2025/01/04 09:25 ウェザーニュース
お正月にお雑煮やお汁粉などにして食べたお餅も三が日を過ぎると余りがちになり、そのまま放っておくとカビが生えてしまうこともあります。
ウェザーニュースでお餅のカビについてアンケート調査を実施したところ、8割以上の人がお餅にカビが生えた経験があると回答していました。
お餅にカビが発生するのを防ぐにはどうしたらよいかを宮城大学食産業学群教授の金内誠先生に聞きしました。
金内先生は、「お餅の主成分は"でんぷん"で、ほかにタンパク質、水、脂質などで出来ています。カビが大好きな養分と湿度を多く含んでいるので、カビが発生しやすくなるのです」と話します。
お餅に緑や黒、赤色などの斑点があらわれたら、まずカビだと思って間違いありません。カビの種類について金内先生が解説してくれました。
「お餅につきやすいのは緑色のカビで、コウジカビの一種です。ところが、このカビの一種は毒性を持つものもいます。多くは食品に付着し、汚染カビとなります。
そのほか、餅に生える白いカビや青〜灰色のカビの多くは、アオカビでふわふわした白い点々のようになったものが見えたら怪しいので食べないようにしましょう。温度や湿度が低くても耐えられる特性を持っています
また、毛足の長い灰色のケカビなども検出されることがあります。黒いカビは、アスペルギルス属で、室内に存在する代表的なカビです。 湿度が多いところで繁殖しますが、低温でも酸素が少ない状態でも発育します。
ピンク〜オレンジカビは、アカパンカビというカビの一種です。このカビが生育すると風味が悪くなります」(金内先生)
お餅にカビが生えてしまっても、カビの部分を取り除いて食べれば大丈夫、という声も耳にしますが、真偽のほどはいかがでしょうか?
金内先生は「表面の一部だけにカビ菌があらわれ、ほかの部分は大丈夫のように見えますが、顕微鏡で調べると内部まで根を張っている場合があります。また、菌糸がなくても、菌がつくった毒が、餅に含まれます。目に見えないカビ菌を食さないように、カビが生えたお餅はすぐに廃棄しましょう」と忠告します。
市販のお餅は、カビを防ぐ脱酸素剤や袋内部の空気を無くした真空包装により、長期間保存が可能になりました。切り餅がひときれずつ個包装になっているものは、未開封であれば常温保存で大丈夫です。封を開けてしまったら、なるべく早く食べ切りましょう。
餅つき機で自作したものや、餅つき大会や餅専門店で入手した搗(つ)きたてのお餅は、手や空気に触れることが多いため、餅に菌やウイルスが付きやすく、市販のものよりカビが発生しやすいので、注意してください。
金内先生は「家庭で手軽にお餅のカビを防ぐには、まず素手で触らないことが第一」と前置きして、いくつかのカビ予防法を教えてくれました。