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海野和男のデジタル昆虫記

ヒメギフチョウの交尾

ヒメギフチョウの交尾
2005年04月17日


 今日の最高気温は23度にもなった。
小諸ではヒメギフチョウが活動をはじめ、今日は交尾を見ることができた。
 ギフチョウやヒメギフチョウは交尾した時にオスが、メスの腹端に交尾嚢を付ける。これにより一度交尾をしたメスは、もう交尾することが出来ないのである。
 春の短い期間に活動するチョウだから、無駄な時間を過ごさないようにと思えば合理的ではある。オスが確実に自分の遺伝子を残したいというエゴのような気もするが。」
 実は昨日も一日観察したのだが、まだ出はじめで写真は撮ることができなかった。今日は個体数もある程度多く、やっと回復したと喜んでいたのだが、ちょっといやなことがあった。
 チョウを採りに来た人がいた。ぼくの土地ではないし、文句を言う筋合いでもないのだが、声を荒げて採らないでといってしまったのだ。
 実は2001年の4月に、高嶋君が採集者とちょっとした言い争いをした。1999年頃だったろうか、知っている方が採集に来られて、彼に採集しても良いかと聞いたのだ。あまり採らないでねと言うことで話はついたらしいのだが、その年にその方の案内で何人かの採集者がきてしまった。そしてその時からチョウは激減してしまったのだ。
 2002年の日記に次の年の様子を書いた。チョウは採って絶滅するようなことは稀だし、この産地でも、やがて回復したのである。けれど、今回また同じことが起こったのだから、自分のエゴが出てしまった。
 採集の是非というのは難しい問題だ。ぼく自身、高校生の時に田淵行男さんの本を見てヒメギフチョウを採集に行ったことがある。
 自由に網を振れる場所が少なくなっているが、今はチョウは採る人も見る人もいる時代である。最近ではチョウの写真を撮る人も増えてきている。「採るより撮る」というのはあまり好きな言葉ではないのだが、趣味が多様になった今、ヒメギフチョウのようにある程度限られた場所で限られた時期しかでないチョウの場合は、写真を撮ることで満足してもらえないかなと思っている。写真をちゃんと撮ろうと思えば採集より難しいし、撮れた時には心地よい満足感が味わえると思うのだが。
 D70 DX10.5mm

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