなと思った柄があったんで値段を尋ねてみたら、着物より高いんですよね(笑)。倍くらいなんですよ。なるほど!と思いましたよね。ただ、1点ものじゃない、幾何学模様みたいな柄だと5分の1くらいになるんです。さすがに、1点ものには手を出せなくて、初心者らしく幾何学模様みたいな柄にしておきました。結果的には、その日“これくらいは使ってもいいかな”と思っていた予算は超えてしまいましたが、でも勉強代まで含めた額だと思えば、まあいいかな、と。というか、いい買い物になってればいいな、という感じです。

 ちなみに、この買い物の話には後日談があって、その買い物の話が両親のところに伝わり、「言ってくれれば…」みたいな話が出て、というのも父親は僕と身長が同じで、体型も着物を作った頃は僕と同じような感じだったけど今はもう着れなくなった着物がたくさんあるっていうことなんです。というわけで、それも譲ってもらうことになり、いよいよ北山の和装化は進むことになったという話です。

 「今年の目標」の“食”と“住”については、また次回

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