2025/01/13 12:00 ウェザーニュース
日本時間の今夜は、火星が地球に最接近します。太陽の周りを公転する火星と地球は、およそ2年2カ月ごとに最接近し、距離が近づくことで赤い輝きが見頃になります。
また、明日・明後日は火星と月が“見かけ上”接近しますので、ならんで輝く姿が期待できます。
火星の公転周期は687日と地球よりもゆっくりと太陽のまわりをまわっているため、地球は火星をおよそ2年2カ月ごとに追い越しています。追い越す際に地球と火星は最接近しますが、距離はその回ごとに約5500万〜1億kmと大きな差があります。今回の距離は約9608万kmですので、最接近の中では遠いほうです。ただ、次回・次々回の最接近はさらに遠く、大接近が期待出来るのは2035年となります。
それでも、最接近の前後数か月は火星は普段よりも明るく見え、今回はマイナス1.4等の明るさになります。惑星の中では金星、木星に次ぐ明るさで、赤い輝きが夜空の中でも目を引きそうです。
火星は今週1月16日に「衝(しょう)※」を迎えます。衝の前後は一晩中観察することができる時期となります。
今夜の火星は日暮れの東の空から昇り、明日の朝に西の空に沈んでいきます。最接近時刻の22時37分には、東の高い空に昇っています。ほぼ真上で輝く月よりは低く、ふたご座のカストル・ポルックスの近くに位置します。東から南の空には明るい恒星もたくさんあるため、大変賑やかに感じられそうです。
なお、最接近の時刻は計算されているものの、その瞬間に特別なことがあるわけではなく、輝きも前後1か月程度はほぼ変わりありません。
▼昇る時刻(東京)
12日(日) 火星 16:55
※衝:太陽系の天体が、地球から見て太陽とちょうど反対側になる瞬間のこと。最接近の時期には必ず衝のタイミングがあります。
今夜は二つの低気圧が太平洋と日本海を進むため、沿岸部を中心に雲の多い空となりそうです。北海道や西日本の太平洋側などが、観測には比較的好条件となります。
なお、今夜天気が悪く見られなかったとしても、この先2週間程度は同じくらい明るく輝く火星の見頃が続きますので、日をあらためて観察してみてください。
今夜は火星と地球の「実際の距離」が接近しますが、明日〜明後日は火星と月が「見かけ上」接近します。地球から見て同じ方向に見えることで接近して見える現象で、およそ1か月にいちど接近します。
明日13日(月)夜には火星の上方に月が、明後日14日(火)夜には火星の下方に月が接近して見えます。
なお、月は14日(火)に満月を迎えるため大変明るく輝き、周囲の星を霞ませるほどですが、火星は十分明るく存在感を発揮してくれそうです。
▼昇る時刻(東京)
13日(月) 火星 16:49 月 15:52
14日(火) 火星 16:43 月 17:00
参考情報
国立天文台「ほしぞら情報2025年1月 火星が地球に最接近(2025年1月)」、アストロアーツ「【特集】火星(2025年1月12日 地球最接近)」