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〇〇〇に似てる?!アウトドアの聖地・ヨセミテで4泊5日ハイク三昧の旅【保存版】

  • 2019年8月22日
  • YAMA HACK

アメリカ・カリフォルニア州のヨセミテ・バレー(ヨセミテ国立公園)は、クライマー&ハイカーをはじめとしたアウトドア好きにとっては憧れの場所。そこで4泊5日でのキャンプ&ハイクをしてきました。実際にやったこと、困ったことなど旅の情報をまとめていますので、いつか行くときのためにブックマークを!

アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部(記事内の写真すべて)

憧れだけで、ロングハイカー&クライマーの聖地へ!


2017年6月、高さ約915mの岩壁をアレックス・オノルドが世界で初めて4時間弱で身一つで登攀しました。この偉業は『フリー・ソロ』という映画となり(日本は2018年9月公開)、アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞しています。その舞台となった[エル・キャピタン(El Capitan)]があるのが、アメリカ・カリフォルニア州にある、ヨセミテ国立公園(Yosemite National Park)です。
先のエル・キャピタンもですが、<ザ・ノース・フェイス>のロゴのモチーフとなった[ハーフ・ドーム(Half Dome)]などのビッグ・ウォールがあり、世界中のクライマーにとっては聖地のような場所。また、アメリカ三大ロングトレイルのひとつであり、「自然保護活動の父」の名前を冠した[ジョン・ミューア・トレイル(JMT)]も、ここが起点/終点となっています。

これらが含まれており、大半の観光客が訪れるのが、ヨセミテ渓谷(Yosemite Valley)。ヨセミテ国立公園の広さは約3,080平方キロメートル(東京都の約1.4倍)ありますが、その1%程度の面積のエリアになります。
▲ノースのロゴはこのハーフ・ドームがモチーフ
このヨセミテ渓谷に2017年にキャンプ&ハイキングに行ってきました。この時に得た「旅のHOW TO」や「楽しみ方」を今回は紹介したいと思います。長すぎる記事なので、いつか行く日のためにブックマークをおすすめします
National Park Service(英語・国立公園サイト)
Yosemite Narional Park(英語)
※訪問時(2017年)と現在(2019年)とで情報が変わっている可能性がありますので、各自ご確認ください
※2019年現在で調べた補足情報に関しては、青文字で追記しています

バス、電車、レンタカー。アクセスをどうするか問題

▲ヨセミテ・バレーに入るにはゲートを通る必要があります
ヨセミテ・バレーへはレンタカーを利用し、サンフランシスコ起点で行きました。レンタカーだと約320km(約5時間)のドライブ。このとき選んだルートは、580号線→205号線→5号線→99号線を通り、マーセド(Merced)とマリポーサ(Mariposa)という街を経由しました。

寄り道もレンタカーの醍醐味。レトロなアメリカンダイナーを満喫!

シュガー・パイン・カフェでおいしそうに朝食を食べるおじさん。ルー・リードの『Walk on the wild side』が流れてました

レンタカーを選んだのは、荷物の持ち運びや食材の買い物がラクという点。左ハンドル&ハイウェイの運転は最初は緊張しましたが、街中を出ると、あとはひたすら真っすぐ進むのみ。車で行くなら、マリポーサの<シュガー・パイン・カフェ(Sugar Pine Cafe)>でのブランチがおすすめです。薄いコーヒーとスクランブルエッグのプレートはいかにもアメリカ。

公共交通だとこんな手段があります

ヨセミテ・バレーへの行き方はレンタカー以外にも、電車(Amtrack)+バス(YARTS)バス(Greyhound)があります。バレー内には無料のシャトルバスがあり、車がなくても移動可能です(ただし混雑すると時間がかかるのが難点)。
■Amtrack+YARTS(1日2便)
・7:00am→7:30am(Emeryville着/発)7:47am→10:35am(Merced着/発)10:55am→1:28pm
・1:00pm→1:30pm(Emeryville着/発)1:46pm→4:35pm(Merced着/発)6:00pm→8:17pm
出発場所:Transbay Temporary Terminal
運賃(片道):39.50ドル
Amtrack(英語)

■Greyhound(1日1便)
・11:00am→8:12pm
出発場所:San Francisco  Bus Station
運賃(片道):日によって異なるが、最安で15ドル程度~
Greyhound(英語)

※時刻表、運賃などは2019年8月時点の情報です

ヨセミテ国立公園内は野宿NG、キャンプサイト予約は争奪戦!

