
ガラス工芸品のショップをはじめ、ご当地グルメ、おみやげなど20あまりのショップが軒を連ねる、長浜の人気観光地「黒壁スクエア」。その中心となる「黒壁一號館 黒壁ガラス館」は、元銀行の建築を再生したクラシカルな空間が魅力。多彩なガラス製品に出会えるほか、好きな曲とパーツを選んで世界でひとつのオルゴールを制作できる体験プランもあります。長浜を旅するなら、ぜひ訪れたい一軒です。
最寄り駅は、JRの長浜駅。新幹線を利用する場合は、米原駅から北陸本線に乗って3駅目です。長浜は、羽柴(豊臣)秀吉が主君の織田信長から領地を賜って、はじめて自分のためのお城(長浜城)を新築した地。以降、天下統一へ向け躍進していったことから、長浜城には“出世城”の異名も。秀吉が発展へと導いた旧城下町は、碁盤の目状の通りに風情ある建物が点在し、レトロな雰囲気を醸しています。
長浜駅の東口から徒歩5分ほど。近江の国(現在の滋賀)と北陸を結ぶ北国街道と、大手門通り(美濃谷汲街道)が交差する一帯が「黒壁スクエア」。そのシンボルとなっているのが「黒壁ガラス館」です。
建物は今から120余年前の明治時代、1900年築のもの。第百三十国立銀行長浜支店として誕生し、黒漆喰の壁であったことから「黒壁銀行」の名で親しまれたそう。6年後には明治銀行長浜支店、半世紀後には長浜カトリック教会へと移り変わっていきました。後に第三セクターが建物を継承し、1989(平成元)年に「黒壁ガラス館」をオープン。ガラスをテーマとした町づくりが行われていきました。
重厚な扉、受付の窓口など銀行時代のしつらえを残す館内は、クラシカルな雰囲気。八角形と四角形の木材で亀甲柄に組み上げられた天井にきらめくガラスのシャンデリアは、イタリアから取り寄せたもの。
1階は、指先に乗るほど小さく愛らしいミニチュアガラスの動物たち、繊細なガラスのアクセサリー、ふだん使いにしたいテーブルウェア、折々の四季を彩るガラス飾りなど、バラエティに富んだガラス製品がずらり。子どもから大人まで楽しめるラインナップです。
2階には、ドイツ、オーストリア、ヴェネツィア、ボヘミアといった海外から買い付けたガラス製品も。人気は、チェコの村で手作りされた香水瓶。ひとつひとつデザインや形、色あいが異なり、コレクションしたくなりそう。デザイン性と機能性を併せ持つガラスペンは、書き心地を試せるので、気軽にスタッフの方に声をかけてみて。
2階フロアの中央では、好きな曲が入ったオルゴールとガラス製のパーツを選んで気ままに飾りつけを楽しむ「デコレーションオルゴール」の制作が体験できます。空きがあればその場で申し込めますが、Webサイトから事前予約をしておくと安心です。
黒壁ガラス館の周囲には、ガラスのインスタレーション「花降る小径」や、「風鈴の小径」、米原在住の切り絵作家・早川鉄平さんの作品とガラスのコラボアートなど、フォトジェニックな場所がたくさん。
黒壁ガラス館のすぐ目の前には、吹きガラスやカットガラスなど、初心者もOKの「ガラス体験アトリエ ルディーク」、ガラスショップ「エクラン」、長浜や滋賀のおみやげがそろう「黒壁AMISU」、パンケーキが中心のカフェ「glass and sweets 96café」も。レトロな町並みとガラスに心ときめく長浜の旅を楽しんでくださいね。