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Vol.129 この夏、生まれて初めての体験をしました。 

  • 2013年8月29日

 みなさん、こんにちは。ゴスペラーズの北山陽一です。

 もう8月も終わってしまいますが、この夏は本当に久しぶりに青春っぽい(笑)「夏の思い出」を手に入れました。生まれて初めて海に投げ込まれるという体験をしたんです(笑)。

 そもそもは、AWSで現在活動している学生のコア・メンバーから、新しく入ってきた若い世代のメンバーの活動ぶりがなかなか深まっていかないという危機感があるということで、総会を開きたいという申し出があったことが話の始まりです。AWSについては、それぞれのプロジェクトのリーダーと僕とはコミュニケーションを持っていますが、そのリーダー相互の間での現状や将来についての意見交換ができていないという状況もあったし、僕とコミュニケーションを持っている人間から「北山さんが考えていることをもっとみんなと広く共有したい」という意見もありました。幸い、お盆の時期に僕も休みがとれたということもあり、それに合わせて鎌倉に一軒家を借りて、40人くらいが参加するAWS総会が開かれることになったわけです。

 総会当日、最初の3時間はコア・メンバーがこれまでやってきたことを振り返りながら課題と成果を確認するなど、かなり充実したミーティングになって、それはすごく良かったんです。その後、夕方からはバーベーキュー・パーティーで盛り上がったんですけど、そこに会場の周りのお店の人たちやご近所さんもやって来て、そういう人たちともいろいろ話すことができたし、たくさんの人間がそれぞれにアカペラについて語り合っているという、僕からしてみれば夢にまで見たような光景が至るところで繰り広げられていて、それも本当に素晴らしかったんです。ただ、そのままの状況で夜になってしまうと近所迷惑になるので、とりあえず海岸に移動しようということにして、浜辺で花火をやったりしてたんですけど、そういう状況になるとやっぱり女の子を海に投げ入れようとするいたずらっ子たちが出てくるわけですよね(笑)。で、そこに僕も巻き込まれて、結局3回くらい投げ込まれるということになりました。

 初めてついでに言えば、というのも変な展開ですが(笑)、来月の25日にはゴスペラーズがデビュー19年目にして初めてのカバー・アルバム『ハモ騒動』をリリースします。もちろん、変な騒動を起こそうとしているわけではないですが(笑)、例えば昨日・8月28日にリリースした先行シングルにもフィーチャーしたスピッツの「ロビンソン」のカバーについては、スピッツのファンの方からはいろんな反応があるんじゃないかとドキドキワクワクしたりしているということはあるんですけれども…。

 カバー・アルバムのリリースということに関しては、この連載のスタッフから「いわば名曲のリユース、リサイクルですね」と、言われました。そう言われてみると、暮らしのなかでリサイクルやリユースといったことが楽しめるようになるには自分なりのライフ・スタイルを持つことが前提になるように、ゴスペラーズの活動もやっと自分たちなりのスタイルのようなものができあがってきたのかなという気はします。逆に言えば、これまでにも出そうと思えばいつでも出せたであろうカバー・アルバムを出さなかったところに、僕らなりの意志の表明というか、敢えて言えば闘いみたいなものがあったということです。みんなが知っている、いわゆる名曲をハーモニーでゴスペラーズらしく仕上げる、みたいなことは非常に威力を発揮する企画だと思うんです。単純に、目先も変わるし(笑)。しかも、“この曲をハモるとどうなるか? あの曲をアカペラでやるとどうなるか?”というのは、キャリア当初からゴスペラーズが求められてきた側面でもあるわけです。でも、そういうニーズに対しては、僕らはずっと敢えて距離をおいてきました。それは、僕ら自身が、僕ら自身の感覚で音楽というものを切り取って、ゴスペラーズというフィルターを通した、ゴスペラーズの作品として世に問いたい、僕らなりの視点というものを提示したいという思いがあったからです。じゃあ、なぜ今回はやったの?という話になるわけですが、それは次回ということで。どうぞ、お楽しみに。


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