見ての通り、予約をしようと思ってもすべて埋まっている。絶望感すごい。これがヨセミテの現実です。

ヨセミテ国立公園内は、許可なしの幕営が禁止されています。いちばん泊まりたいクライマーの聖地・Camp4は早い者勝ち式。空きがないと泊まれないため、出遅れると宿なしになるリスクが高いのです。

一方、ノース・パインズ(North Pines)、ローワー・パインズ(Lower Pines)、アッパー・パインズ(Upper Pines)の3つのサイトは予約ができるため、確実に宿泊場所を確保すべくオンライン予約<RECREATION.gov>に挑みますが、毎日毎日空きが出ないか、にらめっこ状態。何とかローワー・パインズで3泊分のキャンプサイトを予約できました。
RECREATION.gov 予約サイト(英語)

予約できるキャンプサイトに泊まってみた結果

あてがわれたサイトの広さに対して、スケール感がおかしいMSRのマイテント。ぽつねん

サイトの入口で自分の区画の番号をもらって行くと。周りはみんなキャンピングカー。BBQで肉の塊を焼いているUSA感満点の家族にはさまれて、雨の中ソロテントを張り、ちまちまとソロクッカーで夕食を作る空しさたるや。
お隣の家族から「日本人はキャンプもミニマリストなのか?」とつっこまれ、もらったスモアをちびちび食べるはめに。「自分が何だかいたたまれない」……ここを脱出せねば!

さみしそうに見えたのか、この女の子がスモア(ハーシーズのチョコとあぶったマシュマロをクラッカーではさんだファットな食べ物)をくれました

Camp4は当日早い者勝ち。さてどうする……

朝6時半からテントサイト争奪戦のCamp4。運に選ばれしもの(?)が泊まれる聖地

実はクライマーの定宿サイトとなっているCamp4は予約制ではなく、朝8:30の段階で空きがあれば泊まれます。翌朝イチかバチかで行ってみると「ラッキーね、空いてるわよ。何泊したいの?」と笑顔のレンジャー。おかげで憧れのCamp4に泊まることができましたが、その翌日は空きを求めて朝6時から行列が! 運がよかったとしか言いようがありません。

1980年代に雑誌『岩と雪』の表紙を飾ったことでも知られる[ミッドナイト・ライトニング(Midnight Lightning)]。SNSで旅の写真を見た往年のクライマー少年(年齢は伏せます)の反応からも、ここが特別な場所だということをひしひし

クライミングパートナーを募集する掲示板があったり、ミッドナイト・ライトニングに挑戦するグループがいたり。1泊6ドルのヨセミテでいちばん安いサイト。お金はないけど自由な空気が流れている、そんな場所です。
Camp4 詳細情報(英語)
※5月中旬~9月中旬の期間、Camp4では希望日の前日まで抽選での予約(Lottery Application)が受け付けられています

4泊5日、何をして過ごしたかというと……

焚火をシェアして、世界のハイカー&クライマーと異文化交流




Camp4では、ひとつのファイヤーサイトあたりに数組のグループが割り当てられます。私がご一緒したのは、①バージニア州から来た兄弟、②スペイン人クライマー3人組、③NYからやってきた単独おじいちゃん。

「ソロキャンだし、焚火はできないか」と思っていたら、兄弟が薪の準備からすべてやってくれてラッキー。スペイン人は「明日からハーフドーム行くから、また2日後帰ってくる!」と自由。おじいちゃんは「最後の夜か、ご飯を作ってあげよう!」と最終日にローストチキンとワインを振舞ってくれました。

若いクライマーばかりじゃないのが、Camp4の面白いところ。このおじいちゃん、NYから往年の友達を訪ねてアメリカを自転車で旅しているのだとか

オートキャンプができない格安サイトということもあり、全員テント泊(もしくはハンモック泊)。楽器とお酒を持ってほかの人たちのサイトに遊びに来る若者がいたり、人との距離感が近くて自然と話をしてしまうこの感じは、テント旅ならではだなと。

カメラを向けると寝起きでもピースしてくれる陽気なスペイン人クライマー。アメリカ人だけでなく、いろんな国からここに集まってくるということにじーんとした

毎日お手製ランチを持って、ハイキング三昧


ヨセミテ・バレー内にはレストランもありますが、観光地なのでかなり割高。せっかくのキャンプということもあり、食材を買って自炊をしていました。バレー内のスーパーは生鮮食品からスパイス、ワインまであり、街に比べてもそん色のない品ぞろえ。毎朝簡単なサンドウィッチを作って、ハイキングに出かけていました。

