サイト内
ウェブ

京都よりみちこみち 木屋町通 【後編】

  • 2023年3月25日
  • ことりっぷ


桜や柳の並木が続く、木屋町通に沿う浅瀬の高瀬川。船着き場を残した史跡「一之船入」に復元された高瀬舟からは、往時の水運の賑わいがしのばれます。過去と現在が交差する、春の木屋町通りをそぞろ歩いてみませんか。
江戸時代始めに京都の豪商・角倉了以(すみのくらりょうい)によって開かれた運河である高瀬川の東岸に造られた木屋町通。材木商が多く集まっていたことからいつしか木屋町と呼ばれるようになったそう。かつては水運で大いに賑わい、地の利を生かして周辺には長州藩をはじめとする諸国の藩邸が建ち並びました。
木屋町通は場所によって雰囲気が変わり、お店や施設もバラエティ豊か。高瀬川の北の起点、一之船入いちのふないり(船着場)あたりには落ち着いた気が満ち、御池通から南へ向かうにつれ、カフェや食事処、居酒屋などがぎっしりと軒を連ねて賑やかです。
1993(平成5)年に閉校した立誠小学校の校舎を生かし、3年前にホテルやカフェ、ショップなどを備えた複合施設としてリニューアルした「立誠ガーデン ヒューリック京都」。京都の魅力に出会える新たなスポットとして注目されています。
図書館には京都に関する書籍を中心に約3800冊がそろい、瑞泉寺で供養されている悲劇の側室・駒姫をテーマにした小説(武内涼著)も所蔵。明治時代に映画の試写実験に初めて成功した場所でもあり、日本映画原点の地とされているなど、文化の発信地になっています。
「京つけもの西利」が営む、立誠ガーデンヒューリック京都内の発酵がテーマのカフェ。発酵の力を生かした体に優しいスイーツやドリンクをはじめ、おみやげにも喜ばれそうなドレッシング、スープなどがそろいます。
AMACOとは、京の伝統漬物「すぐき」から発見されたラブレ乳酸菌で甘麹を発酵させた乳酸発酵甘麹のこと。AMACOを使ったパンは、時間が経っても続くふわふわもっちり感とほのかな甘みが評判。すっきり爽やかな味わいのAMACOドリンク(各種450円~)もオーダーしてみて
フレグランスメーカーのアート・ラボ直営店である「cotoiro」。立誠ガーデンヒューリックのなかでも、ひときわ目を引く華やかなディスプレイとカラフルなパッケージは見るだけでも心が弾みます。
「白川の枝垂桜」「高瀬川の柳」など京都の四季の移ろいをイメージする色と香りを、バンブーディフューザー、ルームスプレー、アロマオイル、インセンスなど異なる形に展開する「京の情景」シリーズは、直営店でしか手に入らない特別な逸品。布小物や京都で活動する作家たちの作品も取り扱うので、おみやげ探しにも最適です。
四条通に面した「喫茶ソワレ」は、1948(昭和23)年に誕生した当時には、文化人や芸術家のサロンとして賑わったレトロな喫茶店。店内は女性の肌をきれいに見せるという幻想的な青い光が満ち、BGMのない落ち着いた空間を作り出しています。
100年以上変わらない製法で作られているサイダーに、5色のゼリーやキウイ、さくらんぼを合わせた「ゼリーポンチ」が看板メニュー。
フランスの田舎の教会をイメージし、開業当時の雰囲気を残す店内は、ブドウなどの彫刻を施した柱がエレガント。春には高瀬川沿いの桜を窓越しに望みながら、色鮮やかなゼリーメニューやコクのあるコーヒーをゆっくりと楽しめます。
春にはテーブル席から高瀬川沿いの満開の夜桜を見ることができる、料理とお酒の店「アイサニ」。京都弁で「ときどき」を意味する店名は、ときどき立ち寄ってもらえる店にしたいという思いから名づけたのだそう。
まず味わいたいのはおばんざい。なかでもだしをきかせた「京風おから」は、今まで食べたおからで一番おいしいと絶賛する人多数という品。お腹がいっぱいになったら最後は土鍋で炊き上げてくれるご飯でシメるのがおすすめです。

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 1996- 2024 Shobunsha Publications All Rights Reserved.