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Vol.132 秋の深まりのなかで、自分の暮らしの電力消費について見直してみるのはどう? 

  • 2013年10月10日

 みなさん、こんにちは。ゴスペラーズの北山陽一です。

 10月に入って、いよいよ秋らしい気候になってきました。すでに関西地区では、原発が停止している現在の体制で寒くなってからの電力需要に対応できるのか?といった記事も出始めていますが、こういう程良い気候の間に、あらためて電力消費、あるいはエネルギー消費と自分のライフ・スタイルについて見直してみるのも悪くないんじゃないかなというのが今回のテーマです。ひとつのサンプルというか、話のきっかけとして取り上げたいのが9月7日の朝日新聞に掲載された、朝日の記者が実践している「5アンペア生活」のレポートで、一般の家庭は電力会社と普通30アンペアの契約を結ぶところをこの記者は基本料金が0円になる5アンペアにして、かなり極端な(と言っていいと思うのですが)節電生活を1年以上続けているそうです。「5アンペア生活」ということは、一度に使える電流の上限が5アンペア(500ワット相当)ということで、そうなると一般的なエアコンや電子レンジは10アンペアを超えるので使えないということになります。さらにこの記者は、家電のなかで最も電気を使う冷蔵庫も手放し、食材は使い切る分だけを買うことにしているそうで、それだけでもずいぶんと暮らし方が規定されることになると思いますが、最大の困難はやはり冬の寒さと夏の暑さへの対処であるようです。

 「節電にむなしさを感じるときもあるが、孤独感はない」と、記者は書いています。「原発事故は収束せず、汚染水をはき出す。かつての自分のように電力会社の電気を無尽蔵に使う心情にはならない。自分にはごく自然な選択だ」

 そこで、僕の立場どうかと言うと、僕は電気を使うのが駄目だとは思わないんです。ただ、どういう電気を使うのかが選べない以上、その状況が続く間は嫌だから止めるという選択も有りだと思っていて、それを一軒家とか山の中ではない、都会の集合住宅で実践しているのはすごいなと思ったし、もちろん突っ込みどころもいっぱいあるとは思いましたが、そこも含めて面白いと思うんです。僕自身の生活について言えば、自宅にスタジオがあるので電力の消費量はどうしても一般家庭より多くなってしまうのですが、そのことはずっと気になっていました。対処法としては、例えばソニー・ミュージックのレコーディング・スタジオやZEPPのようにグリーン電力証書を購入するようなやり方しかないのかなあと思っていたんですが、この記事は“いやいや、やり方は他にもあるかもしれない”と思わせてくれました。つまり、この記事から僕が感じたのは「節電生活は是か非か」といったこと以上に、我慢していた違和感を自分の生活から取り除くためには、あるいは自分の“気持ちいい”を作るためには何をすればいいのか?ということです。そこで山奥に引っ越すというような、いわば一般的な社会生活から離脱するという方法ではなく、今いる環境の中で自分ができることを探すということ。それは、自分と社会の関係性みたいなことをあらためて考えるということでもあると思うんですよね。

 こういう記事を見たときに、「僕の場合は家にいないことが多いし、家にいる時には人がいっぱい来るし…」というふうに、この人との違いを列挙することで、自分にはできないという結論を導き出すのはすごく簡単なことですよね。でも、僕はちょっとやってみようかなという気になっています。とりあえずワットチェッカーだけでも手に入れるか、みたいな(笑)。ただ、ゴスペラーズが全国ツアーに突入して、僕も旅生活が続く毎日なので、今は自宅の電力消費について考えるような状況ではないというのが正直なところなんですよねえ…。さて、どうしたものか…。


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