紙パックのスープストックやトマトペーストなどを購入。アメリカのスーパーは野菜は量り売りが多く助かりましたが、困ったのは牛肉の1パックが大きすぎること! 小分けにして毎日ステーキを食べる羽目に。雪が降るほど寒かったので、フードロッカーが冷蔵庫代わりに

そして買った食材は必ずフードロッカーに入れるよう誓約書にサインを求められます。違反したら最大5,000ドルの罰金! 日本の山でも野生動物との共生が問題になりますが、ここヨセミテでは野生のクマが暮らしていることもあり、ハイカーの義務として認識されているのです。

案内所にある手描きのクマ警告。クライミング中、地上にザックを置いておくと、中身を食べられちゃうからね、とのこと。誓約書にも「You are now in bear country!」と書かれていました

スニーカーでOK!1DAYハイクを満喫

バレーのビジターセンターでは、レンジャーがハイキングの相談にも乗ってくれます。自分の体力と装備をレンジャーに相談して提案してもらい、3日間の滞在期間中に[ミラー・レイク(Mirrror Lake)][ヨセミテ・ポイント(Yosemite Point)][ヴァーナル&ネバダ・フォール(Vernal Falls, Nevada Fall)]の3コースをハイキングしました。

JMT踏破には程遠いですが、数時間~半日のデイハイクでも十分にヨセミテの良さを感じることができます。実際に歩いたコースをご紹介いたしますね。

お散歩感覚でフラットな道を歩く「ミラー・レイク」


■所要時間:往復2~3時間
<クラークス・ブリッジ→ミラー・レイク→クラークス・ブリッジ>

予約制キャンプサイトが集まるエリアから出発する、お手軽なハイキングコースです。アップダウンもなく平坦な道なので、小さな子やお年寄りものんびり散歩していてピースフル。森の中を歩いていきますが、池にたどり着いて視界が開けると、そこにはそびえたつハーフ・ドーム!

▲北西面が切り立っている「ハーフ・ドーム」。ヨセミテのランドマーク
迷うようなところはないはずなのですが、どんどん歩いて行ったらトレイルを見失い、対岸に渡るのも倒木を使ってと、アドベンチャー感満点になってしまいました。

前の人(私)が道を間違ったのに、後ろをついてきちゃって丸太を渡るはめになったみなさん


圧巻のスケール感とクラクラする高度感!「ヨセミテ・ポイント」


■所要時間:往復6~7時間
<Camp 4→ヨセミテ・フォール→ヨセミテ・ポイント→ヨセミテ・フォール→Camp 4>

北アメリカでいちばん落差のある滝が[ヨセミテ・フォール(739m)]。日本一の称名滝が350mですから、その約2倍!!スケール感が伝わるでしょうか? このヨセミテフォールの左横を通って滝上まで行き、川を越えたところが折り返し地点の[ヨセミテ・ポイント(Yosemite Point)]。このトレイルは1873年から1877年に開かれた、ヨセミテで最も古いトレイルのひとつです。

高所恐怖症にとっては、見下ろすと足が震える高度感。でも登り切った先に見える景色から、言葉にはならないヨセミテのスケールを感じることができます


ミストシャワーを浴びまくる「ヴァーナル&ネバダ・フォール」


■所要時間:5~6時間
<カリー・ヴィレッジ→ヴァーナル・フォール・ブリッジ→シルバーエプロン→ネバダ・フォール→クラーク・ポイント→ミスト・トレイルヘッド→ミスト・トレイル・トレイルヘッド→カリー・ヴィレッジ>

予約制キャンプサイトにも近く、レストランなどもある[カリー・ヴィレッジ(Curry Village)]からハイクを始めます。このルートでは、ハーフ・ドームのすそ野を縫うように流れるマーセド川を歩き、[ヴァーナル・フォール(Vernal Fall)]と[ネバダ・フォール(Nevada Fall)]という2つの滝を巡ります。

この川沿いの道はミスト・トレイル(Mist Trail)と言われるだけあって、水しぶきを浴びます。なので、肌寒い季節であれば撥水のジャケットを持参するのがおすすめ。またヨセミテ・ポイントほどの登りはないですが、緩やかな登り/下りのあるトレイルです。

休憩スポットの[シルバー・エプロン]には、食べ物のおこぼれを狙うリスがあちこちに。顔はかわいいけど油断できない

道標には「John Muir Trail」の文字。「いつか歩いてみたい」と憧れているところをほんの少しでも歩けたことは、ヨセミテに来てよかったことのひとつ


旅にトラブルはつきもの。困ったことBEST3

出発10日前に「道が閉鎖されたので予約をキャンセル」とメールが!

当初バレー外のキャンプサイトを予約していましたが、出発前に「冬の嵐で道路が通行止めなのでキャンセルするように」とのメールが。しかもオンラインキャンセルでは手数料の10ドルは返金されないということが発覚。メールで問い合わせたところ、「手数料の返金は電話か直接窓口のみ受付」と……。肝心なところがアナログすぎます。

SIMが使えない!!完全オフラインで強制デトックス

渡米前にアメリカの通信会社の「プリペイドSIM」を購入していました。ところが、当時の私のスマホは日本のガラパゴス仕様で、アメリカの4Gのバンドに対応していなかったのです……。空港で気づいたけど時遅し。でも完全オフラインという環境におかれるのも、デジタルデトックスができてよかったな~と懐かしく思います。
※[Mariposa County library branch]と[Degnan’s Kitchen]ではwifiが使えるようです

いきなりの雨。ハイキングできなくてやることがない!

アワニー・ホテルのラウンジ。1927年に建築された重厚かつ歴史ある趣。せっかくなのでぜひ見学を

ヨセミテに着いた初日の夜から雨降り。ハイキングをするつもりだったのが、出鼻をくじかれてしまいました。そこでバレー内の施設を見物しに行くことにしました。

キャンプサイトから少し離れたところにある[アワニー・ホテル(the Ahwahnee)]はAppleのスティーブ・ジョブズが結婚式を挙げた場所として知られています。雨で水がぬかるむCamp4とは別世界。1泊500ドルですから!

ほかにも、カリー・ヴィレッジでは焼き立てピザが食べられる店や宿泊者用の温水シャワーなどもあり、ショッピングなども楽しめます。

写真中央にある新聞『Yosemite Guide』には、ハイキング情報などはもちろん、ミュージアムや映画上映などの情報も満載。飲食店の営業時間など、バレー内でのお役立ち情報がまとまっているので、必ずもらいたい

そして、「文化度が高い!」と感心したのが、イベントプログラムの多さ! 映画上映やアーティストによるワークショップなど、1日に10以上ものプログラムが開催されています。その情報は入園時にもらう『Yosemite Guide』という新聞に掲載されています。

知りたいお金の話。いくらかかった?

キャンプとハイキングを満喫したヨセミテ滞在ですが、4泊の滞在でかかった費用はというと……
■ヨセミテ・バレー入場料 30ドル
※車の場合。人のみなら15ドル。7日間有効
■ローワー・パイン使用料 26ドル(1泊)
■Camp4使用料 18ドル(3泊)
■レンタカー代 90.17ドル(5日間)
■ガソリン代 33.37ドル
■国際免許証手数料 2,350円

1ドル=約110円と計算しても、約25,000円。食費と航空券代は別ですが、びっくりするほど安い。
これはひとえに1泊6ドルのCamp4に宿泊できたからなのですが、1泊26ドルの予約制キャンプサイトになると、ぐっと予算があがってしまいます。
「必ず泊まりたい日数」を一旦予約したうえで、現地でCamp4の空きを狙う(予約分は現地でキャンセルできます)というのが、予算を抑えるにはいいかなと思いました。

結局ヨセミテってどんな場所?行って楽しかった??

勘のいい読者の方は「ん?ヨセミテって、なんか日本のあそこに似てる……?」と思われたかもしれません。わりと正解です。例えるならば、アメリカ版・上高地
エル・キャピタン=槍・穂高連峰
ミラー・レイク=大正池
アワニー・ホテル=帝国ホテル
Camp4=涸沢キャンプ場

でもこれは決して悪い意味ではないんです。ヨセミテは熟練クライマーやロングハイカーだけの特権の地ではなく、みんなに開かれた場所。「ヨセミテなんてハードルが高いな……」なんて気後れしている人にこそ、行ってみてほしい。こんなにいろんな人が自分のやり方で自然を満喫できる場所って、世界を探してもそんなにないんじゃないかなと。

In every walk with Nature one receives far more than he seeks.”ーJohn Muir
自然のなかを歩くたびに、探し求めている以上のものを受け取っているージョン・ミューア




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