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Vol.119 全国ツアー終了から少し時間が経ったのであらためて振り返ってみると 

  • 2013年4月4日

 みなさん、こんにちは。ゴスペラーズの北山陽一です。

 3月17日に、昨年11月から続いていた全国ツアーを無事に終えることができたのですが、その後は僕個人の取り組みや4月から始まることに向けての準備をしている間に4月になってしまいました。長いツアーを終えた感慨に耽るなんていう時間はあまりなかったので、この場を借りてツアーをちょっと振り返ってみたいと思います。

 今回のツアーのいちばんの特徴というか、いつもと違ったことは、初めて行くところがすごく多かったことです。10何年ぶりというところもけっこうあったりして、だから全体の印象としては“自分たちの地元に来てくれた!”という雰囲気ですごく温かい反応だったので、僕らとしてもすごく楽しんでやれました。それに、そういう初めての土地だと、やはりゴスペラーズのコンサートを見るのは初めてというお客さんがほとんどでしょうから、反応のようすにそれぞれの土地柄が出るというか、場所によってずいぶん違ってたのが面白かったです。何度も僕らのコンサートに来てくれている人たちは、僕らがステージを進めていく上での僕らなりの文脈みたいなものをわかってる度合いが高いから、そういうお客さんが多いとやっぱり盛り上がるわけですが、でも逆にそういう文脈のようなことをまったく知らずに来てくれている人がいると、僕らも新鮮な感触のなかでステージを進めることができて、あらためて発見するようなことも少なくなかったんです。また、週末と平日とではどうしても客層が違ってくるし、僕らよりも年上とおぼしき男性がすごく目立った会場もあったのは僕らにとっても刺激的でした。少し舞台裏の話をすれば、今回のツアーでは場所によってはホテルの確保に苦労したり、終演後に食事しようとしてもお店が開いていないとか、そういうことでスタッフはちょっと大変なところもあったかもしれないですが、僕を含めメンバーにとってはすごく得るものの多い、有意義なツアーだったと思います。人口が多い街でやれば、僕らとしてもいろいろと便利なことは多いです。ただ、そういうふうにスムーズに事が運べて楽だからと言って、数が多いところばかりを選んでやってると必ずその代償が降りかかってくるということは、みなさんもよくご存知ですよね。で、僕が言うのもナンですが、そういう数の楽さには逃げずに、プラスアルファの喜びのためにがんばっているグループのメンバーであるということはすごいことだなあと思うし、本当に誇りを持っていていいのかなっていうふうに感じます。もちろん、そういうハードな選択をまっとうできるのはみんなが応援してくれているからということは言うまでもありませんが、そういう僕らの姿勢も込みで応援してくれてるところがあると思うんですよね。

 というわけで今回は、自分の発声のこと、さらにはいろいろとプライベートなことも含め、歌手として、プロとして、エンターテイナーとして、というところでライブって何なのかな?、ツアーって何なのかな?、俺って何なのかな?ということをこれほど考えたツアーはないですし、本当に勉強になったツアーでした。

 その勉強になったことというか、あらためて実感したことのひとつに、自分の足でどんどん出かけていっていろんな人と直接出会うことの大切さということがありますが、それはじつは今回のツアーと同じ時期に始めたAWSでの取り組みでも実感したことでした。

 次回はその話を詳しく紹介したいと思います。